高等学校情報/社会と情報/情報社会の安全のための法律
不正アクセス禁止法
[編集]不正アクセス禁止法では、アクセス権限のないネットワークにセキュリティホールをついて侵入したり、他人のIDやパスワードを入手して他人になりすますなどの行為を禁止している。
不正アクセス禁止法は正式名称を「不正アクセス行為の禁止等に関する法律」といい、2000年から施行された。
特定電子メール法
[編集]広告メールは、あらかじめ広告を送ってもいいと承諾した人相手にしか、送ってはいけないという法律。
迷惑メールを規制するための法律、だと思ってもよいだろう。
正式名称は「特定電子メールの送信の適正化等に関する法律」。
出会い系サイト規制法
[編集]- (※ 未記述)
プロパイダ制限責任法
[編集]プロパイダ制限責任法とは、Webサイトや電子掲示板などで違法な送受信や違法な投稿があった場合、プロパイダに対して情報発信者についての情報開示を請求することが可能だと定めた法律。また、他人の個人情報の掲載や、誹謗中傷などの、違法な投稿を、削除するように要求する事もある。
正式名称は「特定電気通信役務提供者の損害賠償責任及び発信者情報の開示に関する法律」といい、2002年に施行された。
プロパイダのサーバには、そのプロパイダと契約している利用者(消費者)たちについての、インターネットへのアクセスの日時やIPアドレスなどの記録などが保管されている。なので、違法な送受信などを行った利用者についての記録を調べるため、プロパイダにそれらの情報を開示させるという事である。
よく世間では「インターネットは匿名(とくめい)」などと言われるが、じつはインターネットは決して完全には匿名ではなく、プロパイダには、どの利用者がいつの時刻に投稿などを送受信したかの情報が、調べられるのである。
実際は、被害者は弁護士に依頼をして、プロパイダ制限責任法による開示請求を先にするものの、その請求に従わないサイトも多い。なので、被害者の依頼した弁護士が、サイト運営者そのものを相手どり、違法書き込みなどの投稿者の情報開示をするように訴訟でサイト運営企業に請求する場合も多い。
では、なぜこのようにしてまで違法投稿者の情報開示を要求するかというと、日本の裁判制度は、訴訟を起こすためには、相手の氏名や住所などの情報が必要である。なので情報開示請求は、違法投稿をした本人に対する訴訟のための前準備の場合という側面もある。だから、webサイトが匿名やハンドルネームで投稿可能だからといって、けっして、訴訟されたら敗訴確実になるようなデタラメなことは、言わないようにしよう。
なお、弁護士には、「弁護士会照会」という、相手に情報開示をさせる特権がある(弁護士法に定められている)。照会を要求された相手方は、正当な理由が無い限り、弁護士会への情報提供を断れない法的義務がある(最高裁のそういう判例などがある)。ただし、通信の秘密を理由にして情報開示が拒否される可能性も高い。なので開示を拒否された場合、サイト自体に弁護士が訴訟を起こすことになる。
このため裁判期間中に、違法投稿書き込み人についての投稿ログが、消失してしまう事例も多い。そこで被害者側の弁護士は、サイト運営企業に対する訴訟での請求内容としては、慰謝料として多額の損害賠償という形で請求する訴訟を起こすのが通例である。
こうすれば、もし投稿ログが残っている場合には、企業側は多額の損害賠償を払いたくないので、開示させる圧力になる。また、もし投稿ログが消えてしまっている場合でも、被害者は損害賠償金を受け取れる。
有害サイト規制法
[編集]「有害サイト規制法」(ゆうがいサイトきせいほう)は、「青少年ネット規制法」あるいは「青少年インターネット環境整備法」とも言われる。
有害サイト規制法とは、携帯電話会社は、18歳未満の青少年の利用する携帯電話に対しては、フィルタリングの機能を提供しなければならないという法律である。
ただし、フィルタリングは検閲なので憲法違反です。なのに上のような嘘っぱちの噂で児童は検閲に苦しんでいる。本来は犯罪応援サイトなどが該当するはずなのだが、児童検閲の考え方が広まるにつれて関係ないはずのブログや掲示板、質問サイトなどまで検閲対象になっており明らかな憲法違反だが、児童のことを考えず政治に突っ走る政治家たちはわかっていない。
検閲はやめましょう
個人情報保護法
[編集]個人情報をあつかう業者への規制を定めている法律。2003年に公布された。
正式名称は「個人情報の保護に関する法律」。
(※ 範囲外? : ) 余談だが、日本の個人情報保護法は、1980年のOECD (経済協力開発機構) が勧告した個人情報についてのガイドライン(OECDプライバシー8原則)がもとになっている[1]。
- ※ 検定教科書でも、東京書籍『-新編- 情報 I』で、脚注でOECDプライバシー8原則を紹介している(P.28)。
なお、個人情報保護法では、原則では、個人情報は本人の同意なく公開されないし提供されないが、しかし例外的に公開や第三者に提供される場合もいくつかあることを定めている。
(たとえば災害時や病気などで)、何らかの理由で本人の意見を確認することが極めて困難な場合だが、生命上の問題などで重大な問題がある場合には、(本人の意見の確認が困難なので)例外的に、本人の許可なく関係者などに情報提供される場合もある事を、個人情報保護法は認めている。
また、警察や裁判所や税務署からの照会などといった法律にもとづく情報提供も、個人情報保護法は認めている。
児童虐待などの問題のある場合も、本人および家族の意見を適切にうかがうのが性質上は困難なため、例外的に児童相談所など関係機関への情報提供が認められている。
その他、個人情報保護法では、公衆衛生での理由がある場合も例外として、本人の同意の無い情報提供を認められている。
余談だが、企業の商品開発だけでなく、医療の新薬開発などへも、ビッグデータなどの活用が期待されている。
- ※ 日本政府は明言してませんが、日本の「個人情報保護法」の2010年代以降の改正は、EUの「一般データ保護規則」(GDPR)への準拠を目指しており、それによってEUとの貿易を有利にしようという裏事情があります。証拠として、総務省の公式サイトがネット上のPDF資料でそう公表しています。
総務省などへの報告書である『総務省 令和4年度 学外教育データ連携に係る実証事業 参照文書 1.0 版 解説編』によると、
章『個人情報保護制度見直しの全体像』で
「(3) 学術教育分野を含めたGDPRの十分性認定への対応を目指し、学術研究に係る適用除外規定について、」(後略)
などとあります。 [4]
GDPRは日本の個人情報保護法とは少し違い、またアメリカ合衆国の各州の個人情報保護制度とは少し違うので、内容は暗記しなくてもいいです。GDPRへの適合という裏事情が日本の個人情報保護法の2015年の改正にあることを知っていればじゅぶうんでしょう。
このGDPRの適合のための2015年の法改正などがEUでも評価されており、そのため日本企業は、割と少ない規制で欧州で個人情報を扱うビジネスを活動できるようになっており、また、欧州企業との貿易でも規制の少なさとして優遇されています。これを十分性認定と言い、日本は個人情報についてEUからの十分性認定を2019年に受けており、2023年現在もその特権が続いています。
さて、発展途上国などでは、個人情報保護が徹底していない国も多く、そういう国への情報の輸出は、規制が強いのです。
また、日本企業も、個人情報保護の制度が徹底していない途上国などには、業務上の事でも顧客の情報を不用意に輸出してはいけないのです。どうしても情報を外国企業に出さざるを得ない場合は、きびしいチェックを定期的にその外国に行わないといけません。
つまり、EUからの十分性認定を受けていない国には、定期的にきびしく管理体制をチェックしないと、情報を出してはいけません。
もし日本企業がそうしないと、その企業は GDPR の十分性認定を受けられなくなり、欧州企業からは貿易を停止させられます。
総務省の資料だけでなく、経済産業省の『デジタルスキル標準』というデジタル人材教育についての資料でも、GDPRについて言及されています[5]。また、内閣官房の命令により、文科省と経産省がデジタル人材教育において連携するように命令されています[6]。
- ※ 社会には、大人になっても、知人の個人情報や仕事先などの企業秘密などを勝手に不特定多数などにバラす、頭のヤバイ人がチラホラといます。もちろんそういう頭のヤバイ人と付き合うのは、上記のように企業コンプライアンス(法令順守)的にもとてもヤバイので、そういう頭のヤバイ人とは即座に縁を切りましょう。
- 政治家など公人のスキャンダルならともかく、政治家でもない一般労働者などの個人情報をもらす人は、上述コラムのような社会常識を知らず、頭がとてもヤバイです。そいつと縁を切らないと、あなたが日本の労働者界隈などから縁を切られます。縁を切らないと、会社や勤務先でも出世できなくなります。
脚注
[編集]- ^ 『高校情報科_本編_190806.indd - 1416758_003.pdf』 33ページ 2020年5月18日に閲覧して確認.
- ^ 『ビジネス基礎』、東京法令出版、令和2年12月25日文部省検定済、2022年1月20日 発行、P46
- ^ 『高校情報科_本編_190806.indd - 1416758_003.pdf』 34ページ 2020年5月20日に閲覧して確認.
- ^ エヌ・ティ・ティラーニングシステムズ株式会社『総務省 令和4年度 学外教育データ連携に係る実証事業 参照文書 1.0 版 解説編』、令和 5 年 3 月 31 日、 P8
- ^ 経済産業省・情報処理推進機構 共著『デジタルスキル標準 ver.1.1』,2023年8月 , P.51
- ^ デジタル田園都市国家構想担当大臣 若宮 健嗣『デジタル人材の育成・確保に向けて』、令和4年2月4日、P.3