民法第955条
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条文
[編集](相続財産法人の不成立)
- 第955条
- 相続人のあることが明らかになったときは、第951条の法人は、成立しなかったものとみなす。ただし、相続財産の清算人がその権限内でした行為の効力を妨げない。
改正経緯
[編集]2021年改正により、「相続財産の清算人」が創設されたことに伴い、「相続財産の管理人」から改正。
解説
[編集]- 相続人がいることが判明した場合、相続財産の管理と清算についての手続は中止されることになるため、相続財産法人を概念する必要はない。従って、活動を開始していた場合などは解散することとなるが、不成立とし、当初から存在しなかったものとみなしたもの。明治民法第1055条を継承。
- 相続財産法人は成立しなかったとみなされるため、中止までの行為は無効となるが、取引の安全のため、それまで相続財産の清算人(改正前:相続財産の管理人)が権限内でした行為は有効なままとされる。
参照条文
[編集]参考文献
[編集]- 『民法(9)相続(第4版増補版)』(有斐閣双書)(有斐閣、2000年)175頁-186頁(久貴忠彦執筆部分)
- 『民法Ⅴ(第2版補訂版)』(Sシリーズ)(有斐閣、2000年)172頁-174頁(伊藤昌司執筆部分)
参考
[編集]- 明治民法において、本条には扶養の順位に関する以下の規定があった。趣旨は大幅に改正され、民法第878条に継承された。
- 明治民法第1055条
- 相続人アルコト分明ナルニ至リタルトキハ法人ハ存立セサリシモノト看做ス但管理人カ其権限内ニ於テ為シタル行為ノ効力ヲ妨ケス
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