東大対策/1985年国語第2問/解答の指針・解説

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大変古い出題ではあるが、『東大入試至高の国語「第二問」』において、冒頭から、「第二問」の典型として取り上げられている問題である。なお、この作者は、話題の金子みすずであり、出題当時は、いわゆる再発見の直後であった。

出題の意図や、特性の詳細については、機会を見つけて『東大入試至高の国語「第二問」』を参照いただきたいところであるが、ここでは、これを受験テクニック的に解答する指針について解説する。

問題を概観する[編集]

問題を解くに当たって、最初に、全体構成を眺める習慣をつけたほうがいい。これは、科目・出題形式を問わず全ての受験問題に共通することではあるが。

ざっと見る。「問題文」がある。「詩」が2つ掲げてある。

ここで、この2つの詩を材料に何かを書くのだなと想像する。一般に、材料が複数提示されている場合は、「対比して述べよ」という形式の出題であることが多いし、言外にその意を含んでいると考えても多くは間違えることはない。「対比する」とは、複数のものの、共通点と相違点を明確にすることと考えればよい。

「問題文」を読む[編集]

「問題文」を読む必要がある。これは大変重要である。「問題文を読む」ということは、求められているものは何かを理解し、解答の方向と構成を立てるという作業であるからである。

「次の二つの詩は同作者の作品である。 作者の見方、感じ方について、各自の感想を百六十字以上二〇〇字以内で記せ。」

この問題の、問題文はこれだけである。非常に短い。これをさっと読んで、「この詩の感想文を200字までで書くんだな」と理解すると、出題の意図を誤解しかねない。受験問題は採点されるものである。採点者にとって、分析的に判断できるように、すなわち、「このことと、このことについて記述されていれば得点」というように作成されているものであり、決して、印象により採点されるものではない。

「次の二つの詩は同作者の作品である。」
まず、同作者であることを言う。これは、出題者の意図で複数の材料をピックアップしたわけではなく、ある作者の思想・主観にかかるものであることを宣言している。しかし、このことは、「誰が」その作品の作者であるかの知識によって、解答が左右されることを意味しない。なお、受験において出題者は無個性であるから、作者が異なっていれば、一般的な客観に関する観察を問われる場合が多い。
「作者の見方、感じ方について、」
ざっと概観して、結局は「感想を書け」という問題だと合点してしまうと、この部分を見逃すことになる。
出題の意図は、これらの詩そのものではなく、これらの詩から読み取れる作者の主張に対する感想を書けということである。従って、まず求められるのは、これらの詩から、作者の主張(言いたいこと)を記述することである。
ここで、上記概観に記したことを思い出してほしい。材料が複数あるならば、まず、「対比」することにより分析することが求められる。すなわち、この二つの詩の共通する点は何か、相違する点は何かを、素材に即して記述するのである。
おそらくここまで、全体記述の2/3~3/4位が費やされるであろう。
「各自の感想を」
ここで、初めて「感想」が求められる。しかし、素材が詩であるからと言って、ここで「印象」を記述しては得点は難しい。あくまでも、「作者の見方、感じ方」について感想を書かなければならない。前提となる「作者の見方、感じ方」についての理解が十分であっても、それに基づいた「感想」が論理的につながっていないと減点の対象となる。
また、この場合の「感想」は、好悪の評価ではなく、受験者の主観による分析の再構成と考えたほうがよい。すなわち、「~がよいと思った」や「~が印象に残った」という記載ではなく、「~を作者は主張したいのであると考える」という作者になりかわったものが求められるということである。
再構成に当たっては、上記の分析を利用する。
一般的な方法としては、A、Bという分析対象があれば、共通点と各々の相違点を統合し、作者の主張を類推するという手法が有効である。
この部分が残りの1/4~1/3となる。
「百六十字以上二〇〇字以内で記せ。」
以上をふまえ、制限文字数で記述する。
分析に2/3~3/4を割く。そのうち1/4程度が共通点、残りが相違点の記述になる。
そうすると、概ね、①共通点の記述に40~50字、②相違点の記述に80~100字、③感想の記述に40~60字が費やされることになる。このことから、この問題は、「この2つの詩における作者が共通して言いたいことを50文字程度で述べよ」等の小問に還元されることが分かる。200字が限度の論述問題において、自由度はほとんどない。
なお、この問題の配点は20点であるが、①の記述に5点、②の記述に5点+α、③の記述に5点+α、残りが全体構成の得点であると予想される。なお、誤字は一般に一字につき1点減点されることは覚悟したほうがよい。自信のない漢字、特に、述語での使用は回避し、仮名で書く方がよい。

考える[編集]

次に、上の問題設定に即して考える。

素材を「対比する」。
  1. 「共通点」を探す。
    素材が異なっているのであるから、「相違」があるのは当たり前である。であるならば、最初に見つけなければならないのは、共通点である。
    本問においては、あるものに苦しんでいる存在(各々の雪、鰯)を描く点に共通が見られる。
  2. 「相違点」を探す。
    相違点といっても、ただ単に違っていることを指摘するのでは対比したことにならない。上で見つけた共通点に加え、各々を別個のものとしている特徴を指摘することが、相違点を探すことになる。あくまでも、イメージであるが、素材の概念のベン図を作るとき、共通点の記述はその重なりを発見することであり、相違点の記述は、素材から共通点を除いた部分を比較することであるが、その全てを比較することではなく、共通点から最も近い部分を比較することと考えられる。
    上で見た、共通点と関連させるなら、「積もった雪」においては、共通点である「苦しみ」の原因が互いにあるのであるということ、「大漁」においては、苦しみの反面としての喜びが描かれている。
以上が、素材から解釈を要せずに読み取れる内容である。ここまでが分析であり、この分析内容から作者の意図を汲み取らなければならない。
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