刑法第183条
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条文
[編集](淫行勧誘)
- 第183条
- 営利の目的で、淫行の常習のない女子を勧誘して
姦 淫させた者は、3年以下の懲役又は30万円以下の罰金に処する。
改正経緯
[編集]2023年改正
[編集]第182条「16歳未満の者に対する面会要求等罪」の新設により、従来第182条で規定されていた淫行勧誘罪が本条に移動となった。なお、2022年改正により「懲役」を「拘禁刑」とするものである(施行日2025年6月1日)。
1947年改正
[編集]改正前は以下の条項(姦通罪)が規定されていたが、1947年の改正で削除、以後2023年改正まで空番。
- 有夫ノ婦姦通シタルトキハ二年以下ノ懲役ニ處ス其相姦シタル者亦同シ
- 前項ノ罪ハ本夫ノ告訴ヲ待テ之ヲ論ス但本夫姦通ヲ縱容シタルトキハ告訴ノ效ナシ
解説
[編集]- 売春防止法制定以前からの条文であるため、同法成立以前は、「淫行の常習のない女子」は「『職業的売春を行なっている者』ではない者」程度の意味を有し、売春業でないものに対する売春の勧誘の禁止程度の意味はあったが、同法成立後は基本的に死文化しているとされていた。しかし2018年にAV出演強要に71年ぶりに適用され注目されている(園田寿「AV出演強要に適用された淫行勧誘罪にちょっと違和感が」2018/1/21(日) )
注釈
[編集]- 保護法益
- ①当該女子の性的自由の保護(団藤・各310)
- ②当該女子の性的堕落の防止(平野・概説272)
- 行為
- 「淫行の常習のない女子」
- 「勧誘」
- 共犯
- 姦淫された女子・姦淫の相手方は、共犯として処罰されない。
- 罪数
- 暴行・脅迫を用いて本罪を侵したとき、又は13歳未満の女子に対して本罪を侵したときも、強制性交等罪が成立する結果本罪は適用されない(中山・注釈410;大判大正15・11・25新聞2658・11)。
参照条文
[編集]判例
[編集]- 大判大正15・11・25新聞2658・11
参考文献
[編集]坂本学史「性的自由領域における刑法と家族法との関係性 : アメリカ合衆国におけるSeduction規定とわが国の淫行勧誘罪を視座として」神戸学院法学47巻2・3号(2018)401-443頁
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