コンテンツにスキップ

ITスキルとアプリケーション

出典: フリー教科書『ウィキブックス(Wikibooks)』

テンプレート:Ambox

情報技術 > ITスキルとアプリケーション

本書は、コンピュータのハードウェアとユーザーの間のインターフェースとして機能するオペレーティング・システム(Operating system; OS)を対象としている。オペレーティング・システムは、コンピュータの限られた資源の共有や活動の管理・調整を担っている。

オペレーティング・システムとは

[編集]

オペレーティング・システムは通常、カーネルとユーザーランドに分離される。

カーネル
ソフトウェアがハードウェアと相互作用するための境界線を提供する。
カーネルはハードウェアを抽象化し、多くのソフトウェアが全く異なるハードウェア上で同じように動作することを可能にする。
カーネルは、ユーザーランドがカーネルと対話できるようにするためのシステムコールを提供する。
ファイルシステム(常にではありないが、通常は)、デバイス、プロセスの制御を含む多くのことを処理する。
ユーザーランド
カーネル以外のすべてのものとして存在する。
端末を含め、ユーザーが作成するすべてのプロセスはユーザーランドに属する。
プログラムを表示するGUI(Graphical User Interface)もユーザーランドに属する。
ウェブサーバーなどのデーモンもユーザーランドに属する。

OSの種類

[編集]

一般的に用いられているOSには、以下のような種類がある。

  • Windows(ウィンドウズ)
  • macOS(マックオーエス)
  • Unix(ユニックス) (※ BSDなど含む)
  • Linux(リナックス)
  • Solaris(ソラリス)
  • Tron(トロン)
  • vx-works
  • MVS (OS/360, OS/390, z/OS)


スマートフォン用のOSとして、以下、Android(アンドロイド)やiOS(アイ オーエス)などがある。

  • Android(アンドロイド)
  • iOS(アイ オーエス)


大まかには上記のとおりとなる。以下に、それぞれの特徴を記す。基本的な使い方など踏み込んだ話題は、Windows については『Windows入門』を、macOSについては『MacOS入門』を、Unixについては『Unix/Linux入門』を、それぞれ参照のこと。

Microsoft Windows

[編集]

『Microsoft Windows』(ウィンドウズ)は、米Microsoft社(マイクロソフト社)が開発・販売する商用オペレーティングシステム(OS)である。主にPC/AT互換機で利用され、特にデスクトップPC市場における主要なOSとしての地位を確立している。CPUアーキテクチャamd64を主にサポートし[1]、一部のエディションではARMアーキテクチャもサポートしている。

主な特徴

[編集]
  • GUI (Graphical User Interface): 直感的なグラフィカルユーザーインターフェースを提供し、マウスやキーボードによる操作が可能
  • マルチタスク: 複数のアプリケーションを同時に実行し、タスクを切り替えて作業ができる環境を提供
  • アプリケーション互換性: 豊富なソフトウェアエコシステムを持ち、ビジネス、エンターテイメント、生産性向上など様々な用途のアプリケーションが利用可能
  • ネットワーク機能: インターネット接続、ファイル共有、リモートアクセスなどの機能を標準搭載
  • セキュリティ機能: Windows Defenderによる標準のマルウェア対策、ファイアウォール、暗号化機能などを提供

歴史

[編集]

Windowsは当初、MS-DOS(エムエス ドス)上のアドオンソフトウェアとして1985年にWindows 1.0からスタートした。1993年には、MS-DOSを必要としない32ビットOSであるWindows NT 3.1がリリースされた。1995年には16ビットコードと32ビットコードが混在したWindows 95がリリースされ、一般ユーザー向けPCで広く普及した。

エディション

[編集]

現行のWindows 11では、主に以下のエディションが提供されている:

  • Home: 一般家庭向けの基本機能を備えたエディション
  • Pro: ビジネス向けの追加機能(ドメイン参加、BitLocker等)を含むエディション
  • Enterprise: 大規模組織向けの管理機能を強化したエディション
  • Education: 教育機関向けのエディション

システム要件

[編集]

Windows 11の主な動作要件:

macOS

[編集]

米Apple社(アップル社)が開発・販売するPC向けのOS。対応するプラットフォームはMac OS X以前では最初はMC68000後にPowerPCのみである。Mac OS Xで初めてPC/AT互換機、x86(Intel製CPUのみ)プラットフォームへの対応がなされたが、Appleが販売するコンピュータ以外のPC/AT互換機では動作しない。ユーザー主体の操作性を重視している。その登場はWindowsよりも早く、1984年の最初のシステムからすでにGUI(文字だけでなく、アイコンなどの画像や映像などで視覚的に分かりやすくした操作環境)を搭載していた。2001年にMac OS Xがリリースされたが、これは従来のMac OSとは仕様が大きく異なるものとなっている。

一般ビジネス用としてのシェアはWindowsに全く及ばないが、グラフィックデザイン、音楽、映画など、芸術・コンテンツ産業といった、いわゆる「クリエイティブ」な分野では一定の支持を得ており、また家庭用としても根強いユーザーを確保している。2006年、プロセッサのIntel製への全面移行に伴い、起動時にMac OS XとWindowsを選択したりあるいはMac OS XとWindowsを同時に使用できる機能(ブートキャンプ)が実用化、Windows専用PCからの乗り換えを検討するユーザーが増え始めた。また、Mac OS XはBSD系Unix(後述)ベースになっており、その中核部分(カーネル)はオープンソースOSであるFreeBSDをもとにして開発されている(Mac OSは、オープンソースの Darwin と、非オープンソースのコンポーネントから構成されている)。 そのため、Unix系のコマンドがマックOS上でも使用できる場合も多く、このようなUnixとマックとの親和性の高さから、Unix系 OSのプログラマーが、Mac OS X環境でUnixアプリケーションのプログラムを開発する例も見られる。

大まかに次のような変化をたどる。

Mac OS / macOS の譜系
Classic 系 日本語OS Mac OS X → macOS
Macintosh System Software    
System Software 1.0 漢字Talk 1.0  
System Software 6.1 漢字Talk 6  
System Software 7 漢字Talk 7  
System Software 7.5 漢字Talk 7.5  
Mac OS 7.6 ←(呼称を Mac OS へ統合)  
Mac OS 8.0    
Mac OS 8.5    
Mac OS 9    
Mac OS 9.1   Mac OS X 10.0 (Cheetah)
Mac OS 9.2.2   Mac OS X 10.1 (Puma)
    Mac OS X 10.2 (Jaguar)
    Mac OS X 10.3 (Panther)
    Mac OS X 10.4 (Tiger)
    Mac OS X 10.5 (Leopard)
    Mac OS X 10.6 (Snow Leopard)
    Mac OS X 10.7 Lion
    OS X 10.8 Mountain Lion
    OS X 10.9 Mavericks
    OS X 10.10 Yosemite
    OS X 10.11 El Capitan
    macOS 10.12 Sierra
    macOS 10.13 High Sierra
    macOS 10.14 Mojave
    macOS 10.15 Cataina
    macOS 11.0 Big Sur
    macOS 12.0 Monterey
macOS 13.0 Ventura
macOS 14.0 Sonoma

※ Mac OS X Server 1.0 があるが、この製品は Mac OS X とは異なるコードベースの製品で互換性はなく、他方 Mac OS X Server 10.x は Mac OS X と互換性があった。

2001年登場の Mac OS 9.2.2(コードネーム:LU1) を最後に、登場以来の系統(上記の Classic 系)の Mac OS の開発は終了した。

Mac OS X は当初から多言語(英語やフランス語、日本語、中国語など)に対応しており、Classic Mac OS や Windows のような「xx語版」という区別はない。Mac OS X 10.4.5 より、それまでの PowerPC 版に加えて Intel プロセッサ版が登場した。

2020年にリリースされた macOS 11.0 Big Sur からは、Apple内製のM1プロセッサーがサポートするプラットホームに加わった。

Unix

[編集]

Unixは、1960年代に米AT&T社のベル研究所で誕生したオペレーティングシステム(OS)であり、マルチユーザーおよびマルチタスクをサポートするために設計された。Unix自体は今でも利用されているが、その多くはUnixの理念や設計を基にしたさまざまな改良を施したUnix系OSが広く使われている。主なUnix系OSには、BSD系Unix、HP-UX、Solarisなどがある。

Unixの主な特徴は次の通りだ:

  • マルチユーザー・マルチタスクのサポート:複数のユーザーが同時にシステムを利用し、同時に複数のタスクを実行可能。
  • 高い移植性:C言語で実装されており、異なるハードウェアプラットフォームでの運用が容易。
  • ファイルの抽象化:ファイルはバイトストリームとして扱われ、さまざまなデータを一貫して扱える。
  • 階層化されたファイルシステム:単一の木構造により、ファイルやディレクトリが整理されている。
  • 独立したシェル:OSカーネルから独立して動作するコマンドインタープリターを持つ。

加えて、カリフォルニア大学バークレー校で開発されたBSD(Berkeley Software Distribution)は、以下のような機能を追加した:

  • デマンドページング式仮想記憶:必要に応じてメモリをページングし、効率的なメモリ管理を実現。
  • TCP/IPによるネットワーキングとSocket API:インターネット通信を標準化し、他のデバイスとの接続を容易にする。

これらの機能はAT&Tにもバックポートされ、広く普及した。

Unixはかつてはミニコンやスーパーミニコンでの利用が中心だったが、その後、ワークステーションやサーバーでの採用が増加した。386BSDの登場により、PCでの利用も可能となったが、当時「UNIXの権利を侵害している」との提訴を受け、配布が停滞した。この隙間を埋めたのがGNU/Linuxであり、後に「UNIXの権利を侵害していない」とされる4.4BSD-LiteをベースにNetBSDやFreeBSDが再実装・リリースされた。

一般ユーザーにおいてはWindowsのシェアが大きいが、IT企業やサーバー、基幹コンピュータの分野では、今なおUnix系OSが重要なシェアを占めている。

Linux

[編集]

狭義の「Linux」(リナックス)は、カーネルだけを意味する。Linuxは、Free Software Foundation(FSF)の提供するGNUソフトウェア群などでユーザーランドを補いオペレーティング・システムとして構成されることが多い。

このため、FSFは Linux カーネルにGNUのユーザーランドを組合せてオペレーティング・システムとしているプロダクトを「GNU/Linux」と表記する事を推奨している。オペレーティングシステム全体を「Linux」と呼称するか、それとも「GNU/Linux」と呼称するかは、論争を引き起こすこともある。

オペレーティング・システムとしてのプロダクトは「Linuxディストリビューション」と言うのが厳密な用法である。「Linuxディストリビューション」とは、Linuxカーネルを元に、実用OSとするために多くのアプリケーションの実装を行ったものである。

カーネルにどのようなアプリケーションを加えるかにより、何通りもの構成がありえ、実際にOSとしての構成が何十通りもあるので、それら個々のプロダクトについては「Linuxディストリビューション」と表現することでカーネルとは区別する。

Linuxディストリビューションは、ディストリビューターごとにカスタマイズされて配布されており、Fedora(フェドラ)、Ubuntu(ウブンツー)、Debian(デビアン)などのディストリビューションがある。


Linuxの利点

[編集]
パッケージ管理
[編集]

Windowsに対するLinuxの大きなアドバンテージは、パッケージ管理システムが充実していることである(WindowsにもWindows Package Managerchocolateyというパッケージマネージャがある)。

オープンソースのソフトウェアは、他のオープンソースのソフトウェアを組み合わせて作られている場合が多い。そのため、特に大きいソフトウェアでは、そのソフトウェアの動作に必要になる別のソフトウェアとして、どんなソフトウェアを準備して導入すればいいかの確認と導入が必要である。

このような確認・導入の作業を「依存関係の解決」という。

この依存関係わ解決のためのソフトウェアが開発されており、RPM(レッドハット系)、dpkg (デビアン系)などの依存関係の解決を自動化するソフトウェアがある。

2022年7月の時点で、macOS 上の類似のソフトウェアとして、Homebrewなどがある。 また、Linuxの誕生以前からBSD Unixでパッケージ管理システム ports/pkg があり、 パッケージ管理としてはGNU/Linuxは後発である。

カスタマイズ
[編集]

Windows, Mac OS Xと大きく異なる点として、Linuxでは広範囲のカスタマイズができることがあげられる。例えば、LinuxにおいてはGUIはX Window Systemが用いられるが、これはオプションであり必須では無い。特に、主にサーバーとして扱う場合には、GUI無しで導入した方がよい場合もあるかも知れない。

GNU/Linuxの苦手分野
[編集]

GNU/Linuxは非常に強力で柔軟なオペレーティングシステムですが、初心者にとっては挑戦的な面もあります。GNU/Linuxの苦手分野として、以下の点が挙げられます。

  1. GUIの操作
    GNU/LinuxのデスクトップGUIは、WindowsやmacOSに比べて直感的ではありません。ファイル操作やアプリケーションの起動など、基本的な操作に馴染むまでに時間がかかる可能性があります。
  2. ドライバのインストール
    WindowsやmacOSに比べ、GNU/Linuxではハードウェアドライバのインストールが面倒な場合があります。特に一般的でないデバイスの場合、対応するドライバを探す必要がある可能性が高くなります。
  3. アプリケーションのインストール
    Windowsのようなアプリストアが標準で用意されていないため、アプリケーションのインストール方法を覚える必要があります。コマンドラインを使ったパッケージ管理システムの使い方を学ぶ必要があります。
  4. コマンドライン操作
    GUIに比べてコマンドラインの操作は効率的ですが、初心者には難しく感じられるかもしれません。コマンドの種類と使い方を1つ1つ覚えていく必要があります。
  5. デュアルブートの設定
    GNU/LinuxとWindowsを同じPCで使いたい場合、デュアルブートの設定が必要になりますが、パーティション分割など複雑な作業が伴います。

GNU/Linuxは非常に柔軟性が高いオペレーティングシステムですが、その分初心者は戸惑うこともあります。しかし、それを乗り越えられれば強力なツールを手に入れることができます。慣れが必要ですが、1つずつ着実に学んでいけば、GNU/Linuxの長所を十分に活用できるようになるでしょう。

具体的な導入法
[編集]

GNU/Linux の導入方法について詳しく解説します。

前提知識
[編集]
  • GNU/Linux は Unix 系の OS で、オープンソースのカーネルを採用しています。
  • ディストリビューション (distro) と呼ばれるバージョンが複数存在し、代表的なものに Ubuntu、CentOS、Fedora などがあります。
  • GUI デスクトップ環境とコマンドラインインターフェース (CLI) の両方が利用できます。
ハードウェア要件
[編集]
  • 最小限のスペックとしては、1GHz 以上の CPU、512MB 以上の RAM、5GB 以上の空きディスク容量が必要です。
  • 一般的には、デュアルコア CPU、2GB 以上の RAM、20GB 以上の空きディスク容量が推奨されます。
  • ハードウェアによっては、追加の設定が必要な場合があります (ワイヤレスカードなど)。
  • IA(インテルアーキテクチャ)では、かつては x86(32ビットモード)からサポートが始まりましたが、現在ではamd64, x86-64 あるは x64 と称される64ビットモードしかサポートされていません。
導入手順
[編集]
  1. GNU/Linux ディストリビューションの選択と入手
    Ubuntu、CentOS、Fedora などの distro から好みのものを選び、公式サイトからインストーラ (ISO イメージ) をダウンロードします。
  2. インストーラメディアの作成
    ダウンロードした ISO イメージを USB メモリやDVD に書き込みます。
  3. インストール方式の選択
    • デュアルブート: Windows とGNU/Linux を共存させる
    • 完全インストール: ディスクを完全にGNU/Linuxに置き換える
  4. BIOS/UEFI 設定の変更
    起動時に特定のキー (F2、F12 など) を押し、USB メモリやDVD からの起動を許可する設定を行います。
  5. GNU/Linux インストーラの起動
    作成したインストーラメディアから起動し、インストーラを実行します。
  6. インストール手順に沿って設定
    インストーラのウィザードに沿って、ディスク領域の確保、ユーザ情報の設定、パスワード設定などを行います。
  7. インストールの完了
    インストールが終了したら再起動します。インストール直後はシステムの初期設定などが必要な場合があります。
仮想環境への導入
[編集]

物理マシンへのインストールが難しい場合は、仮想マシン (VM) 上で GNU/Linux を動作させることができます。

  • VirtualBox、VMware などの仮想化ソフトウェアをホストOS (Windows など) にインストール
  • 仮想マシンを新規作成し、GNU/Linux の ISOイメージをマウント
  • 上記の「導入手順」と同様にインストールを進める

Windows と GNU/Linux の切り替えが容易で、リソースを分けて利用できるため、安全で手軽な方法です。

以上が GNU/Linux の導入手順の概要となります。詳細は distro やハードウェア構成に依存しますので、公式ドキュメントも参照するとよいでしょう。

アプリケーションとは

[編集]

アプリケーションは、しばしば「応用ソフト」と呼ばれ、「基本ソフト」であるOSとの対比される。OSがコンピュータの動作における基本的な機能やシステムを提供するソフトウェアであるのに対し、アプリケーションはOSの提供するものを土台として、より専門性に特化した機能を追加・提供するためのソフトウェアである。OSにインストールすることで、使用することができる。

アプリケーションはOSに依存するため、OSの種類によってアプリケーションの対応状況は異なり、そのアプリケーションがサポートしていないOSで使用することはできない。例えば、Microsoftt 社の Word 2000というソフトはWindows用であり、MacやUnixでは使えない。Mac用にはMicrosoftから Word 2004 for Macというソフトが販売されているが、こちらは Windows や Unix では使えない、などといった具合である。

アプリケーションの種類

[編集]

以下に、代表的なアプリケーションの種類と主なソフトを示す。

ユーティリティソフト

[編集]

OSが提供している機能や、他のアプリケーションへのサポート的な役割を果たすソフト。代表的な機能としては、ウイルスチェック、メモリの使用状況やクリーンアップ、ハードウェア情報の表示など。

  • ウイルスチェックソフト
コンピュータウイルスが入ってこないか、または入っていないか監視するソフト。自動設定しておけば、毎日決まった時間にコンピュータ内をチェックすることもできる。基本的に、メールの送受信やファイルのダウンロードなど、ウイルスが入る可能性のある状況になると自動的にチェックを行ったりする。
ソフトとしては、Windows用ならウイルスバスター、Norton Anti Virus(通称「ノートン」)、Virus Scan、AVG(フリー版あり)など

Linuxでは、あまり用意されていない(少なくとも、家電屋にはLinux用のウイルス対策ソフトウェアは売ってない)。


  • デスクトップ環境
PC-Unix上ではGNOMEKDEなどのソフトウェアを組み合わせてGUI環境を構築するようになっており、これらのソフトウェアを「デスクトップ環境」という。
デスクトップ環境の中身は、ランチャー、ファイル管理などのツールを組み合わせたものと言われる。Windows、Mac OSでは、これらの機能がOS付属であるので、一般ユーザーが「デスクトップ環境」という一般名詞を特に意識することは少ない。
  • パッケージ管理
各ソフトウェアのインストールやアンインストールを行うソフトウェアであるが、ソフトウェアのアップデートにも用いられる。
種類にもよるが、ソフトウェアのインストールに必要なパッケージをパッケージごとの依存関係を考えてインストールするものもある。ライブラリやソフトウェアの重複がなくなるので、インストールのデータ量が少なくてすみ、また、インストールに必要な時間も短い。
代表的なものに。FinkRPM、dpkg(Debianを参照)などがある。

オフィスソフト

[編集]

日本では、下記に述べる、ワープロソフト、表計算ソフト、プレゼンテーションソフトをまとめて、「オフィスソフト」という。

ワープロソフト

[編集]

印刷までを想定して、文書を作成できるソフト。文字の種類や大きさ、色を変えたり、表や画像を挿入したりすることができる。

Word(ワード)、一太郎(いちたろう)、Writer(ライター)など。

『Word』は、マイクロソフト社の製品のワープロソフトである。

リブレオフィスWriter(ライター)は、無料である。

表計算ソフト

[編集]

表計算ソフトは、計算式を用いて表計算をできるソフトである。集計表や家計簿を作成したり、式に基づいてグラフを挿入したりできるソフト。

Excel(エクセル)、Lotus1-2-3(ロータス)、Calc(カルク)、三四郎など。

『Excel』は、マイクロソフト社の製品の表計算ソフトである。

リブレオフィスCalc(カルク)は、無料である。

プレゼンテーションソフト

[編集]

プレゼンテーションに特化しており、1ページ1ページを視覚的に表現することに特化されている。静止画的な修飾だけでなく、アニメーション機能なども搭載されている。

PowerPoint(パワーポイント)、Impress(インプレス)、Agreeなど。


Impress(インプレス)は、無料である。


まとめ

[編集]

マイクロソフト社が、マイクロソフト『Office』のような名前で、Windows用のオフィスソフトを販売している(基本的に有料)。

Linux では基本的に、マイクロソフト『Office』は動作せず、使えない。

そして、マイクロソフト『Office』には、上記のように『Word』『Excel』『Power Point』などがある。

マイクロソフト『Office』とは別に、オープンソースのコミュニウティの開発する無料の『リブレオフィス』(Libre Office)というオフィスソフトがある。

リブレオフィスには上記のように『Writer』『Calc』などがある。


データベースソフト

[編集]

データベースを作成し、多くの情報を管理しやすくするソフト。また、作成したデータベースの保守・管理・運用なども含む。

Access(アクセス)、MySQL(マイ エスキューエル)、PostgreSQL、Baseなど。

企業などで用いられる大規模データベースシステムでは、米国Oracle(オラクル)社のデータベース製品が主流となっている。

画像編集ソフト

[編集]

既存の画像などを加工したり、一から画像を作るためのソフト。様々な種類があり、用途に応じて使い分けられている。

映像関係の企業などでブランド的に用いられているのは、米国アドビ社のPhotoshop(フォトショップ)、Illustrator(イラストレーター)などだが、高価であり、数十万円ほどをする。

米Adobe社(アドビ社)が、PhotoshopとIllustratorを生産販売している。

アドビの製品が高価なこともあり、他の会社が、より低価格な製品を出している。

画像編集ソフトは、他にも多々ある。HitPaw Photo Enhancerは、AIを使ったモノクロ写真の自動カラー処理や低解像度の画像の高解像度化を楽しむことができる画像高画質化ソフトの一つである。

PicWish、Remove bg、VanceAIFotorなどのオンライン画像編集ツールもある。

ベクター画像

[編集]

線や円などといった、図形の情報によって画像を記録する方式の画像形式をベクター画像という。

SVGファイル形式などが、ベクター画像である。

  • Adobe Illustrator(イラストレーター)
  • inkscape(インクスケープ)

inkscape(インクスケープ)はオープンソースの無料ソフトである。


ラスター画像

[編集]

ビットマップ形式やJPEG形式の画像をラスター画像という。

  • Photoshop(フォトショップ)
  • GIMP(ギンプ)

GIMPは無料ソフトである。

ウェブブラウザ

[編集]

ウェブブラウザ(Web Browser)は、インターネット上のウェブページやコンテンツを閲覧するためのソフトウェアアプリケーションです。主な機能は、ウェブページの表示、リンクのクリックによるページ遷移、テキストや画像、動画などのコンテンツの表示、フォームの入力、ウェブサイトのブックマーク管理などです。

ウェブブラウザは、ユーザーがインターネットを閲覧するための窓口であり、以下のような特徴や機能を持っています:

  1. ウェブページの表示: HTMLやCSS、JavaScriptなどのウェブ技術を解釈し、ウェブページをユーザーに見やすく表示します。
  2. リンクの遷移: ユーザーがクリックしたリンクを解析し、関連する新しいウェブページやコンテンツに遷移します。
  3. ブックマーク管理: ユーザーが気に入ったウェブページを保存したり、整理したりするためのブックマーク機能を提供します。
  4. セキュリティ機能: ウェブブラウザはセキュリティ機能を備えており、安全な通信(HTTPS)やポップアップブロッカー、フィッシングサイトの警告などを提供します。
  5. プラグインや拡張機能: 多くのウェブブラウザは、ユーザーが機能を拡張するためのプラグインや拡張機能をサポートしています。広告ブロッカーやパスワードマネージャーなどが挙げられます。

主要なウェブブラウザとしては、Google ChromeMozilla FirefoxMicrosoft EdgeApple SafariOperaなどがあります。これらのブラウザは、それぞれ異なる特徴や性能を持ち、ユーザーのニーズや環境に応じて選択されます。

アプリケーション・ソフトウェアのクラウド・サービス化

[編集]

近年、従来のスタンドアロンで動作していたアプリケーションがクラウドベースに移行し、Webブラウザを介して利用されるようになっています。この動向は、クラウドコンピューティングの普及やインターネットの高速化、そしてユーザーの利便性の向上によって推進されています。

従来のアプリケーションは、ユーザーのローカルマシン上で動作し、データや処理はその端末に保存されていました。しかし、クラウドベースのアプリケーションでは、データや処理がクラウド(インターネット上のサーバー)に保存・処理され、ユーザーはブラウザを通じてそのアプリケーションにアクセスします。

このクラウドベースのアプリケーションの利点は次のようなものがあります:

  1. 利便性とアクセス性: ユーザーはインターネットに接続された任意のデバイスからアプリケーションにアクセスできます。特定の端末に依存せず、場所や時間を問わず利用できます。
  2. データの集中管理: データはクラウド上に保存されるため、ユーザーはデータのバックアップやセキュリティをクラウドプロバイダーに任せることができます。
  3. 更新とメンテナンスの容易性: アプリケーションはクラウド上で管理されるため、新機能の追加やセキュリティパッチの適用などの更新が効率的に行われます。
  4. コスト削減: ユーザーは自身の端末に高性能なハードウェアやソフトウェアを必要とせず、クラウド上のリソースを利用するため、コストを削減できます。

代表的なクラウドベースのアプリケーションには、Google Workspace (Gmail、Google Docsなど)、Microsoft 365 (Outlook、Office Onlineなど)、Adobe Creative CloudSalesforceSlackZoomなどがあります。これらのアプリケーションは、ブラウザを介して利用され、ユーザーに柔軟性と効率性を提供しています。

購入からサブスクリプションへ

[編集]

アプリケーション・ソフトウェアのクラウド化の文脈における「買い取りからサブスクリプションへ」の移行は、ソフトウェアの所有権と利用形態の変化を意味しています。

従来のモデル
  • ユーザーは一括でソフトウェアを購入(買い取り)し、永続的にライセンスを所有
  • メジャーアップデートは別途購入が必要
  • ユーザーは自身のハードウェア上にソフトウェアをインストール
サブスクリプションモデル
  • ユーザーは月額・年額課金でソフトウェアをレンタルする形になる
  • ソフトウェアベンダーがクラウド上で最新バージョンを常に提供
  • ユーザーはインターネット経由でクラウド上のアプリにアクセス

この変化により、以下のようなメリット・デメリットが生じます。

メリット
  • ユーザーは最新機能を常に利用でき、環境を最新に保つ手間が省ける
  • ベンダーは継続的な収入源が得られ、開発とアップデートが効率化
  • デバイスを選ばずにアクセスできる
デメリット
  • ユーザーは永続的な所有権を持てず、サブスクリプション継続が条件になる
  • 長期的にはコストが高くなる可能性がある
  • インターネット接続が前提となるため、オフライン環境では利用できない

つまり、一過性の買い取りから、常に最新の状態を保ち続けるサブスクリプションモデルへの転換が、クラウドサービス化の中心的な変化となっています。

連絡ツール

[編集]

メールソフト

[編集]

メールサーバからメールを受け取ったり、メールをメールサーバーに送信するソフトウェアである。

Windows メールThunderbird(サンダーバード)、Shurikenなど。

Thunderbird を提供している団体は、Firefoxを提供している団体と同一で、モジラ(Mozilla)財団である。


インスタント・メッセンジャー

[編集]

コンピューターネットワーク(主にインターネット)上でリアルタイムコミュニケーションを実現するアプリケーション

ICQなど。

VoIP

[編集]

IP電話を行うためのソフトウェア。

Skypeなど。


芸術作品の創作

[編集]

DTM

[編集]

PC上で作曲を行う作業をDTM(ディーティーエム)という。Desktop Music の略である。楽譜データを扱えるソフトウェアであることが多い。

Rosegarden(リンク先は英語)など。

そもそも現在、音楽制作では、すでにDTMソフトウェアに、主要な楽器の音で、それぞれの音階の音が、ソフトウェアに内蔵されている。

DTM作曲家は、それらのソフトウェア内蔵音を組み合わせて、作曲をしているのである。

DTP

[編集]

PC上で書籍の編集を行う作業をDTP(ディーティーピー)という。Desktop Publishing の略である。PC上で出版物の内容データを扱うソフトウェア。操作性はワープロソフトと似ているが、DTPソフトのほうがレイアウトの自由度が高い。

Adobe InDesignScribusなど。


3Dモデラー

[編集]

3Dのポリゴンデータを作ることを一般に「3Dモデリング」といい、そのためのソフトウェアを3Dモデラ―という。

BlenderLightWaveなど。

動画

[編集]

動画再生

[編集]

動画を再生するためのソフトウェアを、動画プレイヤーと呼んだり、ビデオプレイヤーなどという。

VLCHitPaw Video Converterなど。

動画編集

[編集]

動画を編集するソフトウェア。

iMovie、Kinoなど。

動画高画質

[編集]

低解像度動画の画質を上げるソフトウェア。

4DDiG AI動画高画質化, HitPaw Video Enhancer, AnyRec Video Enhancer, AVCLabs Video Enhancer AI, Topaz Video Enhance AIなど。

プログラミング

[編集]

IDE(統合開発環境)

[編集]

プログラミングを助けるためのソフトウェア。

VisualStudioEclipseなど。

また、VisualStudioはコンパイラ、デバッガGUIビルダを含んでいる。

コンパイラ

[編集]

ソースコードを実行形式に変換するソフトウェア。個別のプログラム言語に対して、それぞれのプログラム言語用のコンパイラが0種類[2]以上ある。

Windowsの場合、マイクロソフト社の提供するVisual Studio を導入すると(現在(2019年)は無料版がある)、いっしょにWindows用プログラムのコンパイラが付いてくる。

そのほかの団体の提供するコンパイラもあり、Unix系のOSので使える

GCC(C言語系の言語のコンパイラ)
clang\(C言語系の言語のコンパイラ)

などもある。

デバッガ

[編集]

実行形式やバイトコードの動作を確認するソフトウェア。バグ(不具合)を取り除く作業をデバッグといい、そのためのソフトウェアなので、デバッガという。

Windowsの場合、Visual Studio にデバッガも付いてくる。

Unix系のOSでは、GCCを提供する団体と同一の団体であるGNU(グニュー、団体名)によるデバッガの

GDB

がある。

インターフェースビルダー

[編集]

GUIの制作の際、GUIは、いくつかのパーツに分けられており、そのGUI部品をウィジェット(コントロール)という。ウィジェットを組み合わせてGUIを作るソフトウェアをインターフェースビルダーという。

gladeなど。

サーバー

[編集]

他のプロセス(クライアント)の要求を処理するソフトウェア。クライアントは同じPC上にあることもあるが、他のPC上にあってもよい。例えばWebサーバはネットワーク越しにクライアント(Webブラウザー)からの要求を受けることがある。

ホームぺージをクライアントに送るサーバー。このWikibooksのページもHTTPサーバーで運用されている。

  • Windows
Microsoft Internet Information Services (IIS)
  • Linux
Apache HTTP Server (アパッチ エイチティーティーピー サーバー)

ファイルをクライアントと送受信するサーバー。ファイル保存、ホームページファイルのアップロードで運用されている。

  • Windows
Microsoft Internet Information Services (IIS)
  • Linux
ProFTPD

暗号や認証の技術を利用して、安全にリモートコンピューターと通信するサーバー。

  • Linux
OpenSSH (Open Secure Shell)

多く運用されているプロトコルはPOP3(受信)、SMTP(送信)、IMAP(サーバー同期型)で、個人で運用すると取得ドメインの元に限って自由な利用ができる。

  • Windows
Microsoft Internet Information Services (IIS)
  • Linux
Postfix (ポスト・フィックス)
  1. ^ Windows 11からは64ビット(amd64)版のみの提供となった。
  2. ^ インタープリターしか言語処理系がない言語もある。