民事訴訟法第325条
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条文
[編集](破棄差戻し等)
- 第325条
- 第312条第1項又は第2項に規定する事由があるときは、上告裁判所は、原判決を破棄し、次条の場合を除き、事件を原裁判所に差し戻し、又はこれと同等の他の裁判所に移送しなければならない。高等裁判所が上告裁判所である場合において、判決に影響を及ぼすことが明らかな法令の違反があるときも、同様とする。
- 上告裁判所である最高裁判所は、第312条第1項又は第2項に規定する事由がない場合であっても、判決に影響を及ぼすことが明らかな法令の違反があるときは、原判決を破棄し、次条の場合を除き、事件を原裁判所に差し戻し、又はこれと同等の他の裁判所に移送することができる。
- 前二項の規定により差戻し又は移送を受けた裁判所は、新たな口頭弁論に基づき裁判をしなければならない。この場合において、上告裁判所が破棄の理由とした事実上及び法律上の判断は、差戻し又は移送を受けた裁判所を拘束する。
- 原判決に関与した裁判官は、前項の裁判に関与することができない。
解説
[編集]参照条文
[編集]判例
[編集]- 土地買収無効占有引渡請求(最高裁判決昭和30年9月2日)裁判所法第4条、旧・民事訴訟法第388条(民事訴訟法第307条)
- 控訴審における破棄差戻判決の拘束力
- 控訴審における破棄差戻判決に対し上訴が提起されず、右判決が確定したときは、破棄の理由となつた法律上、事実上の判断と異なる主張を上告理由とすることは許されない。
- 所有権確認等請求(最高裁判決昭和43年3月19日)裁判所法第4条
- 上告審判決の破棄理由とした法律上の判断の拘束力が及ばないとされた事例
- 上告審判決が、一定の事実関係のもとで、ある法規の適用を否定した原判決の判断を違法としてこれを破棄し、事件を原裁判所に差し戻した場合において、差戻を受けた原裁判所が、同一事実関係について、右法規の適用の可否を判断しないで、他の法律上の見解による判断をして、右法規を適用したのと同一の結論に達した判決をすることは、右上告審判決の破棄理由とした判断に抵触しない。
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