高等学校数学II/図形と方程式

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高等学校数学II > 図形と方程式


本項は高等学校数学IIの式と図形と方程式の解説である。

図形と方程式[編集]

点と直線[編集]

まず、座標を用いて点を表わす方法について述べる。次に、数式を用いて直線を記述する方法について述べる。

点の座標[編集]

座標を用いて図を表現する方法について述べる。平面図形である以上ある1点を指定するためには、その点について2つの位置情報が必要であることがわかる。位置情報を取る方法は複数ある。例えば、地球上の点は緯度と経度という2つの点を用いて表わされているが、これは地球の表面が2次元の図形であることによる。ここでは、2次元の図形の表わし方の中でも最も簡単な表わし方である、直交座標を用いた記述について述べる。直交座標とは、2本の互いに直交する軸を取り、それぞれの軸に目盛りをふることで点の位置を表わす座標の事である。ここで、それぞれの軸をx軸、y軸と名付け、x軸、y軸に対する座標を(a,b)(aはx軸の座標、bはy軸の座標)によって表わす。また、これによって位置を与えられる平面を、xy平面と呼ぶ。例えば、(x,y)=(1,2)は、xy平面上でx=1,y=2の点を表わす。

  • 座標で点.png

このように平面上では、2つの座標を指定することで点を表すことができる。

2点間の距離[編集]

座標平面上の2点間の距離を求める。
直線が座標軸に平行でないとき、点をとると

は直角三角形であるから、三平方の定理より

この式は、直線がx軸、y軸に平行なときにも成り立つ。


2点間の距離は

特に、原点と点間の距離は

内分点と外分点[編集]

ある点Aと、ある点Bをそれぞれ で表わす。このとき線分AB上でその長さを (は、任意の実数。)に分割するような点を、線分ABをに内分する内分点と呼ぶ。

また、直線AB上の点でかつ、線分AB上の点ではない点で、点Aからの距離と点Bからの距離が、 になる点を直線ABのの外分点と呼ぶ。

  • 問題例
    • 問題

としたとき、ABを3:1に内分する点、4:1に内分する点、3:2に外分する点、2:3に外分する点、1:4に外分する点をそれぞれ求めよ。

    • 解答

内分点についてはそれぞれの点からの距離の比を用いて、それぞれの点からの距離を定めればよい。線分ABの長さは1であり、それらを3:1に分けるのであるから、内分点をMとしたとき、

が得られる。よって、内分点は、

である。同様にして、4:1に分割する点は、

である。

外分点(Mとする。)は線分AB上にある点ではなく、しかし、AMは、MBより長いことが知られているので、 よりも右側にある点である。ここで、ABの長さは、3:2という割合では、1に対応するはずである。ここで、ABの長さ自身も1であるので、BM,AMについての長さは、 にそれぞれ定まったわけである。このような点は、 である。同様にして、ABを2:3に外分する点は、 、ABを1:4に外分する点は、 である。

一般に1次元上での点をa:bの内分点と外分点の公式は、

内分点
外分点

で与えられる。

  • 証明

実際に内分点、外分点をxとして計算すればよい。まず、内分点の場合にはxについてかつが成立する。この時、点A、点Bとの距離はそれぞれ、,となる。ここで、それぞれの比がa:bとなることから、

もしくは、

が成り立つ。これをxについて解くと、

が得られる。次に、外分点について考える。まず、a>bとすると、aは、より大きいことが図形的にわかるので、

内分線と外分線..png

外分点とA,Bとの距離は、,で与えられる。このことと距離の比を用いると、

もしくは、

が得られる。これをxについて解くと、

が得られる。b>aのときには、A,Bとの距離が,で与えられるが、これを上の式に代入しても

が得られるだけで、同じ式である。

2次元の場合には、一般に点と点との位置関係は、座標軸に平行でなく、それらの距離の内分は複雑になるように思える。しかし、実際には、内分点や外分点を計算するには、上の公式をx,y の両方向に対して用いればよい。これは、2点をつなぐ線が直線であるので、その直線上である点からの距離が一定の割合となる点をいくつか取ったとき、その点と元の点のx軸方向の座標の変化の割合とy軸方向の座標の変化の割合と直線自身の長さの変化の割合はそれぞれ等しくなるからである。

よって、一般に点を、a:bに内分する点と外分する点は、

内分点
外分点

で与えられる。

  • 問題例
    • 問題

3:1に内分、外分する点を求めよ。

    • 解答

内分点
外分点

を用いて計算すればよい。

実際値を代入すると、内分点については、

が得られる。また、外分点については、

が得られる。

三角形の重心[編集]

3点を頂点とする三角形の重心の座標を求めてみよう。
線分の中点の座標は

重心は線分を2:1に内分する点であるから、の座標をとすると

同様に

よって、重心の座標は

直線の方程式[編集]

ある点 を通って傾きaの直線の式は、 で与えられる。これは、傾きがyの変化分xの変化分で表わされ、,はまさに、y,xそれぞれの変化分そのものであることによる。

2点 , を通る直線は傾きが で与えられることを用いると、 で与えられる。

  • 問題例
    • 問題

それぞれの直線を表わす式を計算せよ。

(i) 傾き5で、点(1,0)を通る直線。

(ii) 傾き-2で、点(-3,1)を通る直線。

(iii) 2点(4,3) ,(5,7)を通る直線。

(iv) 2点(7,-3) ,(-2,-4)を通る直線。

    • 解答

を用いればよい。

それぞれについての解答は、

(i)

(ii)

(iii)

(iv)

となる。

また直線の方程式は一般にで表される。

2直線の平行と垂直[編集]

2直線の平行、垂直

2直線について

2直線が平行
2直線が垂直


  • 問題例
    • 問題

を通り、直線に平行な直線、垂直な直線の方程式を求めよ。

    • 解答

直線の傾きはである。
平行な直線の方程式は

垂直な直線の傾きをとすると

よって、垂直な直線の方程式は


ある点から直線への距離[編集]

直線の方程式を、その直線上にないある点を、その間の距離をとするとき、

と表される。

  • 問題例
    • 問題

と直線の距離を求めよ。

    • 解答

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円の方程式[編集]

円の方程式は 中心(a,b),半径rなら、 で与えられる。 これは、三平方の定理によって円上の全ての点から 円の中心への距離rが、 に等しいことが 言えるからである。特に中心(0,0),半径rなら で与えられる。


  • 問題例
    • 問題

(i) 中心(2,4),半径3

(ii) 中心(5,-1),半径4

(iii) 中心(-3,-6),半径7

(IV) 中心(-2,1),半径1

に対応する式を求めよ。

    • 解答

を用いればよい。 答は、
(i)

(ii)

(iii)

(IV)

となる。


    • 問題

(i)

(ii)

(iii)

(IV)

(V)

(VI)

がどのような円を表わしているか述べよ。


    • 解答

(i),(ii)に関しては、公式と見くらべることで 円の大きさを定めることが出来る。 (iii)以降については、式変形を行なって

と比較できる形にする必要がある。

例えば、(iii)については、

と変形でき、 中心

半径

の円に対応することが分かる。 (IV),(V),(VI)も同様にして、左辺を平方完成すればよい。

結果は、
(iii)

(IV)

(V)

(VI)

となる。


(i)

中心 ,半径 の円

(ii)

中心 ,半径 の円

(iii)

中心 ,半径 の円

(IV)

中心 ,半径 の円

(V)

中心 ,半径 の円

(VI)

中心 ,半径 の円


方程式 はいつも円であるとは限らない。問題を通して確認しよう。


  • 問題例
    • 問題

(i)

(ii)

は、どのような図形を表しているか。

    • 解答

(i)方程式を変形すると、

となる。

であるから、この方程式を満たすのは、 だけである。 したがってこの方程式が表す図形は、 となる。

(ii)方程式を変形すると、

となる。

であるから、この方程式が表す図形はない

円と接線[編集]

上のある点で接する接線の方程式は

で表される。

同様に、円上のある点で接する接線の方程式は

で表される。

円と直線[編集]

円と直線の交点は、 円の方程式と直線の方程式がともに満たされる点である。 直線の方程式をyについて解き、円の方程式に代入すると、 xについての2次式が得られる。

2次式に2つの実数解がある場合には、円は2点で交わり、重解を持つときには、 直線は円に接する。虚数解を持つときには、直線と円は交点を持たない。


  • 問題例
    • 問題

(i) 直線

と円

(ii) 直線

と円

(iii) 直線

と円

(IV) 直線

と円

(V) 直線

と円

が交点を持つか調べよ。 また、もしも交点を持つのなら、 その交点の座標を求めよ。

    • 解答

直線

と円

直線と円が交点を持つかを調べるには、 直線の式を用いてxかyの片方を消去し、 それによって得られた2次方程式を解く必要がある。

特に(i)の場合について詳しく計算を行なってみる。 直線の式は

に置き換えられるので、 この式を円の式

に代入する。 すると、

が得られるがこの式の判別式

は、

を持つので、この式は2つの実数解を持つ。つまり、この 直線と円は、2つの交点を持つのである。

を解くと、2つの交点のx座標が得られる。

解の公式を用いてこの式を解くと、

が得られる。 この式を元の式に代入することで、 それぞれに対応するy座標も求められる。 代入する式は、 直線

でも円

でもよいが、直線の方に代入した方が簡単なことが多い。

実際代入すると、

(複合同順) が得られる。 よって、答は、

となる。


それら以外についても同じように計算を行なうことができる。 (i)

(ii)

(iii)

(IV)

(V)

となる。 ここで、(IV),(V)については虚数が答の中に現われていることから、 直線と円は交点を持たないことが分かる。

軌跡と領域[編集]

軌跡と方程式[編集]

ある条件を満たす点全体がつくる図形を、その条件を満たす点の軌跡という。


  • 問題例
    • 問題

2点から等距離にある点の軌跡を求めよ。

    • 解答

条件より、
の座標をとすると

だから

整理して、

したがって、求める軌跡は、直線である。


軌跡を求める手順

1.求める軌跡上の任意の点の座標をなどで表し、与えられた条件を座標の間の関係式で表す。

2.軌跡の方程式を導き、その方程式の表す図形を求める。

3.その図形上の点が条件を満たしていることを確かめる。


  • 問題例
    • 問題

2点からの距離の比がである点の軌跡を求めよ。

    • 解答

の座標をとする。
を満たす条件は

すなわち

これを座標で表すと

両辺を2乗して、整理すると

すなわち

したがって、求める軌跡は、中心が、半径がの円である。


を異なる正の数とするとき、2点からの距離の比がである点の軌跡は、線分に内分する点と、外分する点を直径の両端とする円である。この円をアポロニウスの円という。

のときは、線分の垂直二等分線である。


※ コラムなど[編集]

デカルト

このページの分野のように、数式をつかって座標の位置をあらわして、幾何学の問題を解く手法のことを「解析幾何学」(かいせき きかがく)という。

なお、「幾何学」(きかがく)という言葉じたいは、図形の学問というような意味であり、小学校や中学校で習った図形の理論も「幾何学」(きかがく)である。

中世ヨーロッパの数学者デカルトが、解析幾何学の研究を進めた。なお、この数学者デカルトとは、哲学の格言「われ思う、ゆえに我あり」で有名な者デカルトと同一人物である。

演習問題[編集]