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公認会計士試験/平成30年論文式/租税法/第2問問題3問1

出典: フリー教科書『ウィキブックス(Wikibooks)』
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問題[編集]

 医療用機器の製造・販売及び福祉用具の仕入・販売を行うP株式会社(以下,「当社」という。)の当課税期間(自平成29 年4 月1 日 至平成30 年3 月31 日)における納付すべき消費税額の計算に関して,次の[資料]1.〜6.に基づき,以下の[問]1.〜[問]4.に答えなさい。なお,複数の計算方法があるものについては,当課税期間の納付すべき消費税額が最も少なくなる方法により計算するものとする。

[資料][編集]

1.全般的な事項及び注意事項[編集]

⑴ 当社は日本国内(以下,「国内」という。)に本社を置く株式会社で,設立以来消費税の課税事業者であり,これまで簡易課税制度の選択届出書を提出したことはない。

⑵ 問題文中の課税取引に係る金額は,特に説明があるものを除き,消費税等の額(消費税及び地方消費税の合計額)を含んだ金額である。

⑶ 課税取引に適用される消費税及び地方消費税の合計の税率は,全て8 %(うち国税である消費税の税率6.3 %)とする。

⑷ 当社が当課税期間中に行った課税仕入れ等については,その事実を明らかにする帳簿及び請求書等が,法令の記載要件を全て満たした上で,適法に保存されている。また,輸出取引等は,輸出取引等であることにつき財務省令で定めるところにより証明がされたものである。

⑸ 当社の組織は,医療用機器事業部及び福祉用具事業部並びに本社管理部からなる。福祉用具事業部は,国内取引部門と輸出取引部門に分かれている。また,B国に設置した支店(以下,「B国支店」という。)がある。

⑹ 個別対応方式による仕入税額控除に当たっては,問題文及び法令等で特別の指示がある場合を除き,医療用機器事業部の費用は課税資産の譲渡等にのみ要するもの,福祉用具事業部のうち国内取引部門の費用はその他の資産の譲渡等にのみ要するもの,本社管理部の費用は課税資産の譲渡等とその他の資産の譲渡等に共通して要するものとする。なお,福祉用具事業部のうち輸出取引部門の費用は非課税資産の輸出取引にのみ要するものである。

⑺ 当課税期間における納付すべき消費税額の計算に必要な情報は,以下の[資料]2.〜6.で全て網羅されている。

2.医療用機器X品の輸入及び販売に関する事項[編集]

 当社は,医療用機器事業部において,医療用機器X品(以下,「X品」という。)を国外事業者であるA社(A国に本店を有し,国内に支店を設けていない。)より輸入し,国内の病院・診療所に販売している。

 X品について,当課税期間における売上高,仕入高の金額及び補足情報は,次のとおりである。

項目 金額 補足情報
国内売上高 2,592,000,000円 課税資産の譲渡である。
輸入仕入高 2,160,000,000円 X品をA社より輸入して仕入れたものである。この金額には,X品を保税地域から引き取る際に納付した消費税の額126,000,000 円及び地方消費税の額34,000,000 円が含まれている。

3.医療用機器Y品の部品仕入・製造及び販売に関する事項[編集]

 当社は,医療用機器事業部において,国内の事業者より仕入れた部品を組み立て,当社が開発したソフトウェアのインストールを行うことにより医療用機器Y品(以下,「Y品」という。)を製造し,その完成したY品を国内の病院・診療所に販売している。また,当社は,国外事業者であるB社(B国に本店を有し,国内に支店を設けていない。)に対し,仕入れた部品の供給及び当社のソフトウェアライセンスの供与を行うことで,B国におけるY品の独占的な製造・販売を認めている。

 Y品について,当課税期間における売上高,仕入高等の金額及び補足情報は,次のとおりである。

項目 金額 補足情報
完成品国内売上高 950,400,000円 課税資産の譲渡である。
部品輸出売上高 200,000,000円 課税資産の譲渡である。
使用料売上高 176,000,000円 B社より受領した当社が所有するソフトウェアのライセンス使用料であり,このソフトウェアの権利は国内で登録されたものである。なお,本ライセンスの供与は,電気通信利用役務の提供には該当しない。
保守・修理売上高 30,000,000円 Y品に関する保守・修理売上高であり,B国支店において実施したものである。
部品仕入高 648,000,000円 課税仕入れである。
労務費・製造経費 415,000,000円 Y品に係る製造費用であり,課税仕入れとなるものが,135,000,000 円ある。

4.福祉用具Z品の仕入及び販売に関する事項[編集]

 当社は,福祉用具事業部において,国内の製造業者より仕入れた福祉用具Z品(以下,「Z品」という。)を,特段の加工を行うことなく,国内及び国外に販売している。Z品は,消費税法別表第一(第6 条関係)第10 号に規定する身体障害者用物品に該当する商品である。

 Z品について,当課税期間における売上高,仕入高の金額及び補足情報は,次のとおりである。

項目 金額 補足情報
国内売上高 1,198,000,000 国内で仕入れ,国内及び国外に販売しているZ品は,全て身体障害者用物品に該当しており,他の用途に転用できないものである。
輸出売上高 120,000,000円
国内仕入高 998,000,000円

5.販売費及び一般管理費に関する事項[編集]

項目 金額 補足情報
役員報酬 54,000,000円 役員は全員経営全般に携わっている。金額の中に通勤手当は含まれていない。
給与手当 400,000,000円 内訳は次のとおりである。通勤手当は,全て通勤に通常必要であると認められる金額であり,本社管理部の通勤手当には,所得税法上の非課税限度額を超える部分の金額が300,000 円含まれている。
医療用機器事業部 288,000,000円
  (うち通勤手当 9,600,000円)
福祉用具事業部
 国内取引部門に係るもの 72,000,000円
  (うち通勤手当 6,000,000円)
 輸出取引部門に係るもの 14,400,000円
  (うち通勤手当 1,800,000円)
本社管理部 17,800,000円
  (うち通勤手当 2,800,000円)
B国支店 7,800,000円
  (うち通勤手当 250,000円)
旅費交通費 73,000,000円 内訳は次のとおりである。
国内交通費
 医療用機器事業部 29,600,000円
 福祉用具事業部
  国内取引部門に係るもの 15,120,000円
  輸出取引部門に係るもの 3,200,000円
 本社管理部 14,720,000円
国外交通費 10,360,000円
賃借料 148,520,000円 内訳は次のとおりである。なお,B国支店の賃借料及び借上社宅家賃以外は,国内における事務所及び倉庫に係る賃借料である。
医療用機器事業部 92,000,000円
福祉用具事業部
 国内取引部門に係るもの 18,000,000円
 輸出取引部門に係るもの 3,000,000円
本社管理部 16,200,000円
B国支店 9,600,000円
借上社宅家賃 9,720,000円

借上社宅は全て国内にあり,上記の金額は,社宅を利用している従業員から徴収した本人負担額1,880,000 円を控除した残額である。

広告宣伝費 78,480,000円 内訳は次のとおりである。なお,C社に委託した広告

以外は,全て国内の事業者に委託している。

医療用機器事業部 39,600,000円
 このうち6,000,000 円は,国外事業者であるC社(C国に本店を有し,国内に支店を設けていない。)が国内に向けて配信するインターネット広告料であり,この支払金額に消費税及び地方消費税の額は含まれていない。なお,この広告は,事業者向け電気通信利用役務の提供に該当するものであり,当課税期間に実施したものである。
福祉用具事業部
 国内取引部門に係るもの 21,600,000円
本社管理部 17,280,000円


その他の経費 60,000,000円 全て課税仕入れであり,内訳は次のとおりである。
医療用機器事業部 16,200,000円
福祉用具事業部
 国内取引部門に係るもの 8,400,000円
本社管理部 35,400,000円

6.営業外損益に関する事項[編集]

項目 金額 補足情報
受取利息 120,000円 国内預金の利息である。
受取配当金 600,000円 所有株式に係る剰余金の配当である。
雑収入 31,320,000円 当期に東京労働局から交付された助成金5,400,000 円とY品の製造過程において生じたスクラップを国内の事業者へ売却した収入25,920,000円の合計額である。
支払利息 4,320,000円 借入金の利子である。
[問]
1.当課税期間における消費税額の計算に関して,次の金額を求めなさい。
⑴ 課税標準額(千円未満の端数切捨て)
⑵ 課税標準額に対する消費税額
[問]
2.当課税期間における課税売上割合の計算に関して,次の金額を求めなさい。
⑴ 課税売上額(免税売上及び非課税資産の輸出等を含まない。)
⑵ 免税売上額(非課税資産の輸出等を含まない。)
⑶ 非課税資産の輸出等の金額
⑷ 非課税売上額(非課税資産の輸出等を含まない。)
⑸ 課税売上割合の計算式の分子の金額
⑹ 課税売上割合の計算式の分母の金額
[問]
3.当課税期間における控除対象仕入税額を計算するための課税仕入れ等に係る消費税額を,次の⑴〜⑶に区分して答えなさい。
⑴ 課税仕入れ等に係る消費税額のうち課税資産の譲渡等にのみ要するもの
⑵ 課税仕入れ等に係る消費税額のうちその他の資産の譲渡等にのみ要するもの
⑶ 課税仕入れ等に係る消費税額のうち課税資産の譲渡等とその他の資産の譲渡等に共通して要するもの
[問]
4.個別対応方式と一括比例配分方式のそれぞれにより,当課税期間における控除対象仕入税額を答えなさい。なお,[問]2.の計算結果にかかわらず,課税売上割合は60.0 %として計算すること。
⑴ 個別対応方式による控除対象仕入税額
⑵ 一括比例配分方式による控除対象仕入税額

解答解説[編集]

解説ページ参照

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