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薬理学/免疫系

出典: フリー教科書『ウィキブックス(Wikibooks)』

免疫抑制薬

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概要

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免疫抑制薬は、臓器移植時の拒絶反応の抑制や、自己免疫疾患の治療などに用いられる[1]

副作用として、感染症からの防御に必要でもある免疫機能を抑制するため、感染症にかかりやすくなる(易感染性[2][3]

免疫抑制剤による免疫能力の低下のため、日和見感染や、悪性リンパ腫[4]の危険性が高まる[5][6]

免疫抑制薬であるシクロスポリンタクロリムスは、カルシニューリン(CaN)阻害薬である。カルシニューリン阻害薬は1980年代に登場した技術である[7]

シクロスポリンは、土壌真菌に由来、タクロリムスは放線菌に由来する抗生物質[8]である。[9][10]

臨床応用は臓器移植の拒絶反応の抑制のほか、ベーチェット病、関節リウマチ(RA)、乾癬性関節炎、皮膚筋炎/多発性筋炎、全身性エリトマトーデス、クローン(Crohn)病、ネフローゼ症候群など、自己免疫疾患やサイトカイン異常疾患にも用いられる[11][12]

シクロスポリンは実質臓器移植、骨髄移植などの拒絶反応の抑制に広く用いられる[13][14]


機序

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カルシニューリン(CaN)の標的分子である活性化T細胞の核内転写因子(NF-AT)は、脱リン酸化されると核内に移行して、インターロイキンなどのサイトカインの転写[15]などの過程を制御している[16][17]

※ これらのシグナル伝達には、非常に多くの分子が関わっているので、個々の分子の暗記は不要。詳しい情報が必要なら「TCRシグナル伝達カスケード」などの用語で図があるので、それを調べよ。また『標準免疫学 第3版』P445 にもTCRシグナル伝達カスケードの図表あり。

カルシニューリン阻害剤は、細胞内タンパク質(それはイムノフェリン[18]と総称される)と結合することにより[19]、この過程を阻害している[20][21]。 < なお、シクロスポリンが結合するイムノフェリンは「シクロフェリン」という。タクロリムスのイムノフェリンは「FK結合蛋白質」という[22][23]

タクロリムスはシクロスポリンに比べ免疫抑制作用は10~100倍強力で、肝臓、心臓、肺、腎臓、膵臓移植など実質臓器移植の拒絶反応に用いられている[24][25]


抗悪性腫瘍薬

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※ 『薬理学/抗悪性腫瘍薬』で記述中。


抗リウマチ薬

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※ すでに『薬理学/抗リウマチ薬』で説明済みなので、それを参照せよ。

脚注

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  1. ^ 『パートナー薬理学』、P398
  2. ^ 『標準薬理学』、P584
  3. ^ 『パートナー薬理学』、P398
  4. ^ 『標準免疫学』、P301
  5. ^ 『パートナー薬理学』、P398
  6. ^ 『標準免疫学』、P301
  7. ^ 『標準免疫学』、P301
  8. ^ 『NEW薬理学』、P445
  9. ^ 『標準薬理学』、P585
  10. ^ 『NEW薬理学』、P445
  11. ^ 『標準薬理学』、P585
  12. ^ 『NEW薬理学』、P445
  13. ^ 『標準薬理学』、P585
  14. ^ 『NEW薬理学』、P445
  15. ^ 谷口克 監修『標準免疫学 第3版』、P302
  16. ^ 『標準薬理学』、P585
  17. ^ 『NEW薬理学』、P445
  18. ^ 『標準免疫学』、P376
  19. ^ 『標準免疫学』、P302
  20. ^ 『標準薬理学』、P585
  21. ^ 『NEW薬理学』、P445
  22. ^ 『標準薬理学』、P585
  23. ^ 『NEW薬理学』、P445
  24. ^ 『標準薬理学』、P585
  25. ^ 『NEW薬理学』、P445