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民事執行法第175条

出典: フリー教科書『ウィキブックス(Wikibooks)』

法学コンメンタール民事訴訟法コンメンタール民事執行法

条文[編集]

(執行官の権限等)

第175条
  1. 執行官は、債務者による子の監護を解くために必要な行為として、債務者に対し説得を行うほか、債務者の住居その他債務者の占有する場所において、次に掲げる行為をすることができる。
    1. その場所に立ち入り、子を捜索すること。この場合において、必要があるときは、閉鎖した戸を開くため必要な処分をすること。
    2. 債権者若しくはその代理人と子を面会させ、又は債権者若しくはその代理人と債務者を面会させること。
    3. その場所に債権者又はその代理人を立ち入らせること。
  2. 執行官は、子の心身に及ぼす影響、当該場所及びその周囲の状況その他の事情を考慮して相当と認めるときは、前項に規定する場所以外の場所においても、債務者による子の監護を解くために必要な行為として、当該場所の占有者の同意を得て又は次項の規定による許可を受けて、前項各号に掲げる行為をすることができる。
  3. 執行裁判所は、子の住居が第一項に規定する場所以外の場所である場合において、債務者と当該場所の占有者との関係、当該占有者の私生活又は業務に与える影響その他の事情を考慮して相当と認めるときは、債権者の申立てにより、当該占有者の同意に代わる許可をすることができる。
  4. 執行官は、前項の規定による許可を受けて第1項各号に掲げる行為をするときは、職務の執行に当たり、当該許可を受けたことを証する文書を提示しなければならない。
  5. 第1項又は第2項の規定による債務者による子の監護を解くために必要な行為は、債権者が第1項又は第2項に規定する場所に出頭した場合に限り、することができる。
  6. 執行裁判所は、債権者が第1項又は第2項に規定する場所に出頭することができない場合であつても、その代理人が債権者に代わつて当該場所に出頭することが、当該代理人と子との関係、当該代理人の知識及び経験その他の事情に照らして子の利益の保護のために相当と認めるときは、前項の規定にかかわらず、債権者の申立てにより、当該代理人が当該場所に出頭した場合においても、第1項又は第2項の規定による債務者による子の監護を解くために必要な行為をすることができる旨の決定をすることができる。
  7. 執行裁判所は、いつでも前項の決定を取り消すことができる。
  8. 執行官は、第6条第1項の規定にかかわらず、子に対して威力を用いることはできない。子以外の者に対して威力を用いることが子の心身に有害な影響を及ぼすおそれがある場合においては、当該子以外の者についても、同様とする。
  9. 執行官は、第1項又は第2項の規定による債務者による子の監護を解くために必要な行為をするに際し、債権者又はその代理人に対し、必要な指示をすることができる。

改正経緯[編集]

2019改正により、空番(1991年仮差押条項を削除)であった本条に現行条項を新設。

解説[編集]

参照条文[編集]

判例[編集]


前条:
民事執行法第174条
(子の引渡しの強制執行)
民事執行法
第2章 強制執行
第3節 金銭の支払を目的としない請求権についての強制執行
次条:
民事執行法第176条
(執行裁判所及び執行官の責務)
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