国家公務員法第82条
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条文
[編集](懲戒の場合)
- 第82条
- 職員が次の各号のいずれかに該当する場合には、当該職員に対し、懲戒処分として、免職、停職、減給又は戒告の処分をすることができる。
- この法律若しくは国家公務員倫理法又はこれらの法律に基づく命令(国家公務員倫理法第5条第3項の規定に基づく訓令及び同条第4項の規定に基づく規則を含む。)に違反した場合
- 職務上の義務に違反し、又は職務を怠つた場合
- 国民全体の奉仕者たるにふさわしくない非行のあつた場合
- 職員が、任命権者の要請に応じ特別職に属する国家公務員、地方公務員又は沖縄振興開発金融公庫その他その業務が国の事務若しくは事業と密接な関連を有する法人のうち人事院規則で定めるものに使用される者(以下この項において「特別職国家公務員等」という。)となるため退職し、引き続き特別職国家公務員等として在職した後、引き続いて当該退職を前提として職員として採用された場合(一の特別職国家公務員等として在職した後、引き続き一以上の特別職国家公務員等として在職し、引き続いて当該退職を前提として職員として採用された場合を含む。)において、当該退職までの引き続く職員としての在職期間(当該退職前に同様の退職(以下この項において「先の退職」という。)、特別職国家公務員等としての在職及び職員としての採用がある場合には、当該先の退職までの引き続く職員としての在職期間を含む。以下この項において「要請に応じた退職前の在職期間」という。)中に前項各号のいずれかに該当したときは、当該職員に対し、同項に規定する懲戒処分を行うことができる。定年前再任用短時間勤務職員が、年齢60年以上退職者となつた日までの引き続く職員としての在職期間(要請に応じた退職前の在職期間を含む。)又は第60条の2第1項の規定によりかつて採用されて定年前再任用短時間勤務職員として在職していた期間中に前項各号のいずれかに該当したときも、同様とする。
解説
[編集]- 公務員に対する懲戒処分について、懲戒権者は、諸般の事情を考慮して、懲戒処分をするか否か、また、懲戒処分をする場合にいかなる処分を選択するかを決定する裁量権を有しており、その判断は、それが社会観念上著しく妥当を欠いて裁量権の範囲を逸脱し、又はこれを濫用したと認められる場合に、違法となるものと解される。
参照条文
[編集]地方公務員法
- 地方公務員法第29条
- 第1項
- 職員が次の各号の一に該当する場合においては、これに対し懲戒処分として戒告、減給、停職又は免職の処分をすることができる。
- この法律若しくは第57条に規定する特例を定めた法律又はこれに基く条例、地方公共団体の規則若しくは地方公共団体の機関の定める規程に違反した場合
- 職務上の義務に違反し、又は職務を怠つた場合
- 全体の奉仕者たるにふさわしくない非行のあつた場合
判例
[編集]- 行政処分無効確認等、附帯(最高裁判決 昭和52年12月20日) 本条(ただし、昭和40年法律第69号にる改正前のもの)8、国家公務員法98条1項/同(昭和40年法律第69号にる改正前のもの)5項、国家公務員法(昭和40年法律第69号にる改正前のもの)84条、国家公務員法(昭和40年法律第69号にる改正前のもの)101条1項、人事院規則14-1(昭和24年5月9日施行)3項、行政事件訴訟法30条
- 職員の行為が国家公務員法(昭和40年法律第69号による改正前のもの)98条5項に違反する場合と同法98条1項、101条1項、人事院規則14-1第3項違反
- 職員の行為が(昭和40年法律第69号による改正前のもの)98条5項に違反する場合と同法98条1項、101条1項、人事院規則14-1第3項の違反となることを妨げられない。
- 公務員に対する懲戒処分の適否に関する裁判所の審査
- 裁判所が懲戒権者の裁量権の行使としてされた公務員に対する懲戒処分の適否を審査するにあたつては、懲戒権者と同一の立場に立つて懲戒処分をすべきであつたかどうか又はいかなる処分を選択すべきであつたかについて判断し、その結果と右処分とを比較してその軽重を論ずべきものではなく、それが社会観念上著しく妥当を欠き裁量権を濫用したと認められる場合に限り違法と判断すべきものである。
- 争議行為等の禁止規定違反などを理由としてされた税関職員に対する懲戒免職処分が裁量権の範囲を超えこれを濫用したものとはいえないとされた事例
- 勤務時間内の職場集会、繁忙期における怠業、超過勤務の一せい拒否等の争議行為に参加しあるいはこれをあおりそそのかしたことが国家公務員法の争議行為等の禁止規定に違反するなどの理由でされた税関職員に対する懲戒免職処分は、右職場集会が公共性の極めて強い税関におけるもので職場離脱が職場全体で行われ当局の再三の警告、執務命令を無視して強行されたこと、右怠業が業務処理の妨害行為を伴いその遅延により業者に迷惑を及ぼしたこと、右超過勤務の一せい拒否が職場全体に及び業者からも抗議が出ていたこと、職員に処分の前歴があることなど判示のような事情のもとでは、社会観念上著しく妥当を欠くものとはいえず、懲戒権者に任された裁量権の範囲を超えこれを濫用したものと判断することはできない。
- 職員の行為が国家公務員法(昭和40年法律第69号による改正前のもの)98条5項に違反する場合と同法98条1項、101条1項、人事院規則14-1第3項違反
関連判例
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