特許法第84条の2

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特許法第84条の2

裁定手続における通常実施権者の意見の陳述について規定する。本条は、実用新案法、意匠法で準用されている。

条文[編集]

(通常実施権者の意見の陳述)

第84条の2 第83条第2項の裁定の請求があつたときは、その特許に関し通常実施権を有する者は、前条に規定する期間内に限り、その裁定の請求について意見を述べることができる。

解説[編集]

従来、裁定の請求があった場合、登録された通常実施権者は答弁書(裁定事件答弁書、施規44条、同様式61)を提出することによりその裁定の請求について意見を述べることができたが(旧84条)、通常実施権の登録制度の廃止により特許庁長官は通常実施権者の存在を知ることができなくなり、裁定請求書の副本を送達することで裁定の請求について意見を述べる機会を与えることができなくなった。通常実施権の登録制度廃止後も引き続き通常実施権者に裁定の請求について意見を述べる機会を与えるため本条が規定された。

これにより従来登録していなかった通常実施権の通常実施権者にも裁定の請求について意見を述べる機会が与えられるようになった一方で、通常実施権についての質権者(その他通常実施権に関し登録されていた者)については意見を述べる機会が失われた。ただし、こちらについては条文上救済措置は設けられていない。


意見の陳述期間は、裁定事件答弁書の提出期間と同一である。


通常実施権者は特許権者等裁定請求書の副本の送達を受けた者からの情報提供、特許公報(193条2項9号)により裁定の請求があったことを知ることになろう。


なお、本条は本来、不実施の場合の通常実施権の設定の裁定についての規定であるが、自己の特許発明の実施をするための通常実施権の設定の裁定の場合(92条7項)、公共の利益のための通常実施権の設定の場合(93条3項)でも本条が準用されているため、すべての通常実施権の設定の裁定について適用される。

改正履歴[編集]

  • 平成23年法律第63号 - 追加

関連条文[編集]

前条:
84条
特許法
第4章 特許権 第1節 特許権
次条:
85条