Java/プログラミングのための準備
JDKのインストール[編集]
Javaのプログラムを作るには、Javaの開発キット「JDK(Java SE Development Kit)」をシステムにインストールしておく必要があります。
JDKが、お使いのシステムにすでにインストールされているかどうかは、次の手順で確認できます。
CUI環境を立ち上げる[編集]
Windowsであればコマンドプロンプト、 Mac OS Xであればターミナル、 LinuxであればGNOME端末やKonsole、Ktermなどを起動します。
Windowsのコマンドプロンプトは、スタートメニューの [プログラム]ー[アクセサリ] の中にあります。 Mac OS Xのターミナルは、[アプリケーション] フォルダの中にある [ユーティリティ] フォルダの中にあります。
javacコマンドを実行する[編集]
起動したCUI環境で、次のように入力します。
javac -version
「javac」というのは、Javaのコンパイラのことです。 上記のコマンドを実行して、javacのバージョン情報が表示されれば、 JDKがインストールされています。
以下は、実行結果の一例です。
$ javac -version
javac 1.8.0_331
もし、インストールされていなければ、[編集]
かつてJava開発元のoracleは、JDKを無償で提供していた時期がありましたが、しかし現在では、JDKの商用利用は有償化されています。
実はOracleと契約すれば非商用利用の範囲なら無償でJDKを使えるのですが、しかし手続きなど面倒です。
実は現在のJDKには、通常のJDKとは別種類の、機能が制限されているものの無料かつ契約不要で使える openJDK という別エディションもあり、oracleがこれも協力しています。
ですが、openJDKはインストールが複雑です。Windows環境にインストールする場合、openJDKの公式サイトにあるバイナリをダウンロードしてインストールしても、既存の通常版Javaランタイムなどがパソコンにインストール済みだと、干渉して、うまくopenJDK が起動しない場合もあります。
実はこのopenJDKをインストールしやすくなど改良したAdoptOpenJDKというのが、別途、開発されており、IBMなどに支援されています。
Windowsの場合[編集]
初心者はWindowsの場合、このAdoptOpenJDKを使うのがラクです。
なお、Oracleの公式サイトでは、通常版JDKも無料で提供されています。 Java開発者向け情報 をたどっていけば、JDKのダウンロードページも見つかります(見つかりづらいですが)。(2020年現在は "Java SE Development Kit 14 - Downloads" のページにあります。)
インストールに必要なファイルをダウンロードし、ガイドに従ってインストールしてください。なお、このページは英語で書かれていますが、ページの右側に「Java SE」のダウンロードページへのリンクがあり、そのリンク先のページに行けば、日本語ページへのリンクを見つけることができます。
Linuxの場合[編集]
「java」コマンドを実行するためのソフトウェアと、コンパイルの「javac」コマンドを実行するソフトウェアとは別物です。
この両方のソフトウェアをインストールする必要があります。
普通のインストール[編集]
Fedora Linux の場合、コマンドラインの install などのコマンドでJavaをインストールすると同時にopenJDKのランタイムも入ります。つまり
sudo dnf install Java
でopenJDKが入ります。なお、インストールコマンドで「openJDK」で検索をしてもヒットしないので、気をつけてください。「Java」で検索する必要があります。
普通にインストールした場合、やや古いバージョンの長期サポート版の openjdk がインストールされます。
ですが、これはJavaのコマンドラインでの実行環境(JRE に相当)であり、コンパイルツールは別です。
さらに、Javaのコンパイラ一式をインストールするため、
sudo dnf install java-1.8.0-openjdk-devel
のコマンドで、openjdk-develをインストールする必要があります。バージョン番号は読者の時代に応じて変更してください。なお、パッケージマネージャの検索で「openjdk-devel」と探しても出ません。
ともかくjava-1.8.0-openjdk-devel 相当のソフトウェアをインストールしないと、javacコマンドが使えません。
最新版のテストなどには、上記のバージョンは使えません。もし最新のバージョンをインストールしたい場合、後述のセクションのようにlatest版をインストールします。
最新版をインストールしたい場合[編集]
Fedoraの場合、おそらく、
sudo dnf install java-latest-openjdk
で入ります(※ いろいろ試したあとに成功したので、まだ条件が限定できてない)。
ただし、最新版をインストールしただけでは、javaコマンドやjavacコマンドを入力しても最新版はまだ動作せずに使えません。javaコマンドなどを実行しても、旧バージョンのJavaが動きつづけるだけです。
なので、加えて下記の設定をしないと、既にインストールした長期サポート版(LTS)が実行されてしまいます。
コマンド
sudo alternatives --config java
により、実行に使う java を最新版に切り替えれば、最新版javaを使えます。
なお、このコマンドを実行しても、コンパイラの javac のバージョンはそのままです。上記コマンドで切り替わるのは java ランタイム側だけです。
プログラミングに必要なもの[編集]
JDKの他に必要なものは何でしょうか?
プログラミングには、ソースコードを書くためのテキストエディタが必要です。Windowsのメモ帳やMac OS Xのテキストエディットでもプログラミングをすることができます。 とりあえずであれば、そうしたテキストエディタを使うこともできるでしょう。
しかし、プログラマはエディタ(テキストエディタのこと)にこだわるものです。まだ愛用のエディタを持っていない方は、プログラミングの学習方々、ぜひ手に馴染むエディタを探してみてください。
なお、本書では解説しませんが、テキストエディタではなく、統合開発環境(IDE)を使ってプログラミングすることもできます。JavaのIDEとして有名なものに、EclipseやNetBeans IDEがあります。これらを使う場合は、わざわざコマンドプロンプトのようなCUI環境を使う必要もありませんし、実はJDKのインストールさえ不要な場合もあります(コンパイラ等がIDEに含まれている場合があるため)。詳しくは各解説書などを参照してください。