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公認会計士試験/平成30年論文式/租税法/第1問問題2

出典: フリー教科書『ウィキブックス(Wikibooks)』
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問題

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 次の事案について,以下の問いに答えなさい。

 A社,B社,C社及びD社は,いずれも製造業を営む内国法人たる株式会社(普通法人)である。A社には,発行済株式の50 %を超える持分を保有する株主は存在しない。A社は,B社の発行済株式の全てを保有している。C社は,A社の発行済株式の0.1 %を保有する法人株主であり,Rは,同じく0.01 %を保有する個人株主である。また,Rは,個人で食品販売業を営んでいる。D社の資本金の額は1,000 万円であり,D社は,設立以来,承認を受けて青色申告書を提出している。

 A社,B社,C社及びD社は,いずれも4 月1 日から翌年3 月31 日までの期間を事業年度としている。以下では,平成29 年4 月1 日に開始するものを平成29 事業年度というように表記する。また,これらの法人の消費税の課税期間については,事業年度と同じものとする。

 平成29 年6 月3 日,A社は,取引先に対して乙土地の譲渡を行った。この土地のA社における取得価額は8,000 万円,譲渡時における時価は1 億5,000 万円,譲渡対価は1 億円であった。

 平成29 年7 月3 日,A社は,保有する全てのB社の株式をA社の株主に対して,その持株数に応じて分配した。C社及びRも,この株式の分配を受けた。

 平成29 年8 月3 日,Rは,たな卸資産である食品の一部を,自己の夕食用の食材として使用した。

 A社は,地方への事業拡大を企図して,平成26 及び27 事業年度において休業状態であったD社の発行済株式の全てを,平成28 年4 月1 日に購入した。D社は,同日付で事業を再開した。D社の平成28 年4 月1 日から9 月30 日までの課税売上高は1,200 万円であったが,平成28 事業年度には300 万円の欠損金額が生じた。また,D社には,休業直前の平成25 事業年度において欠損金額600 万円があった。

 D社は,平成29 事業年度にようやく黒字となり,欠損金額を考慮する前の同事業年度の所得の金額は2,000 万円であった。


問い 次の税務処理に関する①〜⑤の記述のうち,正しいものには○を,誤っているものには×を,答案用紙の「○×欄」に記入しなさい。また,正しいものにはその根拠条文を,誤っているものには正しい税務処理及びその根拠条文を,答案用紙の「記述欄」に記入しなさい。なお,同族会社等の行為計算否認規定及び組織再編成に係る行為計算否認規定の適用はないものとする。また,租税特別措置法は考慮しないものとする。

① A社による乙土地の譲渡は,有償による資産の譲渡に該当するので,益金の額に算入すべき収益の額は,譲渡対価の1 億円である。
② A社による株式分配が適格株式分配に該当した場合,C社が受け取ったB社の株式は,剰余金の配当から除外されるだけでなく,配当等とみなされて課税されることもない。
③ Rが自己の夕食用の食材として使用した食品の時価相当額は,Rの事業所得の金額の計算上,総収入金額に算入されない。
④ D社は,平成29 事業年度の法人税額の算定上,前事業年度までに損金算入等されず未処理であった欠損金額900 万円を損金の額に算入できる。
⑤ D社は,平成29 事業年度について,消費税を納める義務を免除されない。

解答解説

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×法人税法22条2項

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○法人税法23条1項1号,24条1項3号

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×所得税法27条1項,39条

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×法人税法57条1項,57条の2第1項1号

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○消費税法5条1項,9条1項,9条の2第1項4項

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