コンテンツにスキップ

労働組合法第15条

出典: フリー教科書『ウィキブックス(Wikibooks)』

コンメンタール労働組合法

条文

[編集]

(労働協約の期間)

第15条 
  1. 労働協約には、3年をこえる有効期間の定をすることができない。
  2. 3年をこえる有効期間の定をした労働協約は、3年の有効期間の定をした労働協約とみなす。
  3. 有効期間の定がない労働協約は、当事者の一方が、署名し、又は記名押印した文書によつて相手方に予告して、解約することができる。一定の期間を定める労働協約であつて、その期間の経過後も期限を定めず効力を存続する旨の定があるものについて、その期間の経過後も、同様とする。
  4. 前項の予告は、解約しようとする日の少くとも90日前にしなければならない。

解説

[編集]

参照条文

[編集]

判例

[編集]
  1. 亜細亜通信社解雇(東京地方裁判所判決 昭和45年06月23日)
    1. 労働協約における自動更新条項の有効性
      労働協約において自動更新条項は有効である。
      • 協約の期間満了ごとにあらためて同一内容の新協約を締結する手続を省くため、期間満了前に当事者の一方から改訂または解約申入れがない限り、旧協約の効力を同一期間何回でも更新させるという趣旨に、いずれか一方を不当に不利にさせる要因はない。
    2. 労働協約が自動更新により有効になっても労働組合法第15条により3年の期間満了とともに失効するか。
      労働協約の自動更新が、改訂・解約の機会を期間内維持して有効になっていれば、労働組合法第15条により3年の期間満了に抵触しない。
      労働組合法第15条が労働協約の有効期間を3年に限つた趣旨は、労働協約締結当時予想しえなかつた社会経済状態の変化によりその協約が新たな状態に適合しえなくなつたような場合にもこれがなお関係者を拘束するというような事態をなるべく避けようとすることにあると解されるから、ひとしく自動更新とはいつても、改訂も解約もなしうる方途のないまま無期限に更新を繰り返すのではなく、有効期間1カ年満了の1カ月前までに当事者の一方から改訂または解約の申入れがあればこれによつて自動更新を阻止し協約を失効せしめうることとしている本件労働協約の場合は、労働組合法第15条に牴触しない。

前条:
第14条
(労働協約の効力の発生)
労働組合法
第3章 労働協約
次条:
第16条
(基準の効力)
このページ「労働組合法第15条」は、まだ書きかけです。加筆・訂正など、協力いただける皆様の編集を心からお待ちしております。また、ご意見などがありましたら、お気軽にトークページへどうぞ。