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制御と振動の数学/第一類/複素数値関数の Laplace 変換/Laplace 変換/指数位の関数

出典: フリー教科書『ウィキブックス(Wikibooks)』

さて一般に, が存在するための十分条件は,導入章にも言及しておいたように, が次の関係を満たすことである.すなわち が十分大きいところで,

(4.10)

となることである.このとき を指数 位の関数ということは前にも述べた. を特に意識する必要のないときは, を省略して呼ぶことにする.

例93

が指数位の関数であるとき, も指数位の関数であることを示せ.

解答例

は実数を定義域とした実数値関数とすると,




この式が成立するためには の両方が有限の値に収束しなければならない.
すなわち, の両方が指数位である必要がある.



が指数位 の関数であるとき, に対して,

が存在することは明らかである.事実,

で, のとき,

であるから,複素数値関数の基本的性質から の存在が保証されるのである.



例94

は任意の に対して指数位の関数である.

事実,

であるから, のとき[1]

[2]

したがって の Laplace 変換が存在する.

[3]

であるから, ならば, のとき,

これを逐次繰り返すことによって,

を得る.



補題 4.2 が指数位の関数ならば もそうである.

証明

複素数値積分の基本的性質式 (4.10) により, のとき,

ここに, である.

  1. ^
  2. ^ より
  3. ^ 式 (2.8b) と同じ考え方である.