農地法第5条
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条文
[編集]- 第5条
- 農地を農地以外のものにするため又は採草放牧地を採草放牧地以外のもの(農地を除く。次項及び第4項において同じ。)にするため、これらの土地について第3条第1項本文に掲げる権利を設定し、又は移転する場合には、政令で定めるところにより、当事者が都道府県知事の許可(これらの権利を取得する者が同一の事業の目的に供するため4ヘクタールを超える農地又はその農地と併せて採草放牧地について権利を取得する場合(地域整備法の定めるところに従つてこれらの権利を取得する場合で政令で定める要件に該当するものを除く。第4項において同じ。)には、農林水産大臣の許可)を受けなければならない。ただし、次の各号のいずれかに該当する場合は、この限りでない。
- 国又は都道府県が、前条第1項第2号の農林水産省令で定める施設の用に供するため、これらの権利を取得する場合
- 農地又は採草放牧地を農業経営基盤強化促進法第19条の規定による公告があつた農用地利用集積計画に定める利用目的に供するため当該農用地利用集積計画の定めるところによつて同法第4条第4項第1号の権利が設定され、又は移転される場合
- 農地又は採草放牧地を特定農山村地域における農林業等の活性化のための基盤整備の促進に関する法律第9条第1項の規定による公告があつた所有権移転等促進計画に定める利用目的に供するため当該所有権移転等促進計画の定めるところによつて同法第2条第3項第3号の権利が設定され、又は移転される場合
- 農地又は採草放牧地を農山漁村の活性化のための定住等及び地域間交流の促進に関する法律第8条第1項の規定による公告があつた所有権移転等促進計画に定める利用目的に供するため当該所有権移転等促進計画の定めるところによつて同法第5条第7項の権利が設定され、又は移転される場合
- 土地収用法その他の法律によつて農地若しくは採草放牧地又はこれらに関する権利が収用され、又は使用される場合
- 前条第1項第7号に規定する市街化区域内にある農地又は採草放牧地につき、政令で定めるところによりあらかじめ農業委員会に届け出て、農地及び採草放牧地以外のものにするためこれらの権利を取得する場合
- その他農林水産省令で定める場合
- 前項の許可は、次の各号のいずれかに該当する場合には、することができない。ただし、第1号及び第2号に掲げる場合において、土地収用法第26条第1項の規定による告示に係る事業の用に供するため第3条第1項本文に掲げる権利を取得しようとするとき、第1号イに掲げる農地又は採草放牧地につき農用地利用計画において指定された用途に供するためこれらの権利を取得しようとするときその他政令で定める相当の事由があるときは、この限りでない。
- 次に掲げる農地又は採草放牧地につき第3条第1項本文に掲げる権利を取得しようとする場合
- イ 農用地区域内にある農地又は採草放牧地
- ロ イに掲げる農地又は採草放牧地以外の農地又は採草放牧地で、集団的に存在する農地又は採草放牧地その他の良好な営農条件を備えている農地又は採草放牧地として政令で定めるもの(市街化調整区域内にある政令で定める農地又は採草放牧地以外の農地又は採草放牧地にあつては、次に掲げる農地又は採草放牧地を除く。)
- (1) 市街地の区域内又は市街地化の傾向が著しい区域内にある農地又は採草放牧地で政令で定めるもの
- (2) (1)の区域に近接する区域その他市街地化が見込まれる区域内にある農地又は採草放牧地で政令で定めるもの
- 前号イ及びロに掲げる農地(同号ロ(1)に掲げる農地を含む。)以外の農地を農地以外のものにするため第3条第1項本文に掲げる権利を取得しようとする場合又は同号イ及びロに掲げる採草放牧地(同号ロ(1)に掲げる採草放牧地を含む。)以外の採草放牧地を採草放牧地以外のものにするためこれらの権利を取得しようとする場合において、申請に係る農地又は採草放牧地に代えて周辺の他の土地を供することにより当該申請に係る事業の目的を達成することができると認められるとき。
- 第3条第1項本文に掲げる権利を取得しようとする者に申請に係る農地を農地以外のものにする行為又は申請に係る採草放牧地を採草放牧地以外のものにする行為を行うために必要な資力及び信用があると認められないこと、申請に係る農地を農地以外のものにする行為又は申請に係る採草放牧地を採草放牧地以外のものにする行為の妨げとなる権利を有する者の同意を得ていないことその他農林水産省令で定める事由により、申請に係る農地又は採草放牧地のすべてを住宅の用、事業の用に供する施設の用その他の当該申請に係る用途に供することが確実と認められない場合
- 申請に係る農地を農地以外のものにすること又は申請に係る採草放牧地を採草放牧地以外のものにすることにより、土砂の流出又は崩壊その他の災害を発生させるおそれがあると認められる場合、農業用用排水施設の有する機能に支障を及ぼすおそれがあると認められる場合その他の周辺の農地又は採草放牧地に係る営農条件に支障を生ずるおそれがあると認められる場合
- 仮設工作物の設置その他の一時的な利用に供するため所有権を取得しようとする場合
- 仮設工作物の設置その他の一時的な利用に供するため、農地につき所有権以外の第3条第1項本文に掲げる権利を取得しようとする場合においてその利用に供された後にその土地が耕作の目的に供されることが確実と認められないとき、又は採草放牧地につきこれらの権利を取得しようとする場合においてその利用に供された後にその土地が耕作の目的若しくは主として耕作若しくは養畜の事業のための採草若しくは家畜の放牧の目的に供されることが確実と認められないとき。
- 農地を採草放牧地にするため第3条第1項本文に掲げる権利を取得しようとする場合において、同条第2項の規定により同条第1項の許可をすることができない場合に該当すると認められるとき。
- 次に掲げる農地又は採草放牧地につき第3条第1項本文に掲げる権利を取得しようとする場合
- 第3条第5項及び第7項並びに前条第3項の規定は、第1項の場合に準用する。
- 国又は都道府県が、農地を農地以外のものにするため又は採草放牧地を採草放牧地以外のものにするため、これらの土地について第3条第1項本文に掲げる権利を取得しようとする場合(第1項各号のいずれかに該当する場合を除く。)においては、国又は都道府県と都道府県知事との協議(これらの権利を取得する者が同一の事業の目的に供するため4ヘクタールを超える農地又はその農地と併せて採草放牧地について権利を取得する場合には、農林水産大臣との協議)が成立することをもつて第1項の許可があつたものとみなす。
- 前条第3項の規定は、都道府県知事が前項の協議を成立させようとする場合について準用する。
解説
[編集]- 本条は、農地を農地以外のものにするため又は採草放牧地を採草放牧地以外のもの(農地を除く)にするために権利を設定し、又は移転する転用である。第5条の規定であることから「(第)5条転用」とも呼ばれる。
- 農地 -> 農地以外(採草放牧地を含む)
- 採草放牧地 -> 農地以外(農地にする目的の場合は第3条の対象)
- 第1項第6号規定の、市街化区域内農地・採草放牧地の転用に関する届出制については、市街化区域内農地の転用届出を参照されたい。
- 第1項に違反したり、偽りその他不正の手段により第1項の許可を得たりすることは、第64条により処罰の対象となる。
参照条文
[編集]判例
[編集]- 土地所有権移転登記手続等請求(最高裁判決 昭和39年03月06日)民法第482条
- 農地の移転につき農地法第5条の許可が失効したため再度右許可申請をしなければならないとされた事例。
- 甲が、乙に対する債務の担保として、債務不履行の場合には、弁済に代えて農地を譲渡することを約諾し、かつ、右譲渡は、農地法第5条所定の許可を得て農地以外のものに転用するため権利を移転する方法によると定められた場合において、甲が債務を履行しなかつたときは、いつたん甲の協力のもとに前記許可が得られても、許可が失効したときは、それが乙側の事情に帰因するとしても、甲は再度許可申請に協力しなければならないと解するのが相当である。
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