独占禁止法

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総説[編集]

正式の名称は「私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律」。私的独占、不当な取引制限、不公正な取引方法を禁止する法である。前二者の禁止は、既に起こった市場の不健全さを回復するための規定であり、不公正な取引方法の禁止はその予防を図るための規定である。つまりできあがった独占を解消する事と、独占が生まれる事を防ぐ事の二つが規定されているのだ。では、そもそも独占の何が悪いのだろうか。それを理解する上で独禁法の生まれた米国での経緯を知る事が有効である。

法制史[編集]

米国の反トラスト法を継受して制定された。反トラスト法は、シャーマン法とクレイトン法の総称であるが、独占禁止法ではそれぞれ私的独占の禁止、不公正な取引方法の禁止に対応している。実際に両者を並べてみると、その類似がはっきりとする。シャーマン法が制定された当時のアメリカでは石油王と呼ばれたロックフェラーのスタンダード石油が、トラストという形態で市場の90%を独占していた。

私的独占および不当な取引制限[編集]

法典の編成が、まず事業者による取引制限を規定した後に、事業者団体による取引制限を規定している形となっているので、これに従う事とする。

私的独占[編集]

  • 定義規定

「私的独占」とは、事業者が、単独に、又は他の事業者と結合し、若しくは通謀し、その他いかなる方法をもつてするかを問わず、他の事業者の事業活動を排除し、又は支配することにより、公共の利益に反して、一定の取引分野における競争を実質的に制限することをいう。(二条五項) 私的独占が、まずは事業活動の排除、支配を指している事が判る。以下でこの定義で問題となる点を見てみよう。

事業者[編集]

事業者もまた定義規定を持つので、ある程度は明らかである。けれども東京都が、と畜場を運営し、安く請け負った事件において、はたして地方公共団体も事業者と言えるのかが問われる事となった。

一定の取引分野[編集]

一定の取引分野が問題となるのは、分野の設定が柔軟であるために、認定の仕方によって制限が発生しているかという認定がかわってくるからである。新聞市場を借りて例えると全国を分野と考えた場合は制限が生じていなくとも一地域を分野とすると制限が見られると言うような場合である。具体的には新聞の事例の他、一回の工事、一個の建物のメンテナンスが取引分野と言えるが争われた事例がある。

排除[編集]

支配[編集]

不当な取引制限[編集]

  • 定義規定

「不当な取引制限」とは、事業者が、契約、協定その他何らの名義をもつてするかを問わず、他の事業者と共同して対価を決定し、維持し、若しくは引き上げ、又は数量、技術、製品、設備若しくは取引の相手方を制限する等相互にその事業活動を拘束し、又は遂行することにより、公共の利益に反して、一定の取引分野における競争を実質的に制限することをいう。(二条六項))

事業者団体の行為[編集]

不公正な取引方法[編集]

具体的な規定は公正取引員会に委任されており、公正取引委員会告示により十六条にわたって規定されている。