商法第549条
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法学>民事法>商法>コンメンタール商法>第2編 商行為 (コンメンタール商法)
条文
[編集]- 第549条
- 仲立人カ当事者ノ一方ノ氏名又ハ商号ヲ其相手方ニ示ササリシトキハ之ニ対シテ自ラ履行ヲ為ス責ニ任ス
解説
[編集]ドイツ商法典第95条⑶に由来する。
- ドイツ商法典第95条(通知の留保)
- ⑴及び⑵ 省略
- ⑶
- ①当事者の氏名が明かされないままのとき,あるいは記載された者又は会社に対して異議を申し立てる相応の理由があるとき,当事者は商事仲立人に対し,取引の履行を請求することができる。
- ②当事者が商事仲立人の催告に対し,履行請求の有無につき遅滞なく意思表示を行わなかった場合,この請求権は排除される。
ドイツ商法典第95条が日本の商法典では548条と549条に分かれた。⑶②が訳されていないことがわかる。
一方当事者の氏名が明かされないことによって契約の締結が容易になる場合があるから548条の規定があるが、そのときその他方当事者にとって一方当事者の財産状況が不明である。財産状況が悪ければ(民法学上認められている)不安の抗弁権によって弁済ないし担保の提供が認められるところ、財産状況が不明であれば弁済ないし担保の提供が求められない。そこで商法典は仲立人に介入義務を与えた。
仲立人は当事者でも無権代理人(民法第117条)でもなく、しかも仲立人が法律効果を求める意思表示をしたわけでもないのに履行を求めることができる。
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