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高等学校地理B/系統地理

出典: フリー教科書『ウィキブックス(Wikibooks)』

未分類

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  • ラトソル

熱帯は降水量が多く、雨により養分が流されたため、アルミニウムと鉄が残るため、赤色の土壌になるが、この熱帯の赤色の土壌をラトソルという。 ラトソルは養分が少ない。アルミニウムの鉱石であるボーキサイトの産地は、このラトソルのある地域に多い。 熱帯では、突発的に激しい風が吹くスコールという気象現象があり、しばしば強い降水を伴う。 スコールに伴う降雨で土壌の養分が流されてアルミニウムと鉄が残るため赤色度のラトソルになる。そしてラトソルの地域にボーキサイト産地が多い。

  • アメリカ合衆国での半導体産業

アメリカ合衆国では、各地に半導体産業がある。てっきり、西海岸の「シリコンバレー」のIT産業地域の近くに半導体産業の地域が多そうと思いがちだが、そうではない。じっさいにはアメリカ各地に半導体産業の地域がある。ただし、北部はすでに鉄鋼業など重工業の開発が進んでいるため、中部や南部に半導体産業の工業地域が多い。もちろん、シリコンバレーの近くにも、半導体工場の多い地域がある。

かつては日本にも、東北のシリコンロード、九州のシリコンアイランドあるいは、中部地方の半導体工場、広島の半導体工場、など半導体工場が各地にあったが、半導体プロセスが1世代進むと投資規模が4倍になるという過酷な競争に国内メーカーはコミットし続ける事ができず、次々と合併・売却・撤退した。
  • 潮境(しおさかい)

潮境(しおさかい)とは暖流と寒流がぶつかりあう場所であるが、地理学的には、潮境(しおざかい)が良い漁場であることが重要。なぜ、良い漁場なのかというと、海水がかき回されることで海底に沈んでたプランクトン(水中の微生物)が巻き上げられるのだが、このプランクトンが魚のエサとなるため、魚にとって栄養豊富な場所になり、そのため魚が集まるからである。また、暖流に住む魚と、寒流に住む魚の両方が穫れる。

※ かつて、暖流と寒流のぶつかつ箇所を「潮目」(しおめ)と読んでいたが、しかし2024年には「潮境」(しおざかい)と変更になっている。現代では、「潮目」とは、潮境のうちの、海水表面に現れている部分のみ のこと。

緑の革命

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1960年代、「緑の革命」(Green Revolution [1][2])とよばれる農産物の品種改良で、農業生産性や収量が向上した。 これら「緑の革命」の品種には、化学肥料や豊富な水などが必要だが、そのかわりに収量の高い品種である。

この「緑の革命」により、先進国で収量が増えたのはもちろん、東南アジアや南アメリカでも灌漑設備などの普及・発達もあり、生産量が増えた。

東南アジアでは、米(こめ)を中心に、品種改良が行われた。

農家にとっては、「緑の革命」の恩恵を受けるには、灌漑のためのポンプや、化学肥料や農薬などの投資が必要なので、それらの投資額をまかなえる富裕な農家には有利だが、いっぽう、その投資をできない小規模で貧しい農家には不利である。このため「緑の革命」は、農家間の格差を広げたとも考えられている。

産業の立地

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  • 原産地の近くでの立地

日本では製鉄所の多くは、世界からは例外的に海岸沿いに製鉄所が立地している。だが、世界的には製鉄所の立地は、輸送コストを減らすため、鉄鉱石の原産地の近くに製鉄所をつくり、粗鋼などを精錬する場合が多い。鉄鉱石には不純物も含まれており、不純物をわざわざ輸送するのは無駄だからである。

世界的には鉄鋼業やセメント工業や重化学工業では、原料(鉱石、原油など)の原産地の近くに生産工場が立地しやすい。


  • 消費地の近くでの立地

ビール工業は、水の輸送の手間を減らすため、消費地のちかくで生産するのが一般的。


  • 日本での製鉄所の立地

日本では、海に面した工業地帯・工業地域の海岸沿いに製鉄所が多い。これは、鉱石が海外から輸入されてくるので、輸送のコストを減らすために海岸沿いに製鉄所が立地するのである。

  • アルフレッド・ウェーバーの産業立地論

エクメーネとアネクメーネ

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  • エクメーネ

人が住めるところの集合をエクメーネという。

  • アネクメーネ

人が住めないところの集合をアネクメーネという。具体的には、たとえば南極など極地域、あるいは砂漠、あるいは標高の高すぎる高山の山頂付近など。

穀物の栽培限界と近いが、必ずしも一致するとは限らない。

また、低緯度地方では、標高の高い場所のほうが涼しくて住みやすい場合もあるので、低緯度地方では標高が高い場所だからといってもアネクメーネとは限らない。


人種

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(※ 検定教科書には、人種の解説が書いてない。しかし、参考書には、どの参考書にも書いてある、伝統的な教育内容。)

地球上のおもな人種は、肌の色などの身体的特徴による分類法により、つぎの3通りに分類される。

コーカソイド
白色人種(はくしょく じんしゅ)、いわゆる「白人」のこと
モンゴロイド
黄色人種(おうしょく じんしゅ)、いわゆる「東洋人」
ネグロイド
黒色人種(こくしょく じんしゅ)、いわゆる「黒人」

という、3つの人種である。

居住地ではなく、肌の色などの身体的特徴により分類する。

なお、おもな居住地をついでに説明すると、

コーカソイド
いわゆる「白人」、おもにヨーロッパに多い
モンゴロイド
いわゆる「東洋人」、おもに東アジア、東南アジアに多い
ネグロイド
いわゆる「黒人」、おもにアフリカ中南部に多い

である。

じっさいには混血などにより、さらに人種は細かく分類されるが、とりあえず、この3つを覚えよう。

テストに出やすいのは、

  • 北アフリカ、西アジア、インドの住民はコーカソイドである。
  • アメリカ大陸の先住民であるインディアンやイヌイットなどはモンゴロイドである。

なお、オーストラリアの先住民のアボリジニなどをオーストラロイドとして、コーカソイド・モンゴロイド・ネグロイドとは独立した人種とする場合もある。

  1. ^ 『CROWN English Communication III New Edition』、三省堂、2018(平成30)年2月28日 文部科学省検定済、2022(令和4)年3月30日 発行、P124
  2. ^ 『ジーニアス英和辞典 第4版』、大修館書店、第3刷発行 2008年4月1日、P871