フランス語/文法/提示の表現1
C'est ~
[編集]C'est...という表現を、服や小物にプリントされているフランス語の中に、見かけたことがあるかもしれません。この c'est はとても便利で、非常によく使われる表現です。例文を見てみましょう。
- C'est une photo. これは写真です。
- C'est un lapin. これはウサギです。
例のように、c'est の後に名詞を置くと、「これは~です」という意味になります。英語の 「This is...」 と同じですね。
ただし、フランス語の c'est は、指示形容詞と同じように 「これ・それ・あれ」 の遠近の区別がはっきりしていません。
手に持っているオレンジも、遠くの棚の上のオレンジも、「C'est une orange. これ(あれ)はオレンジです」 と言うことができるのです。
- C'est mon livre. これは私の本です。
- C'est votre chapeau. あれはあなたの帽子だ。
名詞に所有形容詞を付けると、表現が広がりますね。
さて、身のまわりのものを、「C'est ~ . これは~です」 と言ってみましょう。
C'est の正体
[編集]この c'est は、どんな品詞からできているのでしょうか。アポストロフ(')の省略を戻すと、ce est となります。 ce の後に母音が来ているため、エリジオンが起こって 「c'est」 となるのですね。
この 「ce」 は新出ですが、指示代名詞というものの一種で、代名詞の仲間です。(形は似ていますが、指示形容詞とは違います)
そして 「est」 は動詞なのですが、見覚えがありますか? そう、être の三人称・単数形です。
複数形 Ce sont ~
[編集]もし、1個だけでなく、たくさんあるオレンジを提示したいときには、「ce sont ~」を使います。これは、複数形のために c'est が活用した形です。「sont」 は、être の三人称・複数形ですね。
- C'est une orange. これは(1個の)オレンジです。
- Ce sont des oranges. これらは(いくつかの)オレンジです。
- C'est un renard. あれは(1匹の)キツネです。
- Ce sont des renards. あれらは(数匹の)キツネです。
- C'est mon livre. それは私の(1冊の)本です。
- Ce sont mes livres. それらは私の(何冊かの)本です。
この ce sont は話し言葉の中では、少々改まった表現とされています。くだけた会話なら、複数名詞に c'est を使っても大丈夫です。
Il y a ~
[編集]Il y a...も、よく目にする表現です。c'est と同じく、後に名詞を置くと「~がある・いる」という意味になります。
- Il y a un citron. レモンがあります。
- Il y a mon lapin. 私のウサギがいます。
Il y a の後には、c'est と違って、単数名詞でも複数名詞でも置くことができます。
- Il y a des citrons. (いくつかの)レモンがあります。
- Il y a mes lapins. 私のウサギたちがいます。