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労働安全衛生規則第22条

出典: フリー教科書『ウィキブックス(Wikibooks)』

コンメンタール労働安全衛生規則)(

条文

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(衛生委員会の付議事項)

第22条
  1. 法第18条第1項第4号の労働者の健康障害の防止及び健康の保持増進に関する重要事項には、次の事項が含まれるものとする。
    1. 衛生に関する規程の作成に関すること。
    2. 法第28条の2第1項の危険性又は有害性等の調査及びその結果に基づき講ずる措置のうち、衛生に係るものに関すること。
    3. 安全衛生に関する計画(衛生に係る部分に限る。)の作成、実施、評価及び改善に関すること。
    4. 衛生教育の実施計画の作成に関すること。
    5. 法第57条の3第1項及び第57条の4第1項の規定により行われる有害性の調査並びにその結果に対する対策の樹立に関すること。
    6. 法第65条第1項又は第5項の規定により行われる作業環境測定の結果及びその結果の評価に基づく対策の樹立に関すること。
    7. 定期に行われる健康診断、法第66条第4項の規定による指示を受けて行われる臨時の健康診断、法第66条の2の自ら受けた健康診断及び法に基づく他の省令の規定に基づいて行われる医師の診断、診察又は処置の結果並びにその結果に対する対策の樹立に関すること。
    8. 労働者の健康の保持増進を図るため必要な措置の実施計画の作成に関すること。
    9. 長時間にわたる労働による労働者の健康障害の防止を図るための対策の樹立に関すること。
    10. 労働者の精神的健康の保持増進を図るための対策の樹立に関すること。
    11. 厚生労働大臣、都道府県労働局長、労働基準監督署長、労働基準監督官又は労働衛生専門官から文書により命令、指示、勧告又は指導を受けた事項のうち、労働者の健康障害の防止に関すること。

解説

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  • ア  事業場における安全衛生水準の向上には、事業場トップ及び労働災害防止の当事者であり現場を熟知している労働者が参画する安全衛生委員会等の活性化が必要であることから、衛生委員会の調査審議事項に、危険性又は有害性等の調査等のうち衛生に係るものに関すること、並びに安全衛生に関する計画(衛生に係る部分に限る。)の作成、実施、評価及び改善に関することが含まれることとしたこと。
  • イ  第9号は、脳・心臓疾患の労災認定件数が高い水準で推移しており、事業場において労使が協力して長時間労働による健康障害の防止対策を推進する重要性が増していることから、衛生委員会等の付議事項として、「長時間にわたる労働による労働者の健康障害の防止を図るための対策の樹立に関すること」を明記したものであること。
    なお、この対策の樹立に関することには、
    1. 長時間にわたる労働による労働者の健康障害の防止対策の実施計画の策定等に関すること
    2. 面接指導等の実施方法及び実施体制に関すること
    3. 労働安全衛生規則第52条の3第1項及び第52条の8第3項に規定する労働者の申出が適切に行われるための環境整備に関すること
    4. 面接指導等の申出を行ったことにより当該労働者に対して不利益な取扱いが行われることがないようにするための対策に関すること
    5. 第52条の8第2項第2号に規定する事業場で定める必要な措置に係る基準の策定に関すること
    6. 事業場における長時間労働による健康障害の防止対策の労働者への周知に関すること
      が含まれること。
  • ウ  第10号は、精神障害等の労災認定件数が増加しており、事業場において労使が協力してメンタルヘルス対策を推進する重要性が増していることから、衛生委員会等の付議事項として、第8号とは別に、「労働者の精神的健康の保持増進を図るための対策の樹立に関すること」を明記したこと。
    なお、この対策の樹立に関することには、
    1. 事業場におけるメンタルヘルス対策の実施計画の策定等に関すること
    2. 事業場におけるメンタルヘルス対策の実施体制の整備に関すること
    3. 労働者の精神的健康の状況を事業者が把握したことにより当該労働者に対して不利益な取扱いが行われるようなことがないようにするための対策に関すること
    4. 労働者の精神的健康の状況に係る健康情報の保護に関すること
    5. 事業場におけるメンタルヘルス対策の労働者への周知に関すること
      が含まれること。
  • エ  衛生委員会等において長時間労働による健康障害防止対策、メンタルヘルス対策について調査審議するに当たっては、医学的及び専門的な見地からの意見が重要であり、その構成員である産業医や衛生管理者の積極的な関与が必要であることから、事業場においては、産業医や衛生管理者について、その適正な選任はもとより、衛生委員会等への出席の徹底を図り、その役割が適切に果たされる必要があること。また、衛生委員会等において調査審議を行った結果、一定の事項について結論を得た場合については、これに基づいて着実に対策を実施するなど、事業者はこの結論を当然に尊重すべきものであること。
  • オ  常時50人以上の労働者を使用する事業場以外の事業場においては、衛生委員会等の調査審議に替え、労働安全衛生規則第23条の2の関係労働者の意見を聴くための機会を利用して、長時間労働による健康障害防止対策やメンタルヘルス対策について労働者の意見を聴取するように努め、その意見を踏まえつつこれらの対策を樹立することが必要であること。また、衛生に係るこれらの対策の担当者として衛生推進者又は安全衛生推進者の活用に努めることも必要であること。

参照条文

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  • 労働安全衛生法第18条(衛生委員会)
  • 労働安全衛生法第28条の2(事業者の行うべき調査等)
  • 労働安全衛生法第57条の3、第57条の4(化学物質の有害性の調査)
  • 労働安全衛生法第65条(作業環境測定)
  • 労働安全衛生法第66条(健康診断)
  • 労働安全衛生法第66条の2(自発的健康診断の結果の提出)
  • 労働安全衛生法第66条の9(面接指導等)
  • 労働安全衛生規則第52条の3(面接指導の実施方法等)
  • 労働安全衛生規則第52条の8(法第66条の9に規定する必要な措置の実施)
  • 労働安全衛生規則第23条の2(関係労働者の意見の聴取)
  • 労働安全衛生規則の一部を改正する省令の施行について(昭和53年02月10日付け基発第78号)
  • 労働安全衛生法等の一部を改正する法律(労働安全衛生法関係)等の施行について(平成18年02月24日付け基発第224003号)
  • 労働安全衛生法施行令及び厚生労働省組織令の一部を改正する政令等の施行について(化学物質等の表示及び危険性又は有害性等の調査に係る規定等関係)(平成27年08月03日付け基発第803002号)
  • 有機溶剤中毒予防規則第29条から第31条まで(健康診断)
  • 特定化学物質障害予防規則第39条から第42条まで(健康診断)
  • 電離放射線障害防止規則第56条から第59条まで(健康診断)
  • 東日本大震災により生じた放射性物質により汚染された土壌等を除染するための業務等に係る電離放射線障害防止規則第20条から第25条まで(健康診断)
  • 炭鉱災害による一酸化炭素中毒症に関する特別措置法施行規則