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高等学校 生物基礎/生態系と生物の多様性Ⅰ

出典: フリー教科書『ウィキブックス(Wikibooks)』
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キーワード[編集]

生態系・生産者・消費者・分解者

生態系の成り立ち[編集]

 生物は単独で暮らしていません。生物と生物はどこかで助け合いながら暮らしています。そして、生物は、自然とも深く関わっています。例えば、植物は土から水分と栄養を取り入れて成長しています。もし、土に水分が無かったら、植物も育ちません。このように、生物と環境の繋がりをまとめて生態系(エコシステム)といいます。

 様々な大きさが生態系にあります。校庭の池・花壇・水槽が小さな生態系として挙げられます。一方、草原・森林・河川・湖沼・海洋・土壌・地球が大きな生態系として挙げられます。もし、植物や動物が死んでも、土に還り、新たな生命として蘇ります。また、植物に日光が当たると、そのエネルギーを使って育ちます。さらに、動物が植物を食べると、そのエネルギーを体に取り入れます。このように、生物と自然は切り離せない関係にあります。生物がどのような役割をしているのかによって生産者・消費者・分解者に分けられます。

生産者[編集]

 植物は、空気中の二酸化炭素・水、土の栄養分を使って、炭水化物・脂肪・蛋白質などの栄養分を作ります。このような生物(独立栄養生物)を生産者といいます。藻類・植物プランクトン・光合成細菌・化学合成細菌なども生産者に含まれます。

消費者[編集]

 植物は日光を使って栄養分を作ります。しかし、動物は植物を食べて、栄養分を貰っています(消費者)。もちろん、動物から動物を食べても消費者になります。もう少し、詳しく説明します。草食動物は植物を食べるので、一次消費者と呼ばれます。肉食動物は草食動物を食べるので、二次消費者と呼ばれます。大型肉食動物が、二次消費者を食べると、三次消費者になります。さらに、四次消費者などの高次消費者もいます。もし、超大型肉食動物が、三次消費者を食べると、四次消費者になります。

分解者[編集]

 植物が枯れたり、動物が糞をしたり、動物が息を引き取ったりしたら栄養分になります。しかし、新しい植物はその栄養分をそのまま使えません。そこで、微生物(菌類と細菌)がその栄養分を食べて、新しい植物でも使えるようにします(分解者)。その結果、新しい植物も育つようになります。ダンゴムシ・ミミズなどの動物も分解者に含まれます。

分解者と消費者の違いははっきりしません。
 分解者と消費者の違いは簡単に決まらず、環境によって変わります。例えば、稲藁の煮汁に、有機物が溶けています。枯草菌(細菌)はこの有機物を食べて、無機物に変えています。つまり、枯草菌(細菌)は、その役割を見ると分解者でもあり、一次消費者でもあるように見えます。次に、ゾウリムシが枯草菌(細菌)を食べます(二次消費者)。さらに、ミジンコがゾウリムシを食べます(三次消費者)。最後に、フナがミジンコを食べます(四次消費者)。


資料出所[編集]

  • 東京書籍株式会社『生物基礎』浅島誠ほか編著【生基701】
  • 実教出版株式会社『生物基礎』最上善広ほか編著【生基703】
  • 新興出版社啓林館『高等学校 生物基礎』赤坂甲治ほか編著【生基706】
  • 数研出版株式会社『高等学校 生物基礎』嶋田正和ほか編著【生基708】
  • 株式会社第一学習社『高等学校 生物基礎』吉里勝利ほか編著【生基710】
  • 株式会社浜島書店『二訂版 ニューステージ 生物図表』2024年度版
  • 数研出版株式会社『チャート式シリーズ 新生物 生物基礎・生物』本川達雄ほか編著 2023年