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高等学校 地学基礎/地震災害・火山災害

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キーワード[重要用語]

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液状化現象・津波

地震と災害

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地震の社会的影響

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地震は社会に様々な影響を与えます。地下で断層が大きく動くと、地面も大きく動きます。その影響から建物が壊れたり、液状化現象も起きたり、電気・水道も使えなくなったりします。2011年の東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)は激しい地震と激しい津波から原子力発電所も耐え切れなくなり、危険な放射性物質も広がりました。

津波

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海は私達に多くの恵みをもたらします。一方、海は大きな破壊力も持っています。水の壁として陸地に押し寄せるような大きな水の動き(津波)は人間の生活を変えてしまいます。地面が海底で動くと、大量の水も動きます。普通の波と比べると、その大きさは全く異なります。この水の動きは何回も繰り返します。最初の津波より次の津波が危険な場合もあります。最初に波が引くと、「もう、大丈夫。」と思う人もいます。しかし、これが危ない前触れになります。2011年の東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)は津波のすごさを世界に見せつけました。沿岸部に人の身長よりかなり高い津波が押し寄せました。かなり高い地域も津波に飲まれました。また、津波は場所によって大きく変わります。特に、湾の奥とか岬の先端とかはかなり危険です。なぜなら大きな破壊力が1つに集まり、より高い津波になるからです。したがって、海の上で地震が起きたら、真っ先に海辺から離れましょう。そして、津波警報を解除されるまでは絶対に大人しく避難を続けます。津波は予想しにくく、地震から何時間たっても危険です。

★津波が出来るまで[1]

火山と災害

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火山噴出物による被害

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御嶽山

火山が噴火すると、広い範囲で危険をもたらします。火山弾・火砕流・溶岩流から火山周辺地域の建物が壊れます。火山灰は空高く運ばれ、遠い場所にも降ります。その結果、農作物が育たなくなったり、人類が病気になったりします。また、火山灰が建物の上に積もると重さで危険になります。雨が火山灰と重なると二次災害を引き起こします。さらに有害の成分が火山ガスに含まれ、火山ガスを吸うと病気になります。このように火山災害は様々な危険をもたらします。

日本の防災政策は、昔の火山災害から学んでから進められています。危険な火山活動が、日本の危機管理の方法を変えました。特に、雲仙普賢岳・三宅島・御嶽山の火山災害は重要です。火山災害は火砕流・有毒ガス・水蒸気爆発となりますが、それぞれの火山被害に合わせて日本政府も対応を変えました。火山専門家は最近の事例を調べるだけでなく、昔の地層からも大切な情報を見つけています。阿蘇山の大噴火は、西日本の広い地域の地層に残っています。大噴火の影響は何百キロも広がりました。火山活動の監視から噴火の種類と危険性を細かく分けられます。もし噴石の飛び方が大きく、壊す力も大きかったら絶対に避難させましょう。このような過去の出来事から日本政府も学び、日本の防災は科学的な知識と避難計画の両方で改善されています。

噴火活動に伴う被害

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火山災害は様々な形で私達の生活を脅かします。地面の動きとかマグマの圧力変化とかから割れ目が出来ると、山も崩れます。山が崩れるとその土砂も斜面を速く下り、川をせき止めます。こうして、川が決壊すると、土石流となり火山から遠い場所まで大きな被害を受けます。火山活動の前になると、特別な揺れとか地震とかが増えます。このような現象は災害から身を守るために大切な手がかりとなります。

資料出所

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  • 啓林館『高等学校 地学基礎』磯崎行雄ほか編著 2022年

ここに注意!!

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  1. ^ 日本気象協会「津波のしくみ」から