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特許法第164条の2

出典: フリー教科書『ウィキブックス(Wikibooks)』

特許法第164条の2

特許無効審判における審決の予告について規定する。

条文[編集]

(特許無効審判における特則)

第164条の2 審判長は、特許無効審判の事件が審決をするのに熟した場合において、審判の請求に理由があると認めるときその他の経済産業省令で定めるときは、審決の予告を当事者及び参加人にしなければならない。

2 審判長は、前項の審決の予告をするときは、被請求人に対し、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面の訂正を請求するための相当の期間を指定しなければならない。

3 第157条第2項の規定は、第1項の審決の予告に準用する。

参照条文[編集]

施行規則

第50条の6の2 特許法第164条の2第1項の経済産業省令で定めるときは、被請求人が審決の予告を希望しない旨を申し出なかつたときであつて、かつ、次に掲げるときとする。

審判の請求があつて審理を開始してから最初に事件が審決をするのに熟した場合にあつては、審判官が審判の請求に理由があると認めるとき又は特許法第134条の2第1項の訂正の請求(審判の請求がされている請求項に係るものに限る。)を認めないとき。

特許法第181条第2項の規定により審理を開始してから最初に事件が審決をするのに熟した場合にあつては、審判官が審判の請求に理由があると認めるとき又は特許法第134条の2第1項の訂正の請求(審判の請求がされている請求項に係るものに限る。)を認めないとき。

三 前二号に掲げるいずれかのときに審決の予告をした後であつて事件が審決をするのに熟した場合にあつては、当該審決の予告をしたときまでに当事者若しくは参加人が申し立てた理由又は特許法第153条第2項の規定により審理の結果が通知された理由(当該理由により審判の請求を理由があるとする審決の予告をしていないものに限る。)によつて、審判官が審判の請求に理由があると認めるとき。

解説[編集]

平成23年改正では、いわゆるキャッチボール現象の解消により特許無効審判の審理の更なる迅速化を図るため、時間的・金銭的なデメリットがあった裁判所における取消しの決定の枠組み(改正前184条2〜4項、126条2項ただし書、134条の2第2〜5項)を取りやめることとなった。しかし、平成15年改正で導入されたこの枠組みは、特許権者が審理の結果示される審判合議体による特許の有効性についての判断(審決)に基づいて訂正を求めることができるという利点もあった。この利点をも取り上げることは、特許権への攻撃に対する防御手段が減らされることになり、特許権者にとって酷であると考えられた。そこで、特許無効審判において審理終結通知をする前に、審決の予告をすることができることとした(本条)。これにより、従前と比較して、特許権者は審決取消訴訟の提起と訂正審判の請求が不要となり、特許庁知的財産高等裁判所(東京高等裁判所)もいわゆるキャッチボール現象の発生による余計な事務手続きをしなくてすむことにもなる。

1項の経済産業省令は特許法施行規則第50条の6の2を指す。

審決の予告に記載する事項は、審決に記載する事項と同様であり、審判の番号、当事者及び参加人並びに代理人の氏名又は名称及び住所又は居所 、審判事件の表示、審決の結論及び理由、審決の予告の年月日である(3項で準用する157条2項)。

なお、本制度が理想的に運用されるならば、審決取消訴訟が提起されても、同訴訟の結論は請求棄却となるが、実際には3度審決が取り消され、4回目(知的財産高等裁判所平成31年2月6日判決(平成30年(行ケ)10010号))にして初めて、訴訟において請求棄却となった例も存在する。

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改正履歴[編集]

  • 平成23年法律第63号 - 追加

外部リンク[編集]

前条:
164条
特許法
第6章 審判
次条:
165条