不正競争防止法第9条

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不正競争防止法第9条

不正競争による営業上の利益の損害に係る訴訟における相当な損害額の認定について規定する。

条文[編集]

(相当な損害額の認定)

第9条 不正競争による営業上の利益の損害に係る訴訟において、損害が生じたことが認められる場合において、損害額を立証するために必要な事実を立証することが当該事実の性質上極めて困難であるときは、裁判所は、口頭弁論の全趣旨及び証拠調べの結果に基づき、相当な損害額を認定することができる。

解説[編集]

不正競争による営業上の利益の損害に係る訴訟における損害額の立証負担を軽減するための規定である。

不正競争による営業上の利益の侵害による損害は、経済活動を通じて発生するため、その額を立証することは困難である[1]

従来、不正競争による営業上の利益の損害に係る訴訟において損害額を立証する際には、一般原則として、民訴248条の規定によりその立証負担を軽減できる措置が定められていた。また、不競法上も5, 6条(本条が追加された平成15年当時、現5, 7条)の規定により立証負担の軽減が図られていた。

しかし、たとえば、本条追加直前の5条1項(現同条2項)の規定により損害額を立証しようとしても、商品等表示、商品の形態や営業秘密などの寄与度の立証は困難である[2]。また、本条の追加と同時に追加された5条新1項の規定により損害額を立証しようとしても、不正競争により商品の値下げを余儀なくされたときには、被侵害者の利益額の立証にあたってその計算が複雑となる。 これらの場合のように計算式を立てることが困難であっても不可能であるとまでは言えず、このため一義的に「損害の性質上……極めて困難」(民訴248条、太字による強調は筆者)であるとは言えず、同条の適用が困難であるとの指摘がなされていた。また、その販売数量を立証するには法外な費用がかかり、そのすべてを証明することが現実的ではない場合も想定される。

そこで、特105条の3と同様の規定を導入し、損害額を立証するために必要な事実を立証することが当該事実の性質上極めて困難であるときは、裁判所口頭弁論の全趣旨及び証拠調べの結果に基づいて相当な損害額を認定できることとした。

改正履歴[編集]

  • 平成15年法律第46号 - 追加
  • 平成17年法律第75条 - 条文移動(6条の3から)

脚注[編集]

  1. ^ 経済産業省知的財産政策室編著『逐条解説 不正競争防止法』商事法務、2016、p. 144
  2. ^ 製品の機能、商標など他の要因も顧客吸引力を発揮する。

関連項目[編集]

前条:
8条
不正競争防止法
第2章 差止請求、損害賠償等
次条:
10条