会社法第761条

出典: フリー教科書『ウィキブックス(Wikibooks)』

法学民事法商法コンメンタール会社法第5編 組織変更、合併、会社分割、株式交換及び株式移転 (コンメンタール会社法)

条文[編集]

w:持分会社に権利義務を承継させる吸収分割の効力の発生等)

第761条
  1. 吸収分割承継持分会社は、効力発生日に、吸収分割契約の定めに従い、吸収分割会社の権利義務を承継する。
  2. 前項の規定にかかわらず、第789条第1項第二号(第793条第2項において準用する場合を含む。次項において同じ。)の規定により異議を述べることができる吸収分割会社の債権者であって、第789条第2項(第三号を除き、第793条第2項において準用する場合を含む。次項において同じ。)の各別の催告を受けなかったもの(第789条第3項(第793条第2項において準用する場合を含む。)に規定する場合にあっては、不法行為によって生じた債務の債権者であるものに限る。次項において同じ。)は、吸収分割契約において吸収分割後に吸収分割会社に対して債務の履行を請求することができないものとされているときであっても、吸収分割会社に対して、吸収分割会社が効力発生日に有していた財産の価額を限度として、当該債務の履行を請求することができる。
  3. 第1項の規定にかかわらず、第789条第1項第二号の規定により異議を述べることができる吸収分割会社の債権者であって、同条第2項の各別の催告を受けなかったものは、吸収分割契約において吸収分割後に吸収分割承継持分会社に対して債務の履行を請求することができないものとされているときであっても、吸収分割承継持分会社に対して、承継した財産の価額を限度として、当該債務の履行を請求することができる。
  4. 第1項の規定にかかわらず、吸収分割会社が吸収分割承継持分会社に承継されない債務の債権者(以下この条において「残存債権者」という。)を害することを知って吸収分割をした場合には、残存債権者は、吸収分割承継持分会社に対して、承継した財産の価額を限度として、当該債務の履行を請求することができる。ただし、吸収分割承継持分会社が吸収分割の効力が生じた時において残存債権者を害することを知らなかったときは、この限りでない。
  5. 前項の規定は、前条第七号に掲げる事項についての定めがある場合には、適用しない。
  6. 吸収分割承継持分会社が第4項の規定により同項の債務を履行する責任を負う場合には、当該責任は、吸収分割会社が残存債権者を害することを知って吸収分割をしたことを知った時から2年以内に請求又は請求の予告をしない残存債権者に対しては、その期間を経過した時に消滅する。効力発生日から10年を経過したときも、同様とする。
  7. 吸収分割会社について破産手続開始の決定、再生手続開始の決定又は更生手続開始の決定があったときは、残存債権者は、吸収分割承継持分会社に対して第4項の規定による請求をする権利を行使することができない。
  8. 前条第四号に規定する場合には、吸収分割会社は、効力発生日に、同号に掲げる事項についての定めに従い、吸収分割承継持分会社の社員となる。この場合においては、吸収分割承継持分会社は、効力発生日に、同号の社員に係る定款の変更をしたものとみなす。
  9. 前条第五号イに掲げる事項についての定めがある場合には、吸収分割会社は、効力発生日に、吸収分割契約の定めに従い、同号イの社債の社債権者となる。
  10. 前各項の規定は、第789条(第1項第三号及び第2項第三号を除き、第793条第2項において準用する場合を含む。)若しくは第802条第2項において準用する第799条(第2項第三号を除く。)の規定による手続が終了していない場合又は吸収分割を中止した場合には、適用しない。

解説[編集]

  • 第789条(債権者の異議)
  • 第793条(持分会社の手続)
  • 第802条(持分会社の手続)
  • 第799条(債権者の異議)

関連条文[編集]

参照条文[編集]


前条:
会社法第760条
(持分会社に権利義務を承継させる吸収分割契約)
会社法
第5編 組織変更、合併、会社分割、株式交換及び株式移転

第3章 会社分割 第1節 吸収分割

第3款 持分会社に権利義務を承継させる吸収分割
次条:
会社法第762条
(新設分割計画の作成)


このページ「会社法第761条」は、まだ書きかけです。加筆・訂正など、協力いただける皆様の編集を心からお待ちしております。また、ご意見などがありましたら、お気軽にトークページへどうぞ。