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相続税法第1条の4

出典: フリー教科書『ウィキブックス(Wikibooks)』

条文

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(贈与税の納税義務者)

第1条の4
次の各号のいずれかに掲げる者は、この法律により、贈与税を納める義務がある。
一 贈与により財産を取得した次に掲げる者であつて、当該財産を取得した時においてこの法律の施行地に住所を有するもの
イ 一時居住者でない個人
ロ 一時居住者である個人(当該贈与をした者が外国人贈与者又は非居住贈与者である場合を除く。)
二 贈与により財産を取得した次に掲げる者であつて、当該財産を取得した時においてこの法律の施行地に住所を有しないもの
イ 日本国籍を有する個人であつて次に掲げるもの
(1)当該贈与前10年以内のいずれかの時においてこの法律の施行地に住所を有していたことがあるもの
(2)当該贈与前10年以内のいずれの時においてもこの法律の施行地に住所を有していたことがないもの(当該贈与をした者が外国人贈与者又は非居住贈与者である場合を除く。)
ロ 日本国籍を有しない個人(当該贈与をした者が外国人贈与者又は非居住贈与者である場合を除く。)
三 贈与によりこの法律の施行地にある財産を取得した個人で当該財産を取得した時においてこの法律の施行地に住所を有するもの(第1号に掲げる者を除く。)
四 贈与によりこの法律の施行地にある財産を取得した個人で当該財産を取得した時においてこの法律の施行地に住所を有しないもの(第2号に掲げる者を除く。)
2 所得税法第137条の2(国外転出をする場合の譲渡所得等の特例の適用がある場合の納税猶予)又は第137条の3(贈与等により非居住者に資産が移転した場合の譲渡所得等の特例の適用がある場合の納税猶予)の規定の適用がある場合における前項第1号ロ又は第2号イ(2)若しくはロの規定の適用については、次に定めるところによる。
一 所得税法第137条の2第1項の規定の適用を受ける個人が財産の贈与をした場合には、当該贈与に係る贈与税の前項第1号ロ又は第2号イ(2)若しくはロの規定の適用については、当該個人は、当該贈与前10年以内のいずれかの時においてこの法律の施行地に住所を有していたものとみなす。
二 所得税法第137条の3第1項の規定の適用を受ける者から同項の規定の適用に係る贈与により財産を取得した者(以下この号において「受贈者」という。)が財産の贈与(以下この号において「二次贈与」という。)をした場合には、当該二次贈与に係る贈与税の前項第1号ロ又は第2号イ(2)若しくはロの規定の適用については、当該受贈者は、当該二次贈与前10年以内のいずれかの時においてこの法律の施行地に住所を有していたものとみなす。ただし、当該受贈者が同条第1項の規定の適用に係る贈与前10年以内のいずれの時においてもこの法律の施行地に住所を有していたことがない場合は、この限りでない。
三 所得税法第137条の3第2項の規定の適用を受ける相続人が財産の贈与をした場合には、当該贈与に係る贈与税の前項第1号ロ又は第2号イ(2)若しくはロの規定の適用については、当該相続人は、当該贈与前10年以内のいずれかの時においてこの法律の施行地に住所を有していたものとみなす。ただし、当該相続人が同条第2項の規定の適用に係る相続の開始前10年以内のいずれの時においてもこの法律の施行地に住所を有していたことがない場合は、この限りでない。
3 第1項において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
一 一時居住者贈与の時において在留資格を有する者であつて当該贈与前15年以内においてこの法律の施行地に住所を有していた期間の合計が10年以下であるものをいう。
二 外国人贈与者贈与の時において、在留資格を有し、かつ、この法律の施行地に住所を有していた当該贈与をした者をいう。
三 非居住贈与者贈与の時においてこの法律の施行地に住所を有していなかつた当該贈与をした者であつて、当該贈与前10年以内のいずれかの時においてこの法律の施行地に住所を有していたことがあるもののうちそのいずれの時においても日本国籍を有していなかつたもの又は当該贈与前10年以内のいずれの時においてもこの法律の施行地に住所を有していたことがないものをいう。
(平成15年3月31日法律第8号本条追加[1]、平成25年3月法律第5号改正[2]、平成27年3月法律第9号第2項追加[3]、平成28年3月法律第15号改正[4]、平成29年3月法律第4号第1・2項改正・第3項追加[5]、平成30年3月31日法律第7号第2・3項改正[6]、令和3年3月31日法律第11号第1・3項改正[7]

改正前

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平成15年3月31日法律第8号

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(贈与税の納税義務者)

第1条の4
次の各号のいずれかに掲げる者は、この法律により、贈与税を納める義務がある。
一 贈与により財産を取得した個人で当該財産を取得した時においてこの法律の施行地に住所を有するもの
二 贈与により財産を取得した日本国籍を有する個人で当該財産を取得した時においてこの法律の施行地に住所を有しないもの(当該個人又は当該贈与をした者が当該贈与前5年以内のいずれかの時においてこの法律の施行地に住所を有していたことがある場合に限る。)
三 贈与によりこの法律の施行地にある財産を取得した個人で当該財産を取得した時においてこの法律の施行地に住所を有しないもの(前号に掲げる者を除く。)

解説

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本条は、贈与税納税義務者について規定している。

居住無制限納税義務者(1項1号)

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本条1項1号は居住無制限納税義務者について規定している。

すなわち、贈与により財産を取得した次に掲げる者で、当該財産を取得した時において日本に住所を有するものを居住無制限納税義務者とし、その者が贈与により取得した財産の全部に対し、贈与税を課する。

  1. 一時居住者でない個人
  2. 一時居住者である個人(当該贈与をした者が外国人贈与者または非居住贈与者である場合を除く。)


非居住無制限納税義務者(1項2号)

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本条1項2号は非居住無制限納税義務者について規定している。

すなわち、贈与により財産を取得した次に掲げる者で、当該財産を取得した時において日本に住所を有しないものを非居住無制限納税義務者とし、その者が贈与により取得した財産の全部に対し、贈与税を課する。

  1. 日本国籍を有する個人であって次に掲げるもの
    1. 当該贈与前10年以内のいずれかの時においてこの法律の施行地に住所を有していたことがあるもの
    2. 当該贈与前10年以内のいずれの時においてもこの法律の施行地に住所を有していたことがないもの(当該贈与をした者が外国人贈与者または非居住贈与者である場合を除く。)
  2. 日本国籍を有しない個人(当該贈与をした者が外国人贈与者または非居住贈与者である場合を除く。)

居住制限納税義務者(1項3号)

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本条1項3号は居住制限納税義務者について規定している。

すなわち、居住無制限納税義務者に該当しない者のうち、贈与によりこの法律の施行地にある財産を取得した個人で当該財産を取得した時においてこの日本に住所を有するものを居住制限納税義務者とし、その者が贈与により取得した財産でこの法律の施行地にあるものに対し、贈与税を課する。

非居住制限納税義務者(1項4号)

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本条1項4号は非居住制限納税義務者について規定している。

すなわち、非居住無制限納税義務者に該当しない者のうち、贈与によりこの法律の施行地にある財産を取得した個人で当該財産を取得した時において日本に住所を有しないものを非居住制限納税義務者とし、その者が贈与により取得した財産でこの法律の施行地にあるものに対し、贈与税を課する。

個人

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本法に規定する「個人」とは、自然人をいう[8]

相続は個人対個人で行われる財産の移転であるが、遺贈や死因贈与の場合は個人以外の者に財産が移転する場合がある。そのため、個人以外の者に財産を移転させて相続税を回避させないために、相続税法基本通達1の3・1の4共-2において人格のない社団等・持分の定めのない法人などについては個人とみなす旨を規定している。

個人

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本法に規定する「個人」とは、自然人をいう[9]

ただし、贈与は個人以外の者に財産が移転する場合がある。そのため、個人以外の者に財産を移転させて贈与税を回避させないために、相続税法基本通達1の3・1の4共-2において人格のない社団等・持分の定めのない法人などについては個人とみなす旨を規定している[9]

参照条文

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脚注

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  1. ^ 法律第八号(平一五・三・三一)”. 衆議院. 2024年12月15日閲覧。
  2. ^ 法律第五号(平二五・三・三〇)”. 衆議院. 2024年12月15日閲覧。
  3. ^ 法律第九号(平二七・三・三一)”. 衆議院. 2024年12月15日閲覧。
  4. ^ 法律第十五号(平二八・三・三一)”. 衆議院. 2024年12月15日閲覧。
  5. ^ 法律第四号(平二九・三・三一)”. 衆議院. 2024年12月15日閲覧。
  6. ^ 法律第七号(平三〇・三・三一)”. 衆議院. 2024年12月15日閲覧。
  7. ^ 法律第十一号(令三・三・三一)”. 衆議院. 2024年12月15日閲覧。
  8. ^ 第1条の2《定義》関係”. 国税庁. 2024年12月15日閲覧。
  9. ^ 9.0 9.1 第1条の3《相続税の納税義務者》及び第1条の4《贈与税の納税義務者》共通関係”. 国税庁. 2024年12月15日閲覧。

参考文献

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外部リンク

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前条:
第1条の3
(相続税の納税義務者)
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