民法第402条
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法学>民事法>コンメンタール民法>第3編 債権 (コンメンタール民法)
条文
[編集](金銭債権)
- 第402条
- 債権の目的物が金銭であるときは、債務者は、その選択に従い、各種の通貨で弁済をすることができる。ただし、特定の種類の通貨の給付を債権の目的としたときは、この限りでない。
- 債権の目的物である特定の種類の通貨が弁済期に強制通用の効力を失っているときは、債務者は、他の通貨で弁済をしなければならない。
- 前二項の規定は、外国の通貨の給付を債権の目的とした場合について準用する。
解説
[編集]1項
[編集]- 1項本文「各種の通貨で弁済をすることができる」とは、たとえば千円紙幣、五千円紙幣、一万円紙幣など、どの種類の通貨で弁済してもよいという意味である。
- 1項但書にいう「特定の種類の通貨の給付を債権の目的としたとき」とは、たとえば「全額を一万円紙幣で支払う」といった特約をした場合である。この場合は、当該通貨で支払わねばならない。
2項
[編集]- ただし、弁済期においてその通貨(たとえば一万円紙幣)が強制通用力を失っている場合には、千円紙幣など他の通貨で弁済しなければならない(2項)。
3項
[編集]- 1項および2項の規定は、債権の目的が外国の通貨である場合にも適用される(3項)。ただしこの場合、債務者は日本の通貨で弁済することもでき、換算は履行地における為替レートに従う(403条)。
参照条文
[編集]判例
[編集]- 償還金本位換算金請求(最高裁判決 昭和36年06月20日)民法第1条2項
- 貨幣価値の下落と割増金付割引勧業債券の券面額による支払
- 昭和9年10月発行の割増金割引勧業債券について、債券発行売出銀行は、別段の特約のない限り、償還時に貨幣価値が下落していても、償還当時の貨幣で券面額を弁済することにより免責される。
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