戸籍法第10条の2

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法学民事法コンメンタール戸籍法

条文[編集]

【第三者による戸籍謄本等の交付請求】

第10条の2
  1. 前条第1項に規定する者以外の者は、次の各号に掲げる場合に限り、戸籍謄本等の交付の請求をすることができる。この場合において、当該請求をする者は、それぞれ当該各号に定める事項を明らかにしてこれをしなければならない。
    一 自己の権利を行使し、又は自己の義務を履行するために戸籍の記載事項を確認する必要がある場合 権利又は義務の発生原因及び内容並びに当該権利を行使し、又は当該義務を履行するために戸籍の記載事項の確認を必要とする理由
    二 国又は地方公共団体の機関に提出する必要がある場合 戸籍謄本等を提出すべき国又は地方公共団体の機関及び当該機関への提出を必要とする理由
    三 前二号に掲げる場合のほか、戸籍の記載事項を利用する正当な理由がある場合 戸籍の記載事項の利用の目的及び方法並びにその利用を必要とする事由
  2. 前項の規定にかかわらず、国又は地方公共団体の機関は、法令の定める事務を遂行するために必要がある場合には、戸籍謄本等の交付の請求をすることができる。この場合において、当該請求の任に当たる権限を有する職員は、その官職、当該事務の種類及び根拠となる法令の条項並びに戸籍の記載事項の利用の目的を明らかにしてこれをしなければならない。
  3. 第1項の規定にかかわらず、弁護士(弁護士法人を含む。次項において同じ。)、司法書士(司法書士法 人を含む。次項において同じ。)、土地家屋調査士(土地家屋調査士法 人を含む。次項において同じ。)、税理士(税理士法人を含む。次項において同じ。)、社会保険労務士(社会保険労務士法 人を含む。次項において同じ。)、弁理士(特許業務法人を含む。次項において同じ。)、海事代理士又は行政書士(行政書士法 人を含む。)は、受任している事件又は事務に関する業務を遂行するために必要がある場合には、戸籍謄本等の交付の請求をすることができる。この場合において、当該請求をする者は、その有する資格、当該業務の種類、当該事件又は事務の依頼者の氏名又は名称及び当該依頼者についての第一項各号に定める事項を明らかにしてこれをしなければならない。
  4. 第1項及び前項の規定にかかわらず、弁護士、司法書士、土地家屋調査士、税理士、社会保険労務士又は弁理士は、受任している事件について次に掲げる業務を遂行するために必要がある場合には、戸籍謄本等の交付の請求をすることができる。この場合において、当該請求をする者は、その有する資格、当該事件の種類、その業務として代理し又は代理しようとする手続及び戸籍の記載事項の利用の目的を明らかにしてこれをしなければならない。
    一 弁護士にあつては、裁判手続又は裁判外における民事上若しくは行政上の紛争処理の手続についての代理業務(弁護士法人については弁護士法 (昭和24年法律第205号)第30条の6第1項 各号に規定する代理業務を除く。)
    二 司法書士にあつては、司法書士法 (昭和25年法律第197号)第3条第1項第三号 及び第六号 から第八号 までに規定する代理業務(同項第七号 及び第八号 に規定する相談業務並びに司法書士法 人については同項第六号 に規定する代理業務を除く。)
    三 土地家屋調査士にあつては、土地家屋調査士法 (昭和25年法律第228号)第3条第1項第二号 に規定する審査請求の手続についての代理業務並びに同項第四号 及び第七号 に規定する代理業務
    四 税理士にあつては、税理士法 (昭和26年法律第237号)第2条第1項第一号 に規定する不服申立て及びこれに関する主張又は陳述についての代理業務
    五 社会保険労務士にあつては、社会保険労務士法 (昭和43年法律第89号)第2条第2項第一号の三 に規定する審査請求、異議申立て及び再審査請求並びにこれらに係る行政機関等の調査又は処分に関し当該行政機関等に対してする主張又は陳述についての代理業務並びに同項第一号の四 から第一号の六 までに規定する代理業務(同条第三項第一号 に規定する相談業務を除く。)
    六 弁理士にあつては、弁理士法 (平成12年法律第49号)第4条第1項 に規定する特許庁における手続(不服申立てに限る。)、異議申立て及び裁定に関する経済産業大臣に対する手続(裁定の取消しに限る。)についての代理業務、同条第二項第一号 に規定する税関長又は財務大臣に対する手続(不服申立てに限る。)についての代理業務、同項第二号 に規定する代理業務、同法第六条 に規定する訴訟の手続についての代理業務並びに同法第六条の二第一項 に規定する特定侵害訴訟の手続についての代理業務(特許業務法人については同法第六条 に規定する訴訟の手続についての代理業務及び同法第六条の二第一項 に規定する特定侵害訴訟の手続についての代理業務を除く。)
  5. 第1項及び第3項の規定にかかわらず、弁護士は、刑事に関する事件における弁護人としての業務、少年の保護事件若しくは心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の医療及び観察等に関する法律 (平成15年法律第110号)第3条 に規定する処遇事件における付添人としての業務、逃亡犯罪人引渡審査請求事件における補佐人としての業務、人身保護法 (昭和23年法律第199号)第14条第2項 の規定により裁判所が選任した代理人としての業務、人事訴訟法 (平成15年法律第109号)第13条第2項 及び第3項 の規定により裁判長が選任した訴訟代理人としての業務又は民事訴訟法 (平成8年法律第109号)第35条第1項 に規定する特別代理人としての業務を遂行するために必要がある場合には、戸籍謄本等の交付の請求をすることができる。この場合において、当該請求をする者は、弁護士の資格、これらの業務の別及び戸籍の記載事項の利用の目的を明らかにしてこれをしなければならない。
  6. 前条第3項の規定は、前各項の請求をしようとする者について準用する。

解説[編集]

戸籍法第10条の本人等以外がその者の戸籍謄抄本等を取得することができる場合を規定している。

第三者が請求する場合(第10条の2第1項)[編集]

本人以外の者であって、後述する国や地方公共団体、弁護士など認められた士業者に該当しないものが、その者の戸籍謄抄本等を請求することができる場合が規定されている。次の3つの場合である。

  1. 自己の権利を行使し、又は自己の義務を履行するために戸籍の記載事項を確認する必要がある場合
  2. 国又は地方公共団体の機関に提出する必要がある場合
  3. 前二号に掲げる場合のほか、戸籍の記載事項を利用する正当な理由がある場合
例えば兄弟が死亡し、その財産を相続する際に被相続人の戸籍を取得する必要がある場合など、直系尊属または直系卑属にあたらない者がその権利行使に戸籍が必要な場合に適用できる。
また、債務者が死亡してしまった場合に、その貸付金を回収するために債務者の相続人を調査する必要がある場合なども、その事実を説明することで戸籍謄抄本等を取得することができる。

国または地方公共団体の機関が請求する場合(第10条の2第2項)[編集]

前項の規定にかかわらず、国や地方公共団体は、法令の定める事務を遂行するために必要がある場合には、戸籍謄本等の交付の請求をすることができる。 請求する場合は、事務の種類及び根拠となる法令の条項並びに戸籍の記載事項の利用の目的を明らかにする必要がある。

生活保護を申請した者に扶養義務者がいないかを調査する場合や地籍調査の立会人を探す場合などがあげられる。

「国又は地方公共団体の機関」の範囲[編集]

この規定における、「国又は地方公共団体の機関」とは、国の各省庁、国会、検察庁、裁判所、地方公共団体の執行部門、議会などのことを指す。また、「独立行政法人」は独立行政法人法によって設立された法人であり、公共性が高いといえるが、国又は地方公共団体とは別人格を形成するから「国又は地方公共団体の機関」とはならない。
ただし、「日本年金機構」などのように厚生労働大臣の代わりに事務処理を行っている団体であれば、「国又は地方公共団体の機関」とはいえなくとも請求することができる。

弁護士等が請求する場合(第10条の2第3項、4項、5項)[編集]

弁護士、司法書士、土地家屋調査士、税理士、社会保険労務士、弁理士、海事代理士又は行政書士は、依頼された事件又は事務の遂行に必要がある場合には、戸籍謄本等の交付の請求をすることができる。

郵送請求(第10条の2第6項)[編集]

第三者、国または地方公共団体の機関、弁護士等は、郵便などによって戸籍謄抄本等を請求できる。

参照条文[編集]


前条:
戸籍法第10条
【謄本・抄本の請求】
戸籍法
第4章 届出
第1節 通則
次条:
戸籍法第10条の3
【交付請求の際の本人確認】
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