高等学校古文/漢文固有の単語・熟語・知識

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ここでは漢文で用いられる言葉の中でも、特に漢文に特有の単語・熟語を紹介・解説する。なお、用語は一般的な用語だけを解説している。文章のジャンルごとの用語はそれぞれのページを参照してほしい。

一字の語[編集]

  • 字(あざな)
    • 訳:あざな
      • 成人した男子が実名以外につける呼び名。実名でよんでいいのは主君や親だけで、それ以外の者は原則として字で呼ぶ。また、伍員(字は子胥)、項籍(字は羽)、諸葛亮(字は孔明)のように字の方が有名なものもいる。
  • 子(し)
    • あなた(男子の敬称)
  • 士(し)
    • 学徳のある者
  • 臣(しん)
    • わたくし
      • 君主に対して家臣が、自分のことを謙遜していう一人称。
  • ナシ(すくナシ)
    • 少ない
  • (そレ)
    • そもそも、いったい
      • 新しい話題を言い出すときの言葉。
  • (ひそかニ)
    • こっそり
  • (まさニ)
    • ちょうど、いま

漢文特有の複合語[編集]

  • 以為ヘラク・以謂ヘラク(おもヘラク)
    • 思うことには・~と思う
  • ・如・若・若(かくノごとシ)
    • このようである
  • (ここヲもっテ)
    • そういうわけで
  • (これヲもっテ)
    • このことによって
  • (ここニおいテ)
    • そこで・そのときに
  • 庶幾
  1. こひねがフ:願う・期待する
  2. こひねがハクハ:どうか~でありたい
  3. ちかシ・ちかカラン:ほとんど~だろう
  • ヘテハク(こたヘテいはハク)
    • 答えて言うことには
  • ラバ(しかラバすなはチ)
    • そうだとすれば
  • 然而
  1. しかレドモ:そうであるがしかし
  2. しかリしかうシテ:そうであるがしかし
  • 然後・而後
  1. しかルのち:そうして後に・そうしてはじめて
  2. しかシテのち:そうして後に・そうしてはじめて
  • トナレバ(なんトナレバすなはチ)
    • なぜかというと
  • (ひとトなリ)
    • 人柄・性格・容貌
  • ナル乎(むべナルかな)
    • もっともなことだ

漢文特有の熟語[編集]

ここでは、日本語との違いの大きい語を中心に挙げる。特に現代日本語と大きく意味の異なる言葉には気をつけたい。

  • 幾何(いくばく)
    • どれくらいか
      • 数学の中で図形を扱うものを「幾何(きか)学」というが、これは中国から伝来した数学書で図形の問題には最後にこの言葉がついていたため。
  • 所謂(いはゆる)
    • 世の中で言うところの・ここでいうところの
  • 家書(かしょ)
    • 家族への手紙・家族からの手紙
  • 寡人(くわじん)
    • わたくし
      • 王族が自分のことをへりくだっていうときに使う。「徳の寡(すく)ない私のような」という意味。
  • 期年(きねん)
    • まる一年・一周年
  • 君子(くんし)
    • 立派な人物・徳の高い人物・高い身分の人物・学問修養に勤めている人
  • 故人(こじん)
    • 旧友
  • 四時(しいじ・しじ)
    • 春夏秋冬・四季
  • 小人(せうじん)
    • つまらない人物・身分の低い人物
      • 「せう(しょう)にん」と読むと「子ども」の意味になるので注意。
  • 丈夫(ぢやうふ)
    • 立派な男
  • 人間(じんかん)
    • 人の住むところ・世の中
  • 大人(だいじん)
    • 徳の高い立派な人・学者や父親といった年長者への敬称
  • 百姓(ひゃくせい)
    • 人民・庶民・人々
      • 「百の姓」、すなわち「いろいろな人々」から派生した。
  • 夫子(ふうし)
    • 先生・賢者・長者への敬称
  • 昔者(むかし)
    • むかし
      • 「者」は時を表す言葉に付く助字。したがって、「今者(いま)」「古者(いにしへ)」「昨者(きのう)」といった表現もある。
  • 所以(ゆゑん)
    • 理由・わけ・方法・手段・いわれ

諸知識・用語[編集]

  • 刪修(さんしゅう)
    • 原文を適宜省略して編集したもの。高校教科書に掲載されている文章の中で長めのものは刪修されていることが多い。