料理本/海南鶏飯
海南鶏飯 | |
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カテゴリ | 米料理 |
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海南鶏飯(ハイナンジーファン)は、ポーチしたチキンと味のついたご飯を、チリソースと添えられたキュウリと一緒に食べるシンガポールの国民食の一つです。中国海南省出身の華僑が、海南料理の文昌鶏(ぶんしょうけい)と文昌鶏飯(ぶんしょうけいはん)をアレンジして作ったのが始まりと言われています。
歴史
[編集]海南鶏飯は、中国海南省出身の華僑が持ち込んだ料理が発展したものです。文昌鶏と呼ばれる海南島の名物料理がベースとなっており、清朝の時代から続く海南四大名物の一つとされています。
この海南の郷土料理が、マレー半島一帯(現在の東南アジア)に移住してきた海南系華僑によってアレンジされました。本来海南では文昌鶏という特定の鶏種が使われていましたが、華僑の人々は手頃に手に入る鶏を使い、残ったゆで汁でご飯を炊き、海南島で食べられていた「文昌鶏飯」を作っていました。
シンガポールでは1940年代頃まで、文昌鶏飯は特別な日の料理として家庭で食べられていました。
シンガポールでの海南鶏飯の歴史には諸説ありますが、第二次世界大戦中の日本占領下でイギリス人が撤退したことにより、職を失った海南籍の使用人たちが始めた屋台飯が起源ではないかと言われています。
現在では海南鶏飯はシンガポールの国民食として広く親しまれており、屋台やレストラン、ホテルなど様々な場所で食べることができます。また、マレーシア、タイ、ベトナムなど、東南アジア各国でも海南鶏飯を見ることができます。
論争
[編集]実は、海南鶏飯の発祥地をめぐっては、シンガポールとマレーシアの間で長年論争があります。2009年にはマレーシアの観光大臣が「海南鶏飯はマレーシア独自の料理」と発言し、物議を醸しました。
この論争は「美食ナショナリズム」と呼ばれる、自国の食文化に対する愛国心を背景にしたものと考えられています。
レシピ
[編集]材料
[編集]鶏肉とスープ
[編集]ご飯
[編集]ソース
[編集]チリソース
[編集]作り方
[編集]- 鶏肉の調理:
- 大きな鍋に水を入れ、塩、生姜、ネギ、ニンニクを加えて沸騰させます。
- 沸騰したら鶏もも肉を入れ、再度沸騰させます。その後、中火にして30分間茹でます。
- 鶏肉が茹で上がったら取り出し、氷水に浸けて冷まします。
- ご飯の調理:
- フライパンに油を熱し、生姜とニンニクを香りが出るまで炒めます。
- 米を加えて炒め、全体に油が回ったら炊飯器に移します。
- 鶏のスープを加え、通常通りに炊きます。
- ソースの準備:
- 小鍋に醤油、砂糖、オイスターソース、ごま油を入れて軽く温めます。
- チリソースの準備:
- ボウルに赤唐辛子、ニンニク、生姜を入れ、酢、砂糖、塩を加えて混ぜます。
- 盛り付け:
- 鶏肉をスライスし、ご飯の上に載せます。
- ソースをかけ、チリソースを添えてください。
- お好みでキュウリやトマトなどの野菜を添えると彩りが良くなります。
バリエーション
[編集]海南鶏飯は東南アジア各国でアレンジされ、少しずつ違った特徴を持っています。
- マレーシア:ナシ・アヤム(nasi ayam)と呼ばれ、ローストチキンやフライドチキンなどバリエーションが豊富です。
- タイ:カオ・マン・ガイ(khao man kai)と呼ばれ、鶏はタイの地鶏が使われることが多いです。
- ベトナム:コム・ガー・ハイナン(Cơm Gà Hải Nam)と呼ばれ、南ベトナムでよく食べられています。
- カンボジア:バイモアン(bay moan)と呼ばれ、漬物と一緒に屋台飯として食べられています。
どれも海南鶏飯をベースに、地元の食材や調味料を使ってアレンジされています。