民法第190条
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条文
[編集](悪意の占有者による果実の返還等)
- 第190条
- 悪意の占有者は、果実を返還し、かつ、既に消費し、過失によって損傷し、又は収取を怠った果実の代価を償還する義務を負う。
- 前項の規定は、暴行若しくは強迫又は隠匿によって占有をしている者について準用する。
解説
[編集]「悪意の占有者」とは、果実を収取する権限のある占有の権原(本権)がないことにつき悪意な占有者のことをいう。 悪意の占有者には、善意の占有者に認められているような果実の収受権は許されず、返還・償還義務を負担することになる。 占有開始時に「暴行若しくは強迫」または「隠匿」があった場合は、悪意の占有者とみなされる。
もし民法第704条が適用されれば、占有者は物の代価に利息をつけて返還しなければならない。190条も不当利得の条文だから、占有者は物が滅失、毀損すればその分の額の利息も返還しなければならない。704条と異なり、費消を怠った果実と、費消した果実の代価をも返還しなければならない。
つまり権利者は、悪意の占有者に対して、物の返還請求(または代価と利子)と収取を怠った果実の返還、占有開始時から費消した果実分の代価を請求することができる。
参照条文
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