制御と振動の数学/第一類/Laplace 変換による解の吟味/初期値問題の解の一意性/単振動の方程式の場合

出典: フリー教科書『ウィキブックス(Wikibooks)』

の解の一意性を示すのは簡単である. である.前項と同様に考えて,

(3.14)

の解が に限ることをいえばよい.いまこの系のエネルギーを考える:

これが保存されることは物理的にみて明らか[1]である.事実,微分すると,

式 (3.14) を考慮すると,

[2]

となる.よって

を得,再び式 (3.14) の初期条件を思い起こすと, であることが分かる[3]. すなわち,

[4]

この技法をエネルギーの方法といい,偏微分方程式の解の一意性を示す場合などにも使われる.


  1. ^ エネルギー保存則が実際成立することは次の式変形で示される. ばね定数 ,自然長からの変位が であるバネの保有するエネルギーは
  2. ^ より
  3. ^
  4. ^ すなわち,


    この解は
    より