「中学校社会 地理/日本の諸地域 北海道地方」の版間の差分

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== 地図 ==
[[ファイル:Hokkaidomap-jp.png|thumb|600px|北海道地図]]
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== 気候 ==
== 気候 ==
北海道は、梅雨が、こない。気候は亜寒帯(冷帯)である。冬が長く、11月ごろから雪が降り始める。
北海道は、梅雨が、こない。気候は亜寒帯(冷帯)である。冬が長く、11月ごろから雪が降り始める。


家の窓は、二重窓で、寒さを防いでいる。道路では、電熱線や温熱パイプで凍結をふせぐ'''ロード ヒーティング'''も発達している。
家の窓は、二重窓で、寒さを防いでいる。道路では、電熱線や温熱パイプで凍結をふせぐ'''ロード ヒーティング'''も発達している。

[[File:Ryuhyoh 01.jpg|250px|thumb|北海道の流氷(りゅうひょう)]]
オホーツク海の流氷(りゅうひょう)が冬に見られる。北海道の北西の海岸がオホーツク海側の海岸であり、1月ごろから3月ごろまで、流氷が見られる。


== 農業など ==
== 農業など ==
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*西部
*西部
[[File:Tokachi plain 01.jpg|280px|thumb|十勝平野(とかち へいや)。大規模な農園が広がる。]]
西部は、あまり気温が上がらない、夏には、霧が多く発生する。冬には、東部よりも雪が多い。
西部は、あまり気温が上がらない、夏には、霧が多く発生する。冬には、東部よりも雪が多い。


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このほか、北海道中部にある夕張(ゆうばり)ではメロン栽培が有名。北海道中部にある富良野(ふらの)ではラベンダー栽培が有名。
このほか、北海道中部にある夕張(ゆうばり)ではメロン栽培が有名。北海道中部にある富良野(ふらの)ではラベンダー栽培が有名。


[[File:Konsen_Plateau.JPG|right|thumb|300px|根釧台地(こんせんだいち)]]

<span style="font-size: large;">根釧台地</span>(こんせんだいち)は冷たく、土が火山灰のため、農産物の栽培には不向きであり、かわりに酪農や畜産が行われている。根釧台地の酪農では、バターやチーズ、牛乳などを生産している。
<span style="font-size: large;">根釧台地</span>(こんせんだいち)は冷たく、土が火山灰のため、農産物の栽培には不向きであり、かわりに酪農や畜産が行われている。根釧台地の酪農では、バターやチーズ、牛乳などを生産している。


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== アイヌ民族 ==
== アイヌ民族 ==
[[ファイル:AinuGroup.JPG|thumb|300px|アイヌ]]
北海道には、「'''アイヌ'''」と言われる先住民族がいる。日本の江戸時代以前では、アイヌ民族のことを「蝦夷」(えぞ、えみし)と言っていた。北海道は蝦夷地(えぞち)と言われていた。
北海道には、「'''アイヌ'''」と言われる先住民族がいる。日本の江戸時代以前では、アイヌ民族のことを「蝦夷」(えぞ、えみし)と言っていた。北海道は蝦夷地(えぞち)と言われていた。


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== 自然 ==
== 自然 ==
[[ファイル:Kushiro marshland of winter Hokkaido,JAPAN.jpg|250px|thumb|釧路湿原(くしろ しつげん)。細岡展望台より冬の湿原を見る(2006年2月)]]
世界自然遺産が多い。


世界自然遺産が多い。知床半島(しれとこはんとう)は世界遺産。
オホーツク海の流氷(りゅうひょう)が冬に見られる。北海道の北西の海岸がオホーツク海側の海岸であり、1月ごろから3月ごろまで、流氷が見られる。


<span style="font-size: large;">釧路湿原</span>(くしろ しつげん)などの湿地も多く、タンチョウヅルなどの水鳥(みずどり)などの飛来する場所にもなっており、<span style="font-size: large;">ラムサール条約</span>に指定されている。
知床半島(しれとこはんとう)は世界遺産。

<span style="font-size: large;">釧路湿原</span>(くしろしつげん)などの湿地も多く、タンチョウヅルなどの水鳥(みずどり)などの飛来する場所にもなっており、<span style="font-size: large;">ラムサール条約</span>に指定されている。
ラムサール条約とは、水鳥の生息地の湿地を保護するための国際条約。
ラムサール条約とは、水鳥の生息地の湿地を保護するための国際条約。


釧路湿原は国立公園に、なっている。
釧路湿原は国立公園に、なっている。

他にもラムサール条約に指定された湿地が北海道には多くある。日本では、46か所がラムサール条約に指定されている。
他にもラムサール条約に指定された湿地が北海道には多くある。日本では、46か所がラムサール条約に指定されている。


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== 火山 ==
== 火山 ==
[[File:有珠山.jpg|250px|thumb|left|有珠山(うすざん)]]
[[File:130922 Lake Toya Toyako Hokkaido Japan03s3.jpg|thumb|250px|洞爺湖(とうやこ)]]

火山も多く、<span style="font-size: large;">有珠山</span>(うすざん)や周辺の山々は、ときどき、噴火する。
火山も多く、<span style="font-size: large;">有珠山</span>(うすざん)や周辺の山々は、ときどき、噴火する。
洞爺湖(とうやこ)は、有珠山の活動によって出来た'''カルデラ'''に水がたまった場所である。このようにカルデラに水がたまって出来た湖を<span style="font-size: large;">カルデラ湖</span>(カルデラこ)という。
<span style="font-size: large;">洞爺湖</span>(とうやこ)は、有珠山の活動によって出来た'''カルデラ'''に水がたまった場所である。このようにカルデラに水がたまって出来た湖を<span style="font-size: large;">カルデラ湖</span>(カルデラこ)という。
北海道には、他にもカルデラ湖がいくつかあり、たとえば東部には阿寒湖(あかんこ)や摩周湖(ましゅうこ)や屈斜路湖(くっしゃろこ)があり、これらがカルデラ湖である。
北海道には、他にもカルデラ湖がいくつかあり、たとえば東部には阿寒湖(あかんこ)や摩周湖(ましゅうこ)や屈斜路湖(くっしゃろこ)があり、これらがカルデラ湖である。


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有珠山の周辺地域では、防災マップ('''ハザードマップ''')も作られている。
有珠山の周辺地域では、防災マップ('''ハザードマップ''')も作られている。


洞爺湖の近くに温泉(洞爺湖温泉)があるのも、そもそも有珠山が火山だからである。
洞爺湖の近くに温泉(洞爺湖温泉)があるのも、そもそも有珠山が火山だからである。有珠山は、ほぼ30年ごとに噴火すると言われている。1910年、1944年、1977年、2000年に噴火している。

[[File:130922 Showa-shinzan Sobetsu Hokkaido Japan01s3.jpg|thumb|昭和新山(しょうわ しんざん)]]
有珠山の近くにある <span style="font-size: large;">昭和新山</span>(しょうわ しんざん) は、第二次大戦の末期1944年(昭和19年)に出来た。


有珠山の近くにある<span style="font-size: large;">昭和新山</span>(しょうわ しんざん)は、第二次大戦の末期1944年(昭和19年)に出来た。


有珠山は、ほぼ30年ごとに噴火すると言われている。1910年、1944年、1977年、2000年に噴火している。





2014年6月12日 (木) 11:59時点における版

地図

北海道地図

気候

北海道は、梅雨が、こない。気候は亜寒帯(冷帯)である。冬が長く、11月ごろから雪が降り始める。

家の窓は、二重窓で、寒さを防いでいる。道路では、電熱線や温熱パイプで凍結をふせぐロード ヒーティングも発達している。

北海道の流氷(りゅうひょう)

オホーツク海の流氷(りゅうひょう)が冬に見られる。北海道の北西の海岸がオホーツク海側の海岸であり、1月ごろから3月ごろまで、流氷が見られる。

農業など

北海道の農業は、全国でも有数の農業生産量である。農地が大きい大規模な農家が多く、そのため専業農家も多く、農業に大型の機械を用いている。

  • 東部

石狩平野(いしかり へいや)などでは、稲作がさかん。北海道の東部で、稲作がさかん。石狩平野も、やや東寄りにある。 西部と比べて東部は、気温も、比較的、夏は高くなる。西部は、冬も、雪は、東部よりも少ない。

北海道の南部から中部に、南北に長く伸びる山脈の日高山脈(ひだか さんみゃく)があり、この日高山脈の東西で気候が分かれる。

米は、もともと熱帯の作物なので、もともとの米は北海道では育たず、近現代の北海道の米は、品種改良されて寒くても育つように改良された米である。

  • 西部
十勝平野(とかち へいや)。大規模な農園が広がる。

西部は、あまり気温が上がらない、夏には、霧が多く発生する。冬には、東部よりも雪が多い。

稲作や畑作などに適さない場所では、かわりに畜産や酪農などが行われている。 北海道の西部では、畑作や畜産、酪農が、さかん。

十勝平野(とかち へいや)は、気候がやや冷たいのと火山灰地が広がることから、あまり米づくりに向かず、かわりに畑作や酪農がさかんに行われている。 北海道の畑作物は、じゃがいも、てんさい、たまねぎ、かぼちゃ、にんじん、だいず、あずき などである。 北海道が日本1位の生産量の農産物も多く、だいず、たまねぎ、かぼちゃ、てんさい、あずき、にんじん は、北海道が日本1位の生産量である。

このほか、北海道中部にある夕張(ゆうばり)ではメロン栽培が有名。北海道中部にある富良野(ふらの)ではラベンダー栽培が有名。

根釧台地(こんせんだいち)

根釧台地(こんせんだいち)は冷たく、土が火山灰のため、農産物の栽培には不向きであり、かわりに酪農や畜産が行われている。根釧台地の酪農では、バターやチーズ、牛乳などを生産している。

根釧台地の火山灰土は、阿寒岳(あかんだけ)や摩周(ましゅう)などからの火山灰である。


根釧台地の開発は、農作物が栽培しづらいため開発が遅れたため、第二次大戦後になって開発が行われ、酪農などがさかんになった。


アイヌ民族

アイヌ

北海道には、「アイヌ」と言われる先住民族がいる。日本の江戸時代以前では、アイヌ民族のことを「蝦夷」(えぞ、えみし)と言っていた。北海道は蝦夷地(えぞち)と言われていた。

なお、べつに「アイヌ」という特定の1つの民族がいたのでは無く、何種類かの先住民族がいて、それら先住民族の総称が「アイヌ」。


明治時代に北海道は大日本帝国の領土として一方的に組みこまれ、北海道の開拓が本格的に始まった。そのため、それ以前の自然が失われてしまった。現在の北海道でみられる田畑などの多くは、開拓後のものであり、森林を伐採して切り開いたものである。明治の開拓以前は、原野や森林が多くあった。 アイヌ民族は狩猟で生計をたてており、農耕の習慣が無かった。

明治のはじめごろに、開拓使(かいたくし)という役所が置かれた。

ロシアなどに対抗する警備の役割を兼ねて、日本の兵士に農業をさせる屯田兵(とんでんへい)が多く、北海道に置かれた。

このようにして、北海道の原野は農地などに開拓され、北海道は農業がさかんになった。 明治時代に日本の農学校に赴任(ふにん)したお雇い外国人のクラークも、農学校の教師であった。


  • 地名に見られるアイヌ語の名ごり

地名に、アイヌの名残が多く見られる。たとえば「札幌」は「サッポロベ」が由来。

札幌(さっぽろ) ← サッポロベ (乾いた大きな川)
苫小牧(とまこまい) ← トーマコマイ (沼のある川)
小樽(おたる) ← オタルナイ (砂だらけの川)
歌志内(うたしない) ← オタウシナイ (砂の多い川)
稚内(わっかない) ← ヤムワツカナイ (冷たい水の川)
富良野 ← フラヌイ(においがするところ) ※ 硫黄のにおい
知床(しれとこ) ← シレトク (大地の突き出たところ) ※ 半島
帯広(おびひろ)オペレペレケブ (意味:いくつも分かれている川) 
登別←ヌブルベ (水の色の濃い川) 
根室(ねむろ) ← ニムオロ (樹木がしげる所)
えりも ← エンルム (つきでた所。岬)
室蘭 ← モルラン (小さい坂)
釧路(くしろ) ← クシル (超える道)
石狩川 ← イシカラベ (曲がりくねった川)
夕張(ゆうばり) ← ユーパロ(鉱泉の湧き出る所)
利尻(りしり) ← リイシリ (高い島)



明治政府が、あまりアイヌの文化の保護に熱心では無く、同化政策に力を入れていたこともあり、アイヌの文化が衰退してしまっており、アイヌは少数民族になっている。第二次大戦後は、アイヌ文化を保護する方針に政府が変わった。


自然

釧路湿原(くしろ しつげん)。細岡展望台より冬の湿原を見る(2006年2月)

世界自然遺産が多い。知床半島(しれとこはんとう)は世界遺産。

釧路湿原(くしろ しつげん)などの湿地も多く、タンチョウヅルなどの水鳥(みずどり)などの飛来する場所にもなっており、ラムサール条約に指定されている。 ラムサール条約とは、水鳥の生息地の湿地を保護するための国際条約。

釧路湿原は国立公園に、なっている。 他にもラムサール条約に指定された湿地が北海道には多くある。日本では、46か所がラムサール条約に指定されている。

水産業

漁獲量が全国1位。さけ、ます、かに、ほたて。

1970年以前、かつては、ロシアやアラスカ沿岸(アメリカ合衆国)で、日本の漁船が漁をする北洋漁業で、 すけとうだら などを取るのが盛んだった。1970年代の排他的経済水域の設定で、北洋漁業がおとろえ、漁獲量が大きく減少した。

近年では、養殖に重点がおかれ、 ほたて や こんぶ などの養殖、栽培漁業に力が置かれている。

水産加工業も、さかん。かまぼこ、缶詰食品など。


火山

有珠山(うすざん)
洞爺湖(とうやこ)

火山も多く、有珠山(うすざん)や周辺の山々は、ときどき、噴火する。 洞爺湖(とうやこ)は、有珠山の活動によって出来たカルデラに水がたまった場所である。このようにカルデラに水がたまって出来た湖をカルデラ湖(カルデラこ)という。 北海道には、他にもカルデラ湖がいくつかあり、たとえば東部には阿寒湖(あかんこ)や摩周湖(ましゅうこ)や屈斜路湖(くっしゃろこ)があり、これらがカルデラ湖である。


洞爺湖の場所は、当然、有珠山にある。

有珠山の周辺地域では、防災マップ(ハザードマップ)も作られている。

洞爺湖の近くに温泉(洞爺湖温泉)があるのも、そもそも有珠山が火山だからである。有珠山は、ほぼ30年ごとに噴火すると言われている。1910年、1944年、1977年、2000年に噴火している。

昭和新山(しょうわ しんざん)

有珠山の近くにある 昭和新山(しょうわ しんざん) は、第二次大戦の末期1944年(昭和19年)に出来た。



人口

札幌市(さっぽろし)に人口が集中している。札幌の人口は190万人ほどであり、北海道の人口の約3分の1が集中している。札幌は政令指定都市になっている。


工業

石狩炭田(いしかり たんでん)など、かつて石炭の炭田があり、さかえたが、第二次大戦後に衰退した。夕張(ゆうばり)などは、かつて炭鉱都市(たんこう とし)として、さかえていた。 夕張市は、第二次大戦後に石炭産業が衰えて、財政が悪化した。そのため夕張市は観光を振興したり町おこしをしたが、なかなか、もうからず、財政が苦しい。


室藍市(むろらん し)で製鉄業。苫小牧市(とまこまい し)で製紙工業。