経済学 現代経済の変容 経済の変容 世界経済の変容 社会主義経済

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『社会主義経済』とは[編集]

マルクスは、共産主義を実現するためには、その前段階として「社会主義」なるものが必要だと説きました。なので、ここでいう「社会主義」あるいは「社会主義経済」とは、実質的に「共産主義経済」のことです。

マルクス本人は違う意見かもしれませんが(またはマルクスの支持者の意見など)、しかし現実の経済学・政治学においてマルクス個人の意見など、知った事ではありません。

この学問は、マルクス学ではなく、経済学ですので、現実の経済を語る視点での説明を優先させる事とします。


たとえば1990年以降、中間人民共和国は、資本主義を導入しましたが、しかし政治は相変わらず共産党が集中的・独裁的な権力をもつ政治体制のままであり、このような非・民主主義の政治体制での経済のことを「社会主義的な資本主義経済」のように日本では言う場合が90年代からあります。

この中国のような用法は、マルクス本人の提唱した元々の言葉の意味とは違います。ですが現実として、非・民主主義の政治体制のことを「社会主義」と言う場合があります。日本国内の経済評論でも「日本は経済は資本主義だけど、政治は社会主義だ」と日本を批判する言説も、古くとも90年代の昔からあります。中東のイランのようにイスラム復古主義的であり、信教の自由が制限されているなどして『民主主義』とは到底言いがたい国のことを「社会主義」と言う場合も、現実に遅くとも90年代からあります。

第二次世界大戦後に限らず、第二次大戦中においても通称「ナチス」と言われる正式名称「国家社会主義ドイツ労働者」の政党(いわゆるナチスドイツ)は、共産主義やソビエト連邦を敵視していました。

マルクス主義者は、こういった矛盾から目を背けるためか、冷戦後の市場開放した中国などを決して「資本主義」とは言わず「社会主義的市場経済」などと中国経済を称しています。実際に、政府によって市場介入などが中国では目立つ場合が度々あるので、そういう意味で「資本主義」という言葉を中国に使わない事にも合理性はありますが、果たしてマルクス主義者がそこまで考えて「社会主義的市場経済」という表現を使っているかどうかは不明です。


20世紀には資本主義の矛盾をとこうという試みがありました。それが社会主義経済(socialism)です。社会主義の特徴は次の通りです。

本来なら、「共産主義経済」と言うべきでしょうが、しかし歴史的な用語として「社会主義経済」という用法が、定着してしまっています。

共産主義の前段階としての社会主義があるなんてのは、マルクスの個人的な説に過ぎません。経済学的には、そんなマルクス説は一切、証明されていません。それどころかロシア革命からソビエト連邦への以降なんて、帝政から共産主義への移行でしたので、歴史学的にもマルクス説は怪しいです。

なお、ソビエト連邦の正式名称は「ソボエト社会主義連邦共和国」ですので、国家名だけなら「社会主義」です。しかし、マルクスの住んでいた国は近代のドイツですので、果たして当時の近代ドイツの読者が夢想したような「社会主義」の体勢(おそらく、WW2後の「修正資本主義」的な体制)と、ソ連が同一の体勢であるかどうか、到底、疑問です。(この事は、経済学者・政治学者である故・小室直樹が指摘しています。漫画家の小林よしのりも、社会風刺マンガ『ゴーマニズム宣言』で、よく述べています。) また、ソ連の中央の政党は「共産党」ですが、国家名が「社会主義連邦」ですので、社会主義を経てからの共産主義というマルクスの説は、ソ連の統治機構の各機関の名称から見ても、全く成り立っていません。


当時の人がソビエト連邦などの経済を「社会主義経済」と呼んだから今でも「社会主義経済」と言うというのは、不公平な気もします。

日本史でいう『大正デモクラシー』なんて言葉は大正時代の当時には無かったし、『太平洋戦争』は当時の日本人は『大東亜戦争』と呼びました。このように、歴史学の分野では、当時の人の言い分は無視して、後世の視点からより客観的・普遍的な言い回しに言い換えるのが本来なら通例です。

なのに、なぜかマルクス関連の学問だけは、マルクス当時の言い分のままの用語が続いています。本来ならこれを糺す(ただす)べきかもしれませんが、残念ながら日本だけでなく国際的にも、マルクス主義経済のことを「社会主義経済」と言う奇妙で珍妙な通例が続いています。


このように、「社会主義経済」という用語はマルクス学者により自分勝手な使われ方をしているので、「マルクス主義経済」または「マルクス経済」などと言い換えたほうが客観的かもしれません。実際、「マルクス経済学」などという科目名が大学で使われたことも多々あります。また、政治用語で「マルクス主義」という言葉が実際にあります。


ともかく、マルクス主義経済である自称「社会主義経済」とは、下記のような内容です。

  • 資本家が労働者を搾取する(搾り取る)仕組みをやめて、労働者だけの国を作ることを目的としています。
  • 私有財産を否定:生産手段は社会(国家や協同組合など)の所有としています。
  • 国家による資源・労働力の計画配分:何をどれだけ作るかを国家が決めます。


しかし、これだと、ナチスドイツのような国家社会主義ドイツ労働者党の経済方針は上記例では説明できなくなるのですが、まあ、実質的に上記は「マルクス経済」のことですので、ナチスドイツの例とは異なります。


マルクスの登場した1860年代の当時では、それ以前の経済学ではアダム=スミス(1770年ころに活躍)のような自由放任的な経済が良いとされる学説が主流でしたが、しかしそれに異を唱えるリスト(フリードリヒ・リスト、1830年ころに活躍)などの経済学者もいました。

また、第二次世界大戦前の不況を解決する公共事業などの理論的基盤となったケインズの学説の登場以降、果たしてマルクス経済理論は必要なのかどうか疑問も読者にあるでしょうが、しかし大学などでは現実として第二次大戦後も長らく、少なくとも日本の大学の経済学部では「マルクス経済学」の科目が20世紀の終わるころまでは存在していました。

なお、マルクス経済学の研究で用いられる数式について、経済学者の故・小室直樹が言うには、資本主義経済の研究で用いられている数式と同一のものである、と小室は述べています。資本主義経済の経済学でも、公共事業の経済効果の研究など多々あります。また、ケインズ経済学もあります。


なお、マルクス主義者は自分たちの社会主義思想を「科学的社会主義」と言っていましたが、これは全くナンセンスで、「科学的」とは単なる自称です。

なぜなら、まずマルクス本人は数学が苦手です(経済学者の小室直樹がそう述べています)。また、経済学において数理を用いて経済研究する学派の本場は、アメリカのシカゴ大学を中心とするシカゴ学派です。

ろくに数学も勉強せずにデモ活動やら革命闘争ばかりしている政治屋の連中に、「科学」を語る資格はありません。


『社会主義経済』の成立と発展[編集]

1867年、ドイツの経済学者・哲学者カール・マルクス(Karl Heinrich Marx)は著書『資本論』で、資本主義の持つ固有の矛盾が将来新しい社会体制を生むと指摘しました。同じくドイツの経済学者・哲学者のフリードリヒ・エンゲルス(Friedrich Engels)も著書『家族・私有財産・国家の起源』などで社会主義・共産主義を唱えました。

マルクスらの理論を背景として、1917年にロシア革命でソビエト社会主義政権が誕生しました。ロシアは1921年から新経済政策(ネップ、Новая экономическая политика)を推進し、1928年にソビエト連邦は第一次5カ年計画による社会主義経済の導入を進めました。これに続き、1945年に次々と独立したアジアや東ヨーロッパの国々、さらに1949年に成立した中国でも社会主義経済が導入されました。

中国の経済体制[編集]

1997年、香港がイギリスから中国に返還されました。このときから中国は一国二制度という制度が続いています。一国二制度は、中国という1つの国でありながら香港を資本主義経済の区域として同居させる制度のことです。

中国は1978年からトン・シアオピン(鄧小平)による社会主義国でありながら市場経済化を徐々に進め、積極的に海外資本を導入する開放政策を進めています。これは1993年の憲法改正で社会主義市場経済と明文化されました。ソビエト連邦が政治改革から経済改革を目指したのに対し、中国は経済改革から政治改革を目指しているといえます。ただ、社会主義市場経済の位置づけは、社会主義経済や資本主義経済に並ぶ経済体制のひとつなのか、社会主義経済から資本主義経済へ移行する途中の形なのかで意見が分かれています。


『社会主義経済』の国は減ってるの?[編集]

減っています。世界で最初の『社会主義経済』の国だったソビエト社会主義共和国連邦が、不景気から脱出できなくなってしまったため1991年に『社会主義経済』をやめました。ヨーロッパで『社会主義経済』をとる国はもうありませんが、朝鮮民主主義人民共和国やキューバ共和国では『社会主義経済体制』が続いているとされています。また、中華人民共和国やベトナム社会主義共和国、ラオス人民民主共和国も政治体制は社会主義国ですが、市場経済も取り入れ近年はその割合が高まっています。

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