高等学校卒業程度認定試験

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ウィキペディア高等学校卒業程度認定試験の記事があります。

概要[編集]

平成16年(2004年)以前は大学入学資格検定(大検)という名称でしたが、平成17年(2005年)以降、高等学校卒業程度認定試験(以下、高認)と名称が変わり、それに伴って、旧大検から制度も変更となりました。

高認は「様々な理由で高等学校を卒業できなかった方等の学習成果を適切に評価し、高等学校を卒業した者と同等以上の学力があるかどうかを認定するための試験」と文部科学省は説明しています。高認に合格すると、大学・短大・専門学校の受験資格が与えられるだけでなく、高等学校卒業者と同等以上の学力がある者として認定され、就職、資格試験等に活用することができます。

このページでは高卒認定試験に出願するところから学習方法までを解説します。

なお、正確を期すため、文部科学省の公式サイトも併せて読んでください。

試験について[編集]

高認の試験は年2回行われます。1回目は8月初旬2回目は11月初旬です。

  • 2022年度試験日程
    • 第1回:2022年8月4~5日
    • 第2回:2022年11月5~6日

受験資格[編集]

受験資格は年齢と学歴をクリアしていれば、誰でも受験できます。

  • 受験する年度内(受験する年の翌年3月31日)に「満16歳以上」になる人。
要するに中学校を卒業する年齢を過ぎていれば受験資格は与えられるということです。
  • 大学入学資格がない人。
簡単に言えば高校を卒業していない人です。高校を卒業していたり、旧大検に合格していたりしていれば受験不可です(まぁ当たり前なのですが……)。裏を返せば、高校を卒業していないならば、高校に在学しても高認の受験ができるわけです[1]。ただし、あとで述べますが現役高校生が受験する場合には制約を受けます。

合格基準[編集]

後で紹介しますが、国語・数学・英語・地理歴史(世界史は必修。地理・日本史はどちらか1つ)の2科目・公民(「現代社会」か「倫理」「政治経済」)・理科(2~3科目。後述)の8~10科目すべてで合格すると高卒と同等の学力と認定され、高卒認定試験合格となります。ただし、高校で単位を取っている場合や文科省が認める資格試験に合格している場合には、一部科目が免除されるため、合格に必要な科目はもう少し減ります。

そして、一教科ごとの合格基準は40点ほどと言われています[2]。とはいえ、合格を確実にしたいのならば50点は目指しておきたいところです。

ただし、18歳未満で全科目合格した場合、18歳の誕生日まで高卒認定はなされません。誕生日翌日から有効となります。また、大学などを受験するとき、受験日より後に誕生日を迎える場合(例:試験日が2月25日で、誕生日が3月1日の場合)には高認合格見込みの証明書を発行してもらえます。

合格のメリット[編集]

高認合格者は高校卒業生と同等の学力を持っているとみなされ、高卒としての扱いを受けます。履歴書にも高認合格と書くことができます。ただし、学歴としてはその後に進学しなければ中卒です。

与えられる受験資格[編集]

旧試験が「大学入学資格検定」という名称であったことからも分かるように、高認合格者は大学(大学校)・短期大学・専門学校への受験資格を得られます。

それ以外にも「高校卒業」が受験資格となっている各種国家試験の受験資格も得られます。その一部を紹介します。

  • 幼稚園教員資格認定試験
  • 小学校教員資格認定試験
  • 保育士試験
  • 職業訓練指導員試験

詳細は文科省のパンフレットを読んでください。

高校の単位繰り込み[編集]

高校に申請すれば、高認の合格科目を高校の単位に繰り込むことができる場合があります。特に、定時制高校や通信制高校に在籍している場合、高認に合格した場合は単位として認められると思ってかまいません。ただし、扱いは学校によって異なるので、必ず高校の先生に確認してください。通常の全日制高校の場合には受験そのものが認められない可能性もあります。単位制高校の場合は校長の判断によることがあるようです。

就職[編集]

高認の合格者は就職面でも高卒と同等とみなされ、高卒者として扱われます。ただし、前に述べたように学歴的には専門学校などに進学しなければ中卒です。企業によっては明確に「高校卒業以上」としている場合もありますが、このときには高認合格も認められるのかを確認した方が良いでしょう。もちろん、高認合格後に専門学校などへ進学していれば問題ありません。

出願[編集]

まず、出願書類を手に入れる必要があります。出願書類は以下の方法で入手できます。

  1. パソコン・スマートフォンからテレメールのサイトに行き、資料請求する。
  2. 電話でテレメールに請求する。
  3. 文部科学省や各都道府県教育委員会などで直接受け取る。

出願時期[編集]

  1. 1回目の出願は4月上旬から5月のゴールデンウイーク後まで。
  2. 2回目の出願は7月20日ごろから9月半ばまで。

必要書類をそろえるのに準備がかかる可能性もあります(特に初めての受験のとき)ので、余裕を持ったスケジュールで提出しましょう。

受験料[編集]

受験料は一回の試験で受験する科目によって決まります。

  • 8500円(7科目以上受験)
  • 6500円(4~6科目受験)
  • 4500円(3科目以下受験)

受験料は郵便局などで収入印紙を購入するという形で支払います。そして、購入した収入印紙を願書に貼り付けてください。

必要書類[編集]

必要な書類は個人差がありますので、必ず出願書類で確認してください。ここでは、大体の方の必要書類のみを挙げます。

  • 初めての受験時
    • 願書と履歴書
    • 収入印紙(受験料にあわせて印紙が異なる)
    • 写真2枚(4cm×3cm)
    • 住民票又は戸籍抄本(本籍地記載のあるもの)
    • 「単位修得証明書」など試験科目の免除に必要な書類(必要な人のみ・厳封)
  • 二度目以降
    • 願書と履歴書
    • 収入印紙
    • 写真2枚(4cm×3cm)
    • 科目合格通知書(コピー不可)

これに、結婚などで名字が変わった場合や二度目の受験以降に引っ越しなどをした場合にはそれを証明する書類が必要となります。

なお、二度目以降の受験では科目合格通知書を提出しなければなりません。コピーは不可ですので、無くさないようにしましょう。無くした場合には文科省に連絡して再発行してもらうことになります。

受験科目[編集]

※ 2022年度から高校にて新学習指導要領が施行されました。これに伴い、2024年(令和6年)度から試験科目が変更となります。受験を考えている皆さんは文科省の公式発表を必ず確認してください。

受験科目[編集]

2022年度現在、受験科目は下記の通りです。8~10科目合格すると高卒認定を受けます

受験科目(文科省発表)
教科 試験科目 合格要件
国語 国語 必修
数学 数学 必修
英語 英語 必修
地理歴史 世界史A 2科目のうち1科目選択
世界史B
日本史A 4科目のうち1科目選択
日本史B
地理A
地理B
公民 現代社会 「現代社会」1科目
または
「倫理」「政治経済」2科目選択
倫理
政治経済
理科 科学と人間生活 「科学と人間生活」1科目
+
「物理基礎」「化学基礎」「生物基礎」「地学基礎」から1科目選択の
合計2科目
または
「物理基礎」「化学基礎」「生物基礎」「地学基礎」から
3科目選択
物理基礎
化学基礎
生物基礎
地学基礎

簡単に言うと、国数英+世界史AまたはB+日本史か地理+公民(「現代社会」か「倫理」「政治経済」)+理科基礎3科目か「科学と人間生活」と理科基礎1科目のすべてに合格すれば高卒認定試験合格とされます。

免除科目[編集]

高校ですでに決まった数の単位を取得している場合、受験が免除されます。かりに単位を取っていても基準となる単位に満たなければ免除にならないので気を付けてください。

2012年以降の高校入学者の免除科目
免除される科目 高校の科目 単位
国語 国語総合 4
数学 数学I 3
英語 コミュニケーション英語I 3
世界史A 世界史A 2
日本史A 日本史A
地理A 地理A
世界史B 世界史B 4
日本史B 日本史B
地理B 地理B
現代社会 現代社会 2
倫理 倫理
政治・経済 政治・経済
科学と人間生活
(旧「理科総合」)
科学と人間生活 2
物理基礎
(旧「物理I」)
物理基礎
化学基礎
(旧「化学I」)
化学基礎
生物基礎
(旧「生物I」)
生物基礎
地学基礎
(旧「地学I」)
地学基礎

なお、2012年(平成24年)より前に高校入学した場合には、受験資料もしくは文科省のホームページを参照してください。

また、以下の資格・検定に合格している場合にも一部科目が免除されます。

免除科目と資格
免除される科目 名称 免除に必要な級
世界史B 歴史能力検定 世界史1級・2級
日本史B 歴史能力検定 日本史1級・2級
数学 実用数学技能検定(数検) 1級・準1級・2級
英語 実用英語技能検定(英検) 1級・準1級・2級・準2級
英語検定試験 1級・2級
国際連合公用語英語検定試験(国連英検) 特A級・A級・B級・C級

なお、旧大検の合格科目も申請すれば免除されます。

受験科目の選び方[編集]

基本的な選択[編集]

とりあえず高卒資格が欲しいならば最短ルートを目指すといいでしょう。次の科目選択(2022年現在。計8科目)ならば最低限度かつ比較的易しめです。

  • 国語・数学・英語
  • 世界史A
  • 地理A
  • 現代社会
  • 科学と人間生活
  • 生物基礎or化学基礎

しかし、もしあなたが進学を考えているのでしたら、受験に必要な科目を選択したいところです。

「世界史A」「日本史A」「地理A」(以下、A科目)は、普通科の高校で開設されていることが多い「世界史B」「日本史B」「地理B」(以下、B科目)と比べて、限られた範囲のみを扱い、易しい内容となっています。しかし、多くの大学受験では、A科目を受験科目とすることができません

ただし、A科目はB科目と内容の一部が重なっています。そのため、大学を目指しているのであれば、普段はB科目を学習して高認受験はA科目という方が良いでしょう。

国公立大学[編集]

地歴・公民の選択について[編集]

国公立大学受験においては、文系では大学入試共通テスト(旧センター試験)では地歴から1科目・公民から1科目を選択して計2科目、理系と芸術系では地歴・公民から1科目を選択するというのが一般的です。また、文系でも一部大学では2次試験で地歴を課します[3]

国公立大学理系受験を希望するのでしたら、公民は現代社会でいいでしょう。大学入試共通テストでも、国立大理系は現代社会で可とすることが多いため、将来の大学入試に向けた学習でもそのまま進められます(もちろん、難易度はけた違いですが……)。世界史も「世界史A」でかまいません。

理科の選択について[編集]

理科は文理問わず「科学と人間生活」+基礎科目1の組み合わせよりも、基礎科目3の方がいいかもしれません。理由としては以下の通りです。

  • 「科学と人間生活」は中途半端な内容かつ大学受験科目とされていない。
  • 文系でも基礎科目を2つ受験しなければならない。
  • 理系ならば専門科目(「基礎」とついていない科目)を1~2受験せねばならず、しかも専門科目の学習のためには基礎科目を学習しなければならない。

こうした理由から、「科学と人間生活」を学習してもその後につながりません。それならば、最初から基礎科目を学習した方が二度手間になりません。

ただ、「科学と人間生活」はその気になれば1か月程度の学習(過去問演習まで含めれば1か月半から2か月)で何とかなります。また、自分で基礎科目を2つ学習しておけば、残り2科目の分野は一か月未満の超短期集中学習でも合格ラインに達するかもしれません。そのため、合格のためと割り切って「科学と人間生活」+基礎科目1とするのも手です。

私立文系大学[編集]

私立文系大学の多くは国・英が必修、数学[4]と地歴・公民から1教科選択というのが一般的です。高卒認定からですと数学は「数学I」のみのため、数学受験をするためにはかなりの努力が必要です。また、私立大学の公民は「政治経済」のみということが多いため「現代社会」受験では少々厳しいです。そのため、私立文系大学を狙うのでしたら、日本史・世界史・地理を重点的に学習しましょう。

私立理系大学[編集]

短大・専門学校[編集]

短大や専門学校の場合には英・数・国といわゆる一般常識と言われる内容の地歴・公民・理科の内容が出題されます。そのため、高認は最初に紹介した最短ルートで受験するといいでしょう。

学習方法[編集]

Wikibooksには、各教科の学習方法などがあるため、本来ならば改めて学習方法など書く必要ありません。しかし、目下、ある特定利用者の独善・独断・偏見が著しく、全く役に立たないのが現状です。

そのため、改めてここで各科目の学習方法を書くことといたします。

概説[編集]

出題内容はごく基本的な内容が中心です。おそらく進学校(大体偏差値60を超すレベル)を1年で中退した受験生ならば、全教科で簡単に合格ラインに達することでしょう。

しかし、不登校や病気などでブランクがあったりすると中々そうはいかないです。そういう場合、まずは中学校内容を確認しましょう。特に数学と英語は積み重ねが大切ですので、中学内容ができているかどうかを確認しましょう。市販の問題集やドリルに設定されている目標点をクリアしているならば問題はありません。

英数ができているならば、すぐに高校内容を学習しましょう。基本は高校1年レベルの内容をマスターし、過去問に取り組むことです。

地歴(世界史含む)・公民・理科は中学内容を復習する必要はありません。すぐに高校内容に取り掛かりましょう。

教科書・問題集[編集]

本来ならば、「Wikibooksを利用すれば不要です」といいたいところですが、前述の執筆者による偏見だらけかつ分かりにくい上に不正確な記述が大量にあるので、無理です。そのため、教科書や問題集は自分で購入しましょう。

教科書[編集]

教科書は通信制高校で利用されているものを利用するといいでしょう。高認対策としてはそれで充分です。以下は2021年度までの教科書です。各都道府県にある販売会社で購入してください。また、可能ならば学習書という教科書ガイドもNHK出版から発行されています。あわせて購入すると基礎学習に最適です。

ただし、国語と英語に関しては高校の教科書を利用するメリットは薄いです。学力に応じた市販教材と過去問を活用しましょう。「世界史A」「日本史A」「地理A」も市販の教材を活用したほうがいいでしょう。

主な通信制教科書一覧
教科 教科書名 出版社
数学I 新数学 I 東京書籍
現代社会 現代社会
世界史B 新選世界史 B
日本史B 新選日本史B
地理B 新詳地理B 帝国書院
科学と人間生活 科学と人間生活 東京書籍
物理基礎 改訂 新編物理基礎
化学基礎 新編化学基礎
生物基礎 改訂 新編生物基礎
地学基礎 改訂地学基礎

市販問題集[編集]

高校には行かなかった場合やすでに教科書を紛失・すててしまった場合には市販の問題集を活用しましょう。定番教材としては以下のものが挙げられます。(なお、過去問は買うのが前提ですので、除外しています。)

  • 『高卒認定ワークブック』(J-出版)
高卒認定試験の科目内容の基礎から学べる。それだけでなく、その後の入学試験・就職試験にもつなげられる内容のため、時間があればこれをしっかりと取り組みたい。
  • 『しまりすの親方式 高認学習室』(都司嘉宣(しまりすの親方)著 学びリンク)
良くも悪くも簡潔かつ最低限の点数を確保することが目的のテキスト。そのため、問題の解説よりも解法の説明が多い。これ一冊だけで学習するのは少々キツイ(少なくとも中学レベルの復習は必須)が、試験2か月前の直前対策にはもってこい。

過去問の利用[編集]

高認も資格試験の一種であるため、過去問を利用していきましょう。基本的に出題傾向は例年同じです。特に数学は、学習指導要領の改訂がない限り、過去問で出たものは必ず出る、過去問にないものは出ないといっていいくらいです。

過去問自体は文部科学省の公式ページに掲載されており、無料で利用できます。しかし、解説が全くありません。また、一部の図表や写真がなぜか省かれています(特に地理や現代社会)。そのため、できれば市販の過去問集を買った方が良いです[5]

各科目[編集]

合格したら[編集]

全科目合格していない場合[編集]

全科目合格した場合[編集]

外部リンク[編集]

脚注・出典[編集]

  1. ^ 実はこれが旧大検との最大の違いです。旧大検は高校在学性の受験が認められていませんでした。
  2. ^ https://www.koninguide.com/kounin/nanido.html
  3. ^ 国公立大学でも二次試験で公民を出すところは極めてまれです。有名大学では一橋大学くらいです。
  4. ^ 中堅以上の大学では「数学I」「数学A」「数学II」「数学B」の四科目総合が一般的。
  5. ^ これまたなぜか市販のものでは図表がちゃんと載っている。
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