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高校生活ガイド/特別活動

出典: フリー教科書『ウィキブックス(Wikibooks)』

特別活動

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基本

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授業以外の活動にどう取り組むかは、校則に触れない範囲で個人の自由です。

中学校と異なるのは、大学入試の一般入試では部活の実績や委員会活動・生徒会活動などの活動実績は要求されておらず、たとえ部活などの活動実績があっても試験結果には加点されないということです。調査書の提出はありますが、高校入試と違い、高校卒業見込みであることの確認に使われるのみで、一般入試では内容はほぼ考慮されません。

推薦入試や総合型選抜(かつての「AO入試」)を行っている大学では部活などの実績が考慮される場合がありますが、基本的に、多くの高校生は一般入試で大学進学することになります。それを踏まえたうえで、特別活動に力を入れるも入れないも、個人の自由です。

なお、総合型選抜をよく行っている大学と学部は基本、私大の文系学部です。一応、例外的にいくつかの国公立大学や理系の学部でも小さい枠で総合型選抜などを行っていますが、国公立では対象となる大学は少なく、また、理系学部の国公立では総合型選抜は基本的に無い傾向です。

ただし、医歯薬系や看護など医療系の大学では一般入試に面接などがあるので、その面接において部活や委員会活動の活動実績についても聞かれる可能性があります。とはいえ、いくら「医者は体力勝負」とか言っても、スポーツがいくらできても肝心の勉強ができなければ不合格なのは言うまでもありません。

また、理系の学部の入試で自己推薦入試を受験する場合、一般に評価される活動は決して部活ではなく、大学によりますが数学オリンピックとか全国高校化学グランプリなど、高校の学外での理系の公式大会での成績だったりします。(たとえば早稲田の理工はそうです[1]


指定校推薦と総合型選抜は、まったく異なった受験です。混同しないように。指定校推薦で必要なのは基本、よほど授業態度が悪いとか出席日数が極端に悪いとかでない限りは、必要なのは高校時代の定期試験での高得点です。いくら部活で部長をしようが、委員会で委員長をしようが、それは指定校推薦の条件には基本的に関係ありません。

大学によっては、体育大学の体育学科の推薦をもらいたいなら運動部の公式大会での成績とかも考慮事項になるかもしれませんが、それは指定校というよりも自己推薦型入試でしょう。

例外的に、体育大と高校の運動部の大会の成績とか、音大と高校生音楽コンクールの順位などのように、高校の部活の内容が志望大学の学業と直結するものでもない限り、部活動の成績よりも普通の教科の成績が指定校推薦では優先されます。

なお、指定校推薦による募集を行っているのは私大です。


スポーツ推薦など

また、いわゆる「スポーツ推薦」は、制度的には「特別推薦」というものです。スポーツ推薦は、指定校推薦ではありません。特別推薦では、学校長の推薦書は必要ですが、しかし指定校とは違って高校に枠が割り当てされていません。

このため、たとえばスポーツの苦手な人が、どんなに偏差値の高い高校に入って、そこで運動部に入って部長をしようが、全国大会や関東大会(関東地方の高校の場合)などの公式大会などで高い順位を取らないかぎりはスポーツ推薦はもらえません。

芸術などの推薦や総合型選抜

高校の音楽コンクールや美術コンテストなどでの全国大会とかの推薦や総合型選抜については、大学や学部学科ごとに傾向が大きく異なるので、早めに志望業界の学部の募集要項などを幾つか確認してください。

たとえば、音楽志望の場合、教育学部の音楽教師の学科を考えている場合なら、いくら音楽だけが得意でも、肝心の5教科の学業が苦手だと教員採用試験に合格しない可能性が高くなるので教師としては不適格です。なので、教育学部の受験では、音楽だけしか出来ない人は、よほど音楽の業績が優れていない限りは、不合格になる可能性が高いと考えられます(教師には高めの学力が要求されるので)。

いっぽう、文学部や経済学部では、特に必須の国家試験とかありませんので、教育学部ほどは受験で学力を要求されない可能性もあります(大学にもよる)。

このように、学部や学科によって、要求される学力の程度が違うので、ある程度は傾向を把握したうえで高校生活を送るのが受験対策としては安全です。

例として音楽をあげましたが、美術と美術教師の学科でも同じですし、演劇部などでも同じです。

リンク(※未完成なので読まなくていい)

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  • 部活での文書管理などのノウハウについては、右のリンクが予定されていますが、未完成です(※ 現状、読む必要はありません)。 リンク:高等学校部活動

脚注

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  1. ^ 『』P224 2023年12月08日に閲覧.