軽犯罪法第4条

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条文[編集]

第四条
この法律の適用にあたつては、国民の権利を不当に侵害しないように留意し、その本来の目的を逸脱して他の目的のためにこれを濫用するようなことがあつてはならない。

解説[編集]

本条は、この法律の運用にあたって濫用の禁止について規定している。「本来の目的」とは、日常生活において最低限度の遵守すべき道徳をこの法律によって維持することであり、それを逸脱して「他の目的」のためにこの法律を濫用するようなことがあってはならない。「他の目的」とは、殊更に軽犯罪を取り上げて国民を処罰し、思想弾圧の手段として利用することで、軽犯罪法の前身といわれる警察犯処罰令の時代には濫用されてきた経緯がある。警察犯処罰令に掲げられた犯罪は、違警罪即決例の対象犯罪とされ、正式な裁判を経ることなく、警察署長の段階で即決で事件処理することができた。このことが思想警察的な目的を遂行する手段として、犯罪捜査で便宜的に用いられた。戦後に生まれ変わった現行の軽犯罪法では、このように国民の権利を不当に侵害しないように、濫用を禁止している。軽犯罪法第1条各号の運用にあたっては、本条の精神に留意しなければならない。