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民事執行法第55条

出典: フリー教科書『ウィキブックス(Wikibooks)』

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条文

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(売却のための保全処分等)

第55条
  1. 執行裁判所は、債務者又は不動産の占有者が価格減少行為(不動産の価格を減少させ、又は減少させるおそれがある行為をいう。以下この項において同じ。)をするときは、差押債権者(配当要求の終期後に強制競売又は競売の申立てをした差押債権者を除く。)の申立てにより、買受人が代金を納付するまでの間、次に掲げる保全処分又は公示保全処分(執行官に、当該保全処分の内容を、不動産の所在する場所に公示書その他の標識を掲示する方法により公示させることを内容とする保全処分をいう。以下同じ。)を命ずることができる。ただし、当該価格減少行為による不動産の価格の減少又はそのおそれの程度が軽微であるときは、この限りでない。
    1. 当該価格減少行為をする者に対し、当該価格減少行為を禁止し、又は一定の行為をすることを命ずる保全処分(執行裁判所が必要があると認めるときは、公示保全処分を含む。)
    2. 次に掲げる事項を内容とする保全処分(執行裁判所が必要があると認めるときは、公示保全処分を含む。)
      イ 当該価格減少行為をする者に対し、不動産に対する占有を解いて執行官に引き渡すことを命ずること。
      ロ 執行官に不動産の保管をさせること。
    3. 次に掲げる事項を内容とする保全処分及び公示保全処分
      イ 前号イ及びロに掲げる事項
      ロ 前号イに規定する者に対し、不動産の占有の移転を禁止することを命じ、及び当該不動産の使用を許すこと。
  2. 前項第2号又は第3号に掲げる保全処分は、次に掲げる場合のいずれかに該当するときでなければ、命ずることができない。
    1. 前項の債務者が不動産を占有する場合
    2. 前項の不動産の占有者の占有の権原が差押債権者、仮差押債権者又は第59条第1項の規定により消滅する権利を有する者に対抗することができない場合
  3. 執行裁判所は、債務者以外の占有者に対し第1項の規定による決定をする場合において、必要があると認めるときは、その者を審尋しなければならない。
  4. 執行裁判所が第1項の規定による決定をするときは、申立人に担保を立てさせることができる。ただし、同項第2号に掲げる保全処分については、申立人に担保を立てさせなければ、同項の規定による決定をしてはならない。
  5. 事情の変更があつたときは、執行裁判所は、申立てにより、第1項の規定による決定を取り消し、又は変更することができる。
  6. 第1項又は前項の申立てについての裁判に対しては、執行抗告をすることができる。
  7. 第5項の規定による決定は、確定しなければその効力を生じない。
  8. 第1項第2号又は第3号に掲げる保全処分又は公示保全処分を命ずる決定は、申立人に告知された日から2週間を経過したときは、執行してはならない。
  9. 前項に規定する決定は、相手方に送達される前であつても、執行することができる。
  10. 第1項の申立て又は同項(第1号を除く。)の規定による決定の執行に要した費用(不動産の保管のために要した費用を含む。)は、その不動産に対する強制競売の手続においては、共益費用とする。

解説

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参照条文

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前条:
民事執行法第54条
(差押えの登記の抹消の嘱託)
民事執行法
第2章 強制執行

第2節 金銭の支払を目的とする債権についての強制執行
第1款 不動産に対する強制執行

第2目 強制競売
次条:
民事執行法第55条の2
(相手方を特定しないで発する売却のための保全処分等)
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