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将棋/▲2六歩/△8四歩

出典: フリー教科書『ウィキブックス(Wikibooks)』
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2手目△8四歩まで

互いに飛車先を突く出だし。▲2五歩と突くと△8五歩で相掛かり模様となる。また▲7六歩と突くと角換わり模様となる。

ただしそれぞれの場合において、後手が△6二銀と上がるとやや力戦的な展開になる。先手が▲4八銀と上がった場合も同様である。

▲2五歩

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△8五歩

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以下は、①▲2四歩と仕掛ける将棋/5手爆弾か、②▲7八金△3二金、もしくは③▲7八銀で、耀龍ひねり飛車などを狙う。一般的には②の▲7八金とする。

2000年代までは、▲7八金△3二金と進んだら、その次の手は圧倒的に▲2四歩である。2000年代以降は、▲1六歩、▲7六歩の他、▲3八銀、▲4八銀、▲6九玉、▲9六歩、▲5八金など、後で▲2四歩とするタイミングをみる指し方が主流となった。

早く▲2四歩△同歩▲同飛△2三歩であれば、▲2六飛もしくは▲2八飛。

そのあとも、後手には△7二银や△6二银がある。2000年代からは、△7二银が受けに強いことで、こちらの指し手の採用が多くなる。ただし、塚田スペシャル等で、▲6四飛から飛車切の際に、△6二银型の▲6二飛成△同金のほうが、△7二银型の▲6一飛成△同銀よりも後手陣が固い。

▲2六飛△7二银には、『羽生の頭脳』8、「最新のヒネリ飛車」によると、ここからも①▲9六歩もしくは②▲1六歩に指し手が分岐する。


①▲9六歩

(1)▲9六歩に△3四歩ならば、以下先手がひねり飛車にするとすれば、▲3六飛が生じる。以下△3三金▲7六歩で、飛車先を切らさない▲7七角や▲7五歩~6八銀~7七銀~7六銀~7七桂から、△8五の歩をとってしまう、などの手段が生じるので、△8六歩とくる。以下は▲同步△同飛に▲7七桂とし、△8二飛▲7五歩△9四歩▲4八玉と進むと、

後手△4二玉では、▲3八銀△6四歩なら▲9七角で、▲7四歩から▲6四角を狙うが、
  1. △6三银には、▲8六飛△8四步…以下これからの将棋。
  2. △9五歩には、▲同歩は△8九飛成▲8八角△9八歩。したがって▲7四歩に△8九飛成▲7三歩成△同桂▲7四歩△8五桂▲同桂△7七歩▲6八金△9六歩▲8六飛…以下先手が勝勢になっていく。
後手△4一玉ならは、▲3八銀△4二銀で、4二玉と違い中央をケアできる。
  1. ▲9七角には△9五歩▲8六飛でも、△8五歩▲同飛△同飛▲同桂△9六歩▲8八角△9七歩成…と、矢継ぎ早に攻めを食らう。△6四歩がないので、角の飛び出しもできない
  2. ▲8五歩として、△6四歩▲7六飛…でおさめる。▲8六飛△8三歩もある。

(2)▲9六歩で△3四歩であると、▲3六飛△3三金以下ひねり飛車にしやすくまた主導権をとりやすく、先手がありがたい、したがってここでは△1四步の応手が多くなった。

▲1六歩とすれば、以下△6四歩▲7六步で、
  1. △8六歩であれば▲同歩△同飛▲7七桂で、ひねり飛車に…
  2. △3四歩があり、ここで▲2四歩は△8八角成▲同銀△3五角…
  3. △3四歩に▲3六飛であると△6三銀があり、▲3四飛の縦歩取りならば、△8八角成▲同銀△2五角▲3二飛成△同飛▲3八銀△2二銀…縦歩取っても、先手得になっていない。
▲7六歩のほうが、以下△8六歩▲同步△同飛に、▲7七桂。ここで△8二飛はひねり飛車にしたときに1手得になる。したがって、▲7七桂以下△4二銀▲4八玉△9四歩▲3八銀△4一玉▲1六歩 で、
  1. △6四歩には、▲2四歩△同歩▲同飛△6三銀▲1五歩△同歩▲1四歩…で、先手調子がいい。
  2. △3一玉には▲2五飛と浮き、以下△8二飛▲1五歩△同歩▲1四歩△7四歩▲1五飛…で、先手調子がいい。
  3. △3四歩が厄介で、同じように▲2五飛△8二飛▲1五歩△同歩▲1四歩には、△3三角がある。ここで▲3六飛でも、△4四角として縦歩を取らせる順がある。以下▲3四飛に△9五歩▲同歩△8七歩▲9七角△7六飛▲8七金△7四飛…やはり、縦歩取っても、先手得になっていない。
▲3六飛(ネコ式縦歩取り)もある。『羽生の頭脳』では解説がない。


②▲1六歩

『羽生の頭脳』では▲2六飛△7二银型であれば、▲1六歩は▲9六歩に比べ、△3四歩よりも△1四歩のほうが良く、以下▲3八銀にも後手は△7四歩か△6四歩(△6二銀型なら△5四歩もある)と、指し手が限定されるとみている。

(1)▲1六歩に、以下△3四歩ならば▲1五歩となり、以下△4二玉▲3八銀△6四歩▲7六歩から、▲3六歩-3七桂型にしてから、▲3五歩△同歩▲1五歩△同歩▲1三歩△同香▲2五桂…で、攻撃が続く。

(2)▲1六歩に、以下△1四歩ならば、▲3八銀とし、後手の指し手が難しい。

△3四歩ならば▲3六飛△3三金▲7六歩で、後手から飛車先の歩を切る必要があるひねり飛車に持っていくことができている。

△4一玉ならば▲4六歩から腰掛銀に持ち込む手もある。相手が腰掛銀で対抗しようとしても、△4一玉型はバランスが良くない。

△4二銀ならば▲2七銀からの棒銀などで、局面をリードできる。

△6四歩には▲7六歩△8六歩▲同步△同飛に、▲9六歩。

この▲9六歩に△9四歩なら、▲7七桂としてひねり飛車を志向でき、以下は△4二銀▲4八玉△8二飛(△4一玉であると▲2四歩から▲2五飛がある)▲7五歩△4一玉▲8五歩(▲9七角には△9四歩が成立している)△6三银▲7六飛△3四歩▲6八銀△3一玉▲3九玉△3三角 に、

▲6六歩として、▲6五歩からの仕掛けを狙う。以下、△2二玉▲6七銀△7二金▲5六銀△5四银▲9七角△6三金 で、
  1. ▲4六歩△4四歩▲8六飛…で、これからの戦い。
  2. ▲6八金△4四歩▲4六歩…で、これからの戦い。
▲5六歩もあり、以下、△2二玉▲2八玉△7二金▲5七銀△4四歩▲3六歩 で、
  1. △8三金▲4六銀△7四步…で、これからの戦い。
  2. △4五歩▲4八銀△5四銀…で、これからの戦い。

▲9六歩にもどって、以下、△6三银ならば▲7七桂△8二飛▲7五歩△3四歩▲4八玉 で、

△4一玉ならば、▲9七角△4二銀(端歩を突いていないので、△8九飛成はない)に、▲8六歩△8五歩▲3六飛(▲同飛△同飛▲同桂は△9九角成)…で、主導権を握る。
△4二玉ならば、▲7六飛。以下△4四步 で、
  1. ▲8五歩△4五歩▲6八銀…以下、固め合いになると、先手の得がない。
  2. ▲4六歩△4三金▲8五歩…で、これからの戦い。
△4二玉▲3六飛には、△4四角で、▲3四飛には△7四歩や△3五歩などで、先手の得がない。


△3二金

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五手爆弾をあらかじめ避ける意味で早めに金をあがって相手の飛車先をケアする。升田幸三はこちらを愛用していた。

△1四歩

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1991年5月27日、第25回早指し選手権戦予選、酒井順吉 対 児玉孝一 戦で、指されている。

▲7六歩

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相掛かりのほか、角換わりや横歩取りなども視野にいれている。

▲7八金

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1982年11月の十段戦、中原誠 対 加藤一二三 戦など、9局ある。後手の応手は△3二金もしくは△8五歩。

▲6八玉

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1770年に指されたとされる、桑原君仲 対 川崎八十八 戦で採用されているが、この一戦で桑原が指した初手▲2六歩が、初手で▲2六歩を指した棋譜が残るもので最初のものとされている。

対局のほうは▲6八玉△8五歩に▲7八玉としている。

▲9六歩

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1984年10月30日、第33期王座戦一次予選決勝 安恵照剛 対 島朗 戦他、5局ほどある。 後手の応手は△8五歩や△1四歩。

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