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自然公園法第39条

出典: フリー教科書『ウィキブックス(Wikibooks)』

法学環境法自然公園法コンメンタール自然公園法

この項目では、第41条も扱う。

条文

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(国立公園における生態系維持回復事業)

第39条

  1. 国は、国立公園内の自然の風景地の保護のため生態系の維持又は回復を図る必要があると認めるときは、国立公園における生態系維持回復事業計画に従つて生態系維持回復事業を行うものとする。
  2. 地方公共団体は、環境省で定めるところにより、その行う生態系維持回復事業について国立公園における生態系維持回復事業計画に適合する旨の環境大臣の確認を受けて、当該生態系維持回復事業計画に従つてその生態系維持回復事業を行うことができる。
  3. 国及び地方公共団体以外の者は、環境省令で定めるところにより、その行う生態系維持回復事業について、その者がその生態系維持回復事業を適正かつ確実に実施することができ、及びその生態系維持回復事業が国立公園における生態系維持回復事業計画に適合する旨の環境大臣の認定を受けて、当該生態系維持回復事業計画に従つてその生態系維持回復事業を行うことができる。
  4. 第二項の確認又は前項の認定を受けようとする者は、環境省令で定めるところにより、次に掲げる事項を記載した申請書を環境大臣に提出しなければならない。
    一 氏名又は名称及び住所並びに法人にあつては、その代表者の氏名
    二 生態系維持回復事業を行う区域
    三 生態系維持回復事業の内容
    四 前三号に掲げるもののほか、環境省令で定める事項
  5. 前項の申請書には、生態系維持回復事業を行う区域を示す図面その他の環境省令で定める書類を添付しなければならない。
  6. 第二項の確認又は第三項の認定を受けた者は、第四項各号に掲げる事項を変更しようとするときは、地方公共団体にあつては環境大臣の確認を、国及び地方公共団体以外の者にあつては環境大臣の認定を受けなければならない。ただし、環境省令で定める軽微な変更については、この限りでない。
  7. 前項の確認又は同項の認定を受けようとする者は、環境省令で定めるところにより、変更に係る事項を記載した申請書を環境大臣に提出しなければならない。
  8. 第五項の規定は、前項の申請書について準用する。
  9. 第二項の確認又は第三項の認定を受けた者は、第六項ただし書の環境省令で定める軽微な変更をしたときは、遅滞なく、その旨を環境大臣に届け出なければならない。
(国定公園における生態系維持回復事業)

第41条

  1. 都道府県は、国定公園内の自然の風景地の保護のため生態系の維持又は回復を図る必要があると認めるときは、国定公園における生態系維持回復事業計画に従つて生態系維持回復事業を行うことができる。
  2. 国及び都道府県以外の地方公共団体は、環境省令で定めるところにより、その行う生態系維持回復事業について国定公園における生態系維持回復事業計画に適合する旨の都道府県知事の確認を受けて、当該生態系維持回復事業計画に従つてその生態系維持回復事業を行うことができる。
  3. 国及び地方公共団体以外の者は、環境省令で定めるところにより、その行う生態系維持回復事業について、その者がその生態系維持回復事業を適正かつ確実に実施することができ、及びその生態系維持回復事業が国定公園における生態系維持回復事業計画に適合する旨の都道府県知事の認定を受けて、当該生態系維持回復事業計画に従つてその生態系維持回復事業を行うことができる。
  4. 第三十九条第四項及び第五項の規定は第二項の確認及び前項の認定について、同条第六項から第九項までの規定は第二項の確認を受けた者について、同条第六項から第九項まで及び前条の規定は前項の認定を受けた者について準用する。この場合において、これらの規定中「環境大臣」とあるのは「都道府県知事」と、前条第一号中「国立公園」とあるのは「国定公園」と読み替えるものとする。

解説

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これらの各条は、国立公園(第39条)、国定公園(第41条)における生態系維持回復事業に関する規定である。生態系維持回復事業は、2009年の自然公園法の一部改正により創設された制度である(第38条の解説も参照)。

いずれも第1項は、生態系維持回復事業は生態系維持回復事業計画に従って行うことができることに関する規定である。

いずれも第2項は、地方公共団体(第39条)、国及び都道府県以外の地方公共団体(第41条)が、生態系維持回復事業計画に適合する旨の確認を受けて、当該生態系維持回復事業計画に従ってその生態系維持回復事業を行うことができることに関する規定である。確認を行うのは、国立公園が環境大臣、国定公園が都道府県知事である。ここでいう「環境省令」には#自然公園法施行規則のものがある。

いずれも第3項は、国及び地方公共団体以外の者が、生態系維持回復事業計画に適合する旨の確認を受けて、当該生態系維持回復事業計画に従ってその生態系維持回復事業を行うことができる場合に関する規定である。確認を行うのは、2項と同様である。

第39条の第4項、第5項は、上記の確認を受けようとする場合の手続きに関する規定である。これらの規定は、第41条にも準用される(同条第4項)。第39条の第6項から第9項は、確認を受けた者が、確認を受けた内容を変更する場合に関する規定であり、これらの規定も第41条にも準用される(同条第4項)。

都道府県立自然公園における生態系維持回復事業計画については、本法には特段の規定はなく、都道府県の条例で扱われる(例[1])。

脚注

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  1. ^ 栃木県立自然公園条例(第27条)

参照条文

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自然公園法施行規則

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(国立公園における生態系維持回復事業の確認)

第15条の4

地方公共団体が、法第三十九条第二項 の確認を受ける場合は、次の各号に該当することについて、環境大臣の確認を受けるものとする。
一 その行う生態系維持回復事業が国立公園における生態系維持回復事業計画に適合すること。
二 その行う生態系維持回復事業の内容が次のいずれかに該当すること。
イ 生態系の状況の把握及び監視
ロ 生態系の維持又は回復に支障を及ぼすおそれのある動植物の防除
ハ 動植物の生息環境又は生育環境の維持又は改善
ニ 生態系の維持又は回復に必要な動植物の保護増殖
ホ 生態系の維持又は回復に資する普及啓発
ヘ 前各号に掲げる事業に必要な調査等

(国立公園における生態系維持回復事業の認定)

第15条の5

国及び地方公共団体以外の者が、法第三十九条第三項 の認定を受ける場合は、次の各号に該当することについて、環境大臣の認定を受けるものとする。
一 その者が次のいずれにも該当しないこと。
イ 成年被後見人又は被保佐人
ロ 法の規定により刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなつた日から起算して二年を経過しない者
二 その行う生態系維持回復事業が国立公園における生態系維持回復事業計画に適合すること。
三 その行う生態系維持回復事業の内容が前条第二号イからヘまでのいずれかに該当すること。

(生態系維持回復事業の確認又は認定の申請)

第15条の6

  1. 法第三十九条第四項 の生態系維持回復事業の確認又は認定の申請は、書面を提出する方法又は電子情報処理組織を使用する方法をもつて行うものとする。
  2. 法第三十九条第四項第四号 に規定する環境省令で定める事項は、生態系維持回復事業を行う期間とする。
  3. 法第三十九条第五項 に規定する環境省令で定める書類は、次の各号に掲げるものとする。
    一 生態系維持回復事業を行う区域を明らかにした縮尺二万五千分の一以上の地形図
    二 生態系維持回復事業の実施方法等を記載した生態系維持回復事業実施計画書
  4. 前項の書類の添付については、第一項の規定の例による。

(変更の確認又は認定を要しない軽微な変更)

第15条の7

法第三十九条第六項 ただし書に規定する環境省令で定める軽微な変更は、同条第四項第一号 に掲げる事項に係る変更とする。

(生態系維持回復事業の内容の変更の確認又は認定の申請)

第15条の8

法第三十九条第六項 の規定による変更の確認又は認定を受けようとする者は、次の各号に掲げる事項を記載した申請書を環境大臣に提出して行うものとする。
一 氏名又は名称並びに法人にあつては、その代表者の氏名
二 変更の内容
三 変更を必要とする理由

(国定公園における生態系維持回復事業の確認及び認定)

第15条の9

第十五条の四から前条までの規定は、国定公園における生態系維持回復事業の確認及び認定について準用する。この場合において、これらの規定中「環境大臣」とあるのは「都道府県知事」と、「国立公園」とあるのは「国定公園」と、第十五条の四中「地方公共団体」とあるのは「都道府県以外の地方公共団体」と、「法第三十九条第二項 」とあるのは「法第四十一条第二項 」と、第十五条の五中「法第三十九条第三項 」とあるのは「法第四十一条第三項 」と読み替えるものとする。

前条:
自然公園法第38条
(生態系維持回復事業計画)
自然公園法
第2章 国立公園及び国定公園
第5節 生態系維持回復事業
次条:
自然公園法第40条
(認定の取消し)
自然公園法第42条
(報告徴収)