中学校理科 第1分野/いろいろなエネルギー

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エネルギー資源[編集]

化石燃料

石炭、石油、天然ガスを化石燃料(かせきねんりょう、fossil fuel、ファーソル・フューエル)という。これら化石燃料は、一般に地中に埋蔵されていたものを採掘して得られる。埋蔵量が限られている資源である。 これら石油・石炭・天然ガスは、大昔に死んだ生物の死体や残骸などの有機物が、地中にうずもれたまま、長い年月の間に化学変化をしてできたものである。なので、化石燃料は埋蔵量が限られている。

発電[編集]

火力発電のしくみ
発電用タービンの部品。
ドイツの水力発電所の装置


電気の主な発電方法は、火力発電、原子力発電、水力発電である。これらの3種類の発電では、いずれも共通して、回転羽根を持ったタービン(羽根車)を回して発電している。タービンに永久磁石が取り付いており、その磁石がタービンと一緒に回転することによって、電磁誘導によって発電をしている。

「火力」や「水力」や「原子力」とは、タービンの回転力を得る方法の種類である。 火力発電では、火力により水を熱して蒸気にさせることで、その蒸気圧によって、タービンを回転させている。蒸気は回収して冷却して再利用するので、これらの発電所の立地は、一般に冷却水が入手しやすい海岸沿いにあることが多い。

原子力発電も、核分裂を行う物質が発生する熱により、水を熱して蒸気にしていることで、タービンを回す力を得ている。 原子力発電は、名前が「原子力」なので、てっきり、たとえば電池から電気が出るように原子核そのものから電気が出るのかと誤解されやすいが、そうではない。原子力発電における原子力も、火力発電での火力と同様に、蒸気を沸かすための熱源に過ぎないのである。

いっぽう、水力発電では、高所にダムなどを作り、高低差を利用して、水を高所から低所に流す間の地点にタービンの羽根を置くことで、タービンを回している。

火力発電に使われる石油(せきゆ、petroleum,ペトロリアム)は、化石燃料の一種であるため、無限に使い続けることはできない。さらに、原子力発電で用いられる放射性物質(radioactive substance)も、有限の地下資源であり、無限に手に入るわけではない。

また、原子力発電には放射性廃棄物の処分方法をめぐる、未解決の問題もある。

なお、この他にも、太陽光発電や風力発電など、発電方式は多くある。

なお、太陽光発電は、ある種の半導体に光を当てると電圧が発生し電池(※注意 化学電池ではない)になる光電池を利用した発電である。 光電池に当てる光を太陽の光にすれば、太陽が存在する限りは、地球が滅ばなければいつまでも発電できる。

なお、太陽発電と、太陽発電とは、別の発電方法である。太陽熱発電は、太陽光を浴びた物質の熱を利用した発電であり、一般に光電池は利用しない。


現在の文明は大量のエネルギー資源を消費しており、そのため人類は、現在の大量消費の生活を続けることはやがて不可能になると考えられる。現在でもエネルギー資源の保護を考えた議論も進んでいるが、いまだ明確な結論は出ていない。実際にはこの議論は結論が出る類の議論ではないので、各国が妥協をくり返すことが現実的な解決策となるかもしれない。

参考: コージェネレーション[編集]

火力発電では、蒸気を液体にもどすため、冷却水の流れる復水器(ふくすいき)によって、蒸気を冷却しているのであった。

そして、その復水器のなかの水は、蒸気によってあたためられるので、熱をもつ。

この復水器の中の水の熱は、タービンをまわすほどの力は無くても、お湯をわかすなど別の用途には、じゅうぶん使えるほどの熱をもっている。

そこで、この熱をそのまま放水路に流すのではなく、給湯(きゅうとう)や暖房(だんぼう)などのエネルギー源として利用すれば、エネルギーが有効に利用できそうである。

しかし、発電所で、かりに、排熱を利用して、お湯をわかしても、お湯を住宅街などに届けるあいだに、さめてしまう。 ふつう、発電所は、住宅街などから、遠い場所にある。

なので、このような排熱による給湯のシステムは、発電所では、あまり行われていない。

(※ 参考文献 オーム社『大学課程 電気電子工学概論』、山口次郎ほか、平成16年8月20日改訂第一版10刷、)

しかし、工場や大型のビルなどで、自家発電をするときは、お湯の消費地が近くにあるので、発電のさいに生じる排熱を有効に利用できる。

そこで、工場や大型ビルなどで、自家発電をする設備のある場合は、さらに排熱をつかって、お湯をわかして活用するシステムのある場合もある。

このように、発電などのさいに熱を発生する機関で、その熱をほかのエネルギー源につかうシステムのことを コージェネレーション システム あるいは単に コージェネレーション という。(※ 「コージェネレーション システム」および「コージェネレーション」のともに検定教科書で紹介されている用語。)

つまり、コージェネレーションシステムを利用するには、消費地のちかくで発電する必要がある。


火力発電では、発生させたエネルギーのほとんどが排熱として捨てられてしまうため約35%くらいのエネルギーしか消費地で活用できないが、コージェネレーションではエネルギーを約70〜80%を活用できる。

また、一般の家庭でも、家庭用の燃料電池をつかって電気をつくるさいに、熱も発生するので、この熱でお湯をわかす事も可能であり、これが家庭用のコージェネレーションとして、実用化されている。


原子力と放射線[編集]

※ 原子力発電などは、単元『中学校理科 第1分野/放射線』で続けて説明する。