民法第449条

出典: フリー教科書『ウィキブックス(Wikibooks)』

法学民事法コンメンタール民法第3編 債権

条文[編集]

(取り消すことができる債務の保証

第449条
行為能力の制限によって取り消すことができる債務を保証した者は、保証契約の時においてその取消しの原因を知っていたときは、主たる債務の不履行の場合又はその債務の取消しの場合においてこれと同一の目的を有する独立の債務を負担したものと推定する。

解説[編集]

保証債務には主たる債務の存在を前提とする付従性がある。449条はその例外である。保証の当時、主たる債務が取消しうることを知っており取消されない時だけその負担をを負う意思であれば、その旨を明言すべきであって、そうしないのは取消されてもなお同債務を負担する意思であると推定されるためである。
本条の反対解釈
  1. 無能力以外の取消原因(詐欺・強迫など)については、これを知っていても本条の推定は働かない。詐欺・強迫の励行となりえるためである。
  2. 無能力により取消しうることを知らない場合、取消しうる債務を保証したことになり、主たる債務が取消されれば、保証債務も消滅する。
「推定される」のであって、「みなされる」わけではないため、反証を挙げれば覆すことができる。

参照条文[編集]

判例[編集]


前条:
民法第448条
(保証人の負担が主たる債務より重い場合)
民法
第3編 債権

第1章 総則
第3節 多数当事者の債権及び債務

第5款 保証債務
次条:
民法第450条
(保証人の要件)
このページ「民法第449条」は、まだ書きかけです。加筆・訂正など、協力いただける皆様の編集を心からお待ちしております。また、ご意見などがありましたら、お気軽にトークページへどうぞ。