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高等学校物理/円運動

出典: フリー教科書『ウィキブックス(Wikibooks)』
小学校・中学校・高等学校の学習 > 高等学校の学習 >物理 > 円運動 

本節では、円運動を解説します。

円運動では、公式の意味を勉強することです。小学校の算数で習った「距離=速さ×時間」を変形しただけで式が作れます。 速さの公式を忘れてしまった人は5年生の速さの公式を参照してください。

等速円運動の表し方

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 おもりをつるした糸を上手く回しながら揺らすと、手を止めた後もおもりが水平面で円形の軌道を描いて動くようになります。これを円錐振り子といいます。円錐振り子のおもりの運動のように、円周上を一定の速さで動く物体の運動を等速円運動といいます。

周期と回転数

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 円周を1周するのに必要とする時間を、この等速円運動の周期といいます。  円周の長さは2×円周率×円の半径〔m〕ですから、等速円運動する物体の速さと周期の間には速さの公式を使って、速さ=円周の長さ÷周期の関係があります。また、1秒間に円周を回転する回数回転数といい、単位はヘルツを用いて表します。回転数と周期の間には、周期=振動一回あたりの時間=時間÷振動回数、振動数=単位時間あたりの振動回数=振動回数÷時間なので、回転数=時間÷周期の関係が成り立ちます。

なお、文字式で表すと、次のようになります。

周期は、英語でPeriodicですが、物理の場合、時間の英語Timeを使います。

回転数は英語でnumber of revolutionsです。

以上より、

f=…①

速度と角速度

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 等速円運動の中心と物体とを結んだ線(等速円運動の半径を示す線分で、これを動径といいます)が、単位時間あたりに回転する角度角速度といい、単位はラジアン毎秒を用います。円運動する物体が、ある経過時間に回転した角だけ回転する場合の角速度は、角速度=回転角÷経過時間と表せます。また、角速度は、物体が1回転するのに、1周期かかるので、角速度=2×円周率÷周期角速度=2×円周率×回転数とも表せます。

 等速円運動する物体の速さは、次のようにも表せます。

速さ=円周の長さ÷周期、角速度=2×円周率÷周期の公式を使うと、

速さ=半径×角速度

 さらに、角速度=回転角÷経過時間の公式を使うと、

速さ=半径×回転角÷経過時間

 半径×回転角は弧の長さと同じなので

速さ=弧の長さ÷経過時間

 このように、等速円運動する物体の速度の大きさ(速さ)は、1周の平均の速さも瞬間の速さも同じで速さ=半径×角速度で表されます。

なお、文字式で表すと、次のようになります。

角速度は、英語でangular velocityですが、物理の場合、ωを使います。

半径は、Radius

以上より、v=rω…②

向心力

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〔執筆中〕

等速円運動の加速度

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 ここでは、教科書とは違う方法で、円運動の加速度について証明します。証明は三平方の定理と運動方程式を使って求めます。

まず、AからCまでを時間の変化量として考えます。もし物体に向心力が働かなければBまで等速直線運動するので、

AB=速さ×時間の増加量…①

実際は時間の変化量だけ自由落下しているので、総落下距離は自由落下運動の公式を使って

BC=×加速度×時間の増加量×時間の増加量…②

①、②より直角三角形OABのそれぞれの辺の長さを三平法の定理を使って求めます。

斜辺の長さは、それぞれの辺の長さを2乗して足し算をすれば、求められます。

よって、

BO(BC+CO)の2乗=AOの2乗+ABの2乗より、

(半径+×加速度×時間の増加量×時間の増加量)の2乗=半径の2乗+(速さ×時間の増加量)の2乗

展開して

左辺は

半径の2乗+加速度×半径×時間の増加量の2乗+×加速度の2乗×時間の増加量の4乗

半径の2乗を消去すると、

加速度×半径×時間の増加量の2乗+×加速度の2乗×時間の増加量の4乗

=(速さ×時間の増加量)の2乗

求めたいのは円の中で動く力(加速度)なので、BCは考えません。※

※数学用語では、これを近似を取ると言います。近似という用語は数学Ⅲの範囲です。

したがって、

加速度×半径×時間の増加量の2乗=(速さ×時間の増加量)の2乗

移項すると

加速度=(速さ×時間の増加量)の2乗÷半径×時間の増加量の2乗

加速度=速さの2乗÷半径

また、速さ=半径×角速度

なので

加速度=(半径×角速度)の2乗÷半径から

加速度=半径×角速度の2乗

同様に、半径=速さ÷角速度なので

加速度=速さの2乗÷(速さ÷角速度)

加速度=速さ×角速度

〔証明終わり〕