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民法第425条

出典: フリー教科書『ウィキブックス(Wikibooks)』

法学民事法民法コンメンタール民法第3編 債権 (コンメンタール民法)

条文

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(認容判決の効力が及ぶ者の範囲)

第425条
詐害行為取消請求を認容する確定判決は、債務者及びその全ての債権者に対してもその効力を有する。

改正経緯

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2017年改正前の条文は以下のとおり。 (詐害行為の取消しの効果)

第425条
前条の規定による取消しは、すべての債権者の利益のためにその効力を生ずる。
  • 「前条」ー旧民法第424条
    1. 債権者は、債務者が債権者を害することを知ってした法律行為の取消しを裁判所に請求することができる。ただし、その行為によって利益を受けた者又は転得者がその行為又は転得の時において債権者を害すべき事実を知らなかったときは、この限りでない。
    2. 前項の規定は、財産権を目的としない法律行為については、適用しない。

解説

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詐害行為取消権の行使の効果の範囲を定める。

参照条文

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  • 詐害行為取消権
民法第424条(詐害行為取消権)、民法第426条(期間制限)

判例

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  1. 売掛代金請求(最高裁判決 昭和46年11月19日) 民法第424条
    金銭の支払を求める詐害行為取消訴訟手続において被告は自己の債権額に対応する按分額の支払を拒むことができるか
     債権者が、受益者を被告として、債務者の受益者に対する弁済行為を取り消し、かつ、右取消にかかる弁済額の支払を求める詐害行為取消訴訟手続において、被告は、右弁済額を原告の債権額と自己の債権額とで按分し、後者に対応する按分額につき、支払を拒むことはできない。
  2. 土地所有権確認等(最高裁判決 昭和53年10月05日)民法第424条
    不動産の引渡請求権者が債務者による目的不動産の処分行為を詐害行為として取り消す場合と自己に対する所有権移転登記手続請求の可否
    不動産の引渡請求権者は、目的不動産についてされた債務者の処分行為を詐害行為として取り消す場合に、直接自己に対する所有権移転登記手続を請求することはできない。

前条:
民法第424条の9
(債権者への支払又は引渡し)
民法
第3編 債権

第1章 総則
第2節 債権の効力

第3款 詐害行為取消権
次条:
民法第425条の2
(債務者の受けた反対給付に関する受益者の権利)
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