コンテンツにスキップ

商法第546条

出典: フリー教科書『ウィキブックス(Wikibooks)』

法学民事法商法コンメンタール商法第2編 商行為 (コンメンタール商法)

条文

[編集]

(結約書の交付義務等)

第546条
  1. 当事者間において媒介に係る行為が成立したときは、仲立人は、遅滞なく、次に掲げる事項を記載した書面(以下この章において「結約書」という。)を作成し、かつ、署名し、又は記名押印した後、これを各当事者に交付しなければならない。
    1. 各当事者の氏名又は名称
    2. 当該行為の年月日及びその要領
  2. 前項の場合においては、当事者が直ちに履行をすべきときを除き、仲立人は、各当事者に結約書に署名させ、又は記名押印させた後、これをその相手方に交付しなければならない。
  3. 前二項の場合において、当事者の一方が結約書を受領せず、又はこれに署名若しくは記名押印をしないときは、仲立人は、遅滞なく、相手方に対してその旨の通知を発しなければならない。

改正経緯

[編集]

2018年改正により以下の条項から改正。

  1. 当事者間ニ於テ行為カ成立シタルトキハ仲立人ハ遅滞ナク各当事者ノ氏名又ハ商号、行為ノ年月日及ヒ其要領ヲ記載シタル書面ヲ作リ署名ノ後之ヲ各当事者ニ交付スルコトヲ要ス
  2. 当事者カ直チニ履行ヲ為スヘキ場合ヲ除ク外仲立人ハ各当事者ヲシテ前項ノ書面ニ署名セシメタル後之ヲ其相手方ニ交付スルコトヲ要ス
  3. 前二項ノ場合ニ於テ当事者ノ一方カ書面ヲ受領セス又ハ之ニ署名セサルトキハ仲立人ハ遅滞ナク相手方ニ対シテ其通知ヲ発スルコトヲ要ス

解説

[編集]

ドイツ商法典第94条に由来する。

ドイツ商法典第94条(結約書)
  1. 商事仲立人は,当事者がその交付を免除せず,又は取引目的物の種類からその地域の慣習上免除される場合を除き,取引の締結後遅滞なく,自らの署名を付した結約書を両当事者に交付しなければならない。結約書には,両当事者の氏名,取引の目的物及び取引条件,特に物品又は有価証券の販売の場合には,その種類及び量,並びに価額及び引渡時期について記載されていなければならない。
  2. 直ちに履行すべき取引ではない場合,結約書は両当事者に署名のために交付することを要する。このとき,それぞれ一方当事者の署名済みの結約書が他方当事者に送付されるものとする。
  3. 一方当事者が結約書の受取又は署名を拒否したとき,商事仲立人は他方当事者に遅滞なく通知しなければならない。

当事者間の紛争防止のために定められた。仲立営業の信用を高めるために定められた。

「あの仲立人のためにトラブルが起こった!」という風評が立たないように定められたと考えればわかるだろうか。

参照条文

[編集]

判例

[編集]

前条:
商法第545条
(見本保管義務)
商法
第2編 商行為
第5章 仲立営業
次条:
商法第547条
(帳簿記載義務等)
このページ「商法第546条」は、まだ書きかけです。加筆・訂正など、協力いただける皆様の編集を心からお待ちしております。また、ご意見などがありましたら、お気軽にトークページへどうぞ。