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ガリア戦記/用例集/転置法

出典: フリー教科書『ウィキブックス(Wikibooks)』

転置法とは

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転置法hyperbaton [1]) とは、強調または詩的効果のために、単語または語句の通常の論理的な語順を逆さまにすること。[2]

語順が複雑に入り組むため、読解しづらいことが多い。

例えば、カエサルの『内乱記』には、次のような例がある。

dīmissō cōnsiliō, cōntiōnem advocat mīlitum.[3]   (内乱記 第2巻32節①項)
作戦会議を解散させた後で、 集会を 召集する 兵士たちの


次の例では、「皆の心に」「大きな恐怖が」という二つの語句の語順が入り組んでいる。
At in castrīs Cūriōnis magnus omnium incessit timor animīs [3]   (内乱記 第2巻29節①項)
ところが、クリオーの陣営では、 大きな 皆の 降りかかる 恐怖が 心に

ガリア戦記 第6巻』では、例えば次のような例がある。
diēsque adpetēbat septimus [3]   (ガリア戦記 第6巻35節①項)
日が 近づいていた 第七の
「七日目が近づいていた」というところで、diēs 「日が」という名詞が前に出て、強調されている。


ガリア戦記 第5巻』では、例えば次のような例がある。
hāc in utramque partem disputātiōne habitā [3]   (ガリア戦記 第5巻30節①項)
このような 双方の側において 討議が なされて
「このような討議がなされて」という絶対奪格句で、hāc 「このような」という指示形容詞が前置詞句をまたいで前に出て、強調されている。






脚注

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  1. ^ hyperbatonの意味 - goo辞書 英和和英
  2. ^ wikt:en:hyperbaton#Noun : An inversion of the usual or logical order of words or phrases, for emphasis or poetic effect.
  3. ^ 3.0 3.1 3.2 3.3 w:en:Hyperbaton#Latin を参照。

関連項目

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