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労働組合法第16条

出典: フリー教科書『ウィキブックス(Wikibooks)』

労働組合法

条文

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(基準の効力)

第16条 
労働協約に定める労働条件その他の労働者の待遇に関する基準に違反する労働契約の部分は、無効とする。この場合において無効となった部分は、基準の定めるところによる。労働契約に定がない部分についても、同様とする。

解説

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参照条文

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判例

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  1. 賃金(最高裁判決 平成1年12月14日)民法第90条,労働基準法第39条,労働基準法第65条,労働基準法第66条,労働基準法第67条,労働基準法第68条,労働基準法第76条,労働組合法第2章,労働組合法第14条,憲法第28条
    前年の稼働率によって従業員を翌年度の賃金引上げ対象者から除外する旨の労働協約条項の一部が公序に反し無効とされた事例
    すべての原因による不就労を基礎として算出した前年の稼働率が80パーセント以下の従業員を翌年度のベースアップを含む賃金引上げの対象者から除外する旨の労働協約条項は、そのうち労働基準法又は労働組合法上の権利に基づくもの以外の不就労を稼働率算定の基礎とする部分は有効であるが、右各権利に基づく不就労を稼働率算定の基礎とする部分は公序に反し無効である。
  2. 地位確認、社宅明渡(最高裁判決 平成9年03月27日)
    一部の組合員の定年及び退職金支給基準率を不利益に変更する労働協約の規範的効力が認められた事例
    定年の改定及び退職金支給基準率の変更を主たる内容とする労働協約に定められた基準を右協約締結当時53歳であった組合員甲に適用すると、甲は、定年が63歳から57歳に、退職金支給基準率が71.0から51.0に引き下げられるという不利益を受けることになる場合であっても、甲が雇用されていた会社には、定年が63歳の従業員と55歳の従業員とがあり、定年の統一が長年の懸案事項であったところ、会社は、右協約締結の数年前から経営危機に陥り、定年の統一と退職金算定方法の改定を会社再建のための重要な施策と位置付けて組合との交渉を重ね、組合も、その決議機関における討議のほか、組合員による職場討議や投票等も行った上で右協約の締結に至ったものであり、右組合員の63歳という従前の定年は、特殊な事情に由来する当時としては異例のものであって、右協約に定められた定年や退職金支給基準率は、当時の業界の水準と対比して低水準のものとはいえないなど判示の事実関係の下においては、甲に対する右協約の規範的効力を否定する理由はない。
  3. 賃金請求控訴,同附帯控訴事件(最高裁判決 平成13年03月13日)労働組合法第14条
    労働組合と使用者との間の労働条件その他に関する合意で書面の作成がなく又は作成した書面に両当事者の署名及び記名押印がないものの労働協約としての規範的効力
    労働組合と使用者との間の労働条件その他に関する合意は,書面に作成され,かつ,両当事者がこれに署名し又は記名押印しない限り,労働協約としての規範的効力を生じない。

前条:
第15条
(労働協約の期間)
労働組合法
第3章 労働協約
次条:
第17条
(一般的拘束力)
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