聖書ヘブライ語入門/暗誦2
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聞け、イスラエル ― | šəma` yiśrā'ēl. | שְׁמַע יִשְׂרָאֵל |
ヤハウェが我らの神、ヤハウェひとりが | yahwe elōhēnū yahwe 'eḥād | יהוה אֱלֹהֵינוּ יהוה אֶחָֽד׃ |
汝の神ヤハウェを汝は愛する | wə'āhabtā 'ēt yahwe elōheḵā | וְאָהַבְתָּ אֵת יהוה אֱלֹהֶ֑יךָ |
汝の全心をもって | bəḵol-ləḇāḇəḵā | בְּכָל־לְבָבְךָ |
汝の全存在をもって | wūḇəḵol-nap̄šəḵā | וּבְכָל־נַפְשְׁךָ |
汝の全力をもって | wūḇəḵol-mə'ōdeḵā | וּבְכָל־מְאֹדֶֽךָ׃ |
語註
שְׁמַע は「聞く」という意味の動詞の男性・二人称・単数の命令形。命令の対象は ישראל 、多くの場合このように後置される。 וְאָהַבְתָּ は「愛する」という動詞の男性・二人称・単数のワウ完了形。 אֵת は原則として目的格の定名詞句の前に置かれる助詞。 בְּ はここでは「をもって」と訳される前置詞。 כָּל kol は כּוֹל 《すべて》の連語形。 לֵבָב 《心》、 נֶפֶשׁ ( נַפְשׁ )《のど、魂、存在》、 מְאֹד (名詞としては)《力》。 מְאֹדֶֽךָ は ־ְךָ の休止形(3.2.3)。
第二行目は 9.1の例文7 と同じであるが、 訳はわざと変えてみた。性・数を等しくする四個の名詞を並べたこの表現は、その構文からして様々な解釈が可能である。 אֶחָד を יהוה に対する修飾部として「唯一なるヤハフェ」と読むためには、原則的には הָאֶחָד となっていなければならない。しかし יהוה האחד なる表現は聖書に無く、 יהוה אחד も管見の限りではゼカリア149にあるのみ。 しかしこの文のような表現こそ論理学的な主―述関係から把えることは一方的なのではないだろうか(4.3.2参照)。その意味で Martin Buber のドイツ語訳(1868改訂)における ER unser Gott, ER Einer! (Buber は יהוה を常に ER と訳する)という訳は示唆的である。